ファーストラヴ(島本理生・文藝春秋)を読んで
事件の謎と闇の部分を解いていく物語。環菜は父をなぜ殺したのか。母はなぜ環菜の敵になったのか。最初から謎だらけで恋愛話が宙に浮いてしまった感がある。登場人物は心に傷を持った人達ばかりで、それぞれが闇の中で蠢いているイメージだ。でも由紀の夫である我聞がしっかりした人格者なのが、物語を底辺で安定させているように思った。最後は謎が全部解けてスッキリした。ファーストラヴというより家族関係に重点を置いた話だった。環菜がウソをつかず本当の事を正直に言える人になったのがよかった。
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