riehirano

2024年の文化活動を記録してみようと思います。

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最近の記事

『ミセス・クルナスvsジョージ・w・ブッシュ』試写会

シリアスなことを、ユーモアに包んで表現されることに、自分がいかに慣れていないかを思い知らされてしまった。 9.11が起こった時代背景も手伝って、ドイツ在住のトルコ移民一家の息子・ムラートさんが、旅先のパキスタンで突如アメリカに拘束され、グアンタナモに収監されてしまう。この無実の息子を救うために行動を起こした、母・ラビエさんのお話。 そもそも、こういう史実があったことを知らなかった…。 敗戦を経て復興を進める中、労働力として移民を招待したドイツ。まさか住み着くとは思ってな

    • 『オッペンハイマー』劇場観覧

      映画好きを語るなら、避けて通れない作品。 ということで、みに行ってきました。 ニュースか何かで、原爆そのもののリアルさが足りない…みたいな感想を聞いてしまっていたことで、若干ミスリードされてしまった。 これは、オッペンハイマーさんの人物記であって、原爆の話ではない。故に、原爆の悲惨さが描かれていなかろうが違和感はない。 映画は、1954年のオッペンハイマー事件を軸に、1947年にプリンストン高等研究所所長への任命が、ミックスして出てくる感じで、ちょっと時間軸についていけ

      • 『ブルックリンでオペラを』試写会

        ブルックリンに住む夫婦の転換の物語。 ニューヨークとブルックリンとマンハッタンの違いがわからない私には、ぽかんとするタイトルですが…原題は『SHE CAME TO ME(彼女が降ってきた)』という劇中オペラのタイトルにもなっているそう。 アン・ハサウェイさんがプロデュース。あんまりにも存在感がありすぎて、消えちゃうんじゃないかってくらいの透明感を出しすぎて、ラストのオチがハマりすぎていた。そうね、あなたのような人ならそういう選択も当然かもって思わせてくれる外見を含めたキャ

        • 『PAST LIVES』試写会

          韓国で幼馴染だった二人が、成長した先で繋がって離れて、会いにいって…というお話。 海外向けにつくられたであろう映画だから仕方ないのかもしれないけど、『縁ーイニョンー』の方がタイトルに相応しい気がした。 日本でも「袖触り合うは多少の縁」というけれど、同じような言い伝え? ことわざ?が韓国にもあると知れたのは、新しい発見。 アカデミー賞にノミネートされたのは、欧米のキリスト教圏ではない、巡り合わせのロマンチックさに一因があるのでは?というリリコさんの見解。 そういう意味で

        『ミセス・クルナスvsジョージ・w・ブッシュ』試写会

          『GOD LAND』試写会

          アイスランドがまだ、デンマークの支配下にあった頃の、アイスランドのお話。 もともと歴史にくらい私は、ヨーロッパというより北欧の歴史など何も知らない。そのためたくさんの「なぜ」に囲まれながらの鑑賞でした。 さらにいうと、特定の宗教に思い入れもないゆえ、苦痛に耐えることの美しさには理解が及びません。 結果、誰にも心を沿わせることができず、終始傍観者として眺めることに。 アイスランドの壮大な景色には、たしかに一定の、メッセージ性を担うだけのエネルギーはありそうです。 けど

          『GOD LAND』試写会

          『コールジェーン 女性たちの秘密の電話』試写会

          もう本当に、チラシのミスリードがよくない。よくないよー。 これは、権利のために戦った女性の話ではまったくなく、助けを必要としている女性に寄り添い続けた女性の話だ。 その時の精一杯を続けただけだ。戦った話じゃない。でも?だからこそ?、女性にとっては共感に溢れる話だ。 それでいいじゃないか。こういう事実があった、という話じゃどうしてダメなの。 昔の話を描いているけど、今まさに、その時代に戻ってしまっているアメリカの現状を見ているかのような内容。 無料で手術を受けられる人

          『コールジェーン 女性たちの秘密の電話』試写会

          『陰陽師0』試写会

          超おもしろかった。内容がとか映像がとかいう前に、そもそもこういう世界観が大好きだ。まるで、推しの曲なら捨て曲でもカッコいいと思っちゃうフィルターかかってるみたい。 と、前置きしておきます。 漫画原作で数多く主演を務めてきている山崎賢人さん。 その作品もいくつか見た記憶がありますが、これは本当にカッコよかったです。野村萬斎さん主演の陰陽師も見ていたので、これがあれへつながるのかぁとしんみりしながら。 佐藤健さん主演の『るろうに剣心』と同じくらい、完成度がすんばらしくて。山

          『陰陽師0』試写会

          『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション 前章』プレミア試写会

          私は原作を読んだことがない。のだけど… 映画云々の前に、作者の浅野いにおさんの話が聞けたことが、何より一番ありがたかった。 固有名詞は出さないけれど、どの出来事を胸に秘めて、最後に「たくさん話します」と前置きしたのか、みんながわかってた。と思う。 「これはお祭りだから」と先生は言ってた。原作を読んだら、この言葉の意味するところがわかるかな。と、読み始めたところ。 プレミアとはいえ試写会。完成品じゃないという。 公開日に間に合うように、今この瞬間もたくさんの書き直しをし

          『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション 前章』プレミア試写会

          ※ネタバレ『DOGMAN ドッグマン』試写会

          ※具体的な内容には言及していないつもりですが、ストーリー展開には触れているので、お気をつけください。 『レオン』の監督、リュック・ベッソンさんが久しぶりに監督した…ということで話題の作品。 なんか、こういう、アングラなドラッグクイーンみたいな設定、みんな好きだよね。と思ってしまったんだけど…どうしよう。 主人公ドッグマンの半生から現在の手前までの過程の話はとても面白かった。どう展開していくのか、ワクワクした。 ただ、後半に失速していく感じがもったいない。魅力的なキャラ

          ※ネタバレ『DOGMAN ドッグマン』試写会

          『ソウルメイト 七月と安生』 Amazon prime

          韓国版の『ソウルメイト』がおもしろかったので、俄然、オリジナルに興味が湧いて。300円のAmazon primeレンタルで。 個人的には、こっちの方が胸に沁みた。じーんと泣きたくなった。映画館で見ていたら、たぶんエンドロールでじわっと泣いちゃっただろうな。なんで泣きたくなっちゃうのかわからない。少し胸に苦しい感じ。 大筋は同じなんだな、と思いつつ、ここを変えてきたのかぁと、違いを楽しむのもまた面白い。韓国版は、男女の役割という別の意図が含めてあったけど、こちらにはそういう

          『ソウルメイト 七月と安生』 Amazon prime

          『ソウルメイト』試写会

          香港デレク・ツァン監督の『ソウルメイト/七月と安生』の韓国版リメイク。 こういう密度の関係性って、映画や漫画や小説や、形はどうあれ、ストーリーの題材としてよく見かけるけど、どのくらいリアルな世界なんだろう?と、考えてしまう。少なくとも、私の身近では全然みないし、聞かないので。 二人が共有したものとか、男女の役割とか、韓国版では整理されて、ライトな仕上がりだった。はっきりと、これは女性の物語だった。 恋愛の関係性かどうかに関わらず、「あなたしかない」って言える相手がいるこ

          『ソウルメイト』試写会

          『カラーパープル』ジャパンプレミア試写会

          行ってみたらジャパンプレミアでした。 海外の作品なので、どなたが登壇するのかなと思ったら、LILICOさんと、3時のヒロインのゆめっちさん、かなでさん。 一度振られたらしゃべり倒すのがLILICOさんのスタイル。そこに絶妙な相槌で盛り上げてくれる、3時のヒロインさん。皆さんのパワフルなトークを楽しみました。 途中、劇中歌『Push the buttom』がパワーワードになる展開でしたが…あのボタンが何を指すか、知ってる人少ないだろうなぁ…と思っちゃいました。原作はとても

          『カラーパープル』ジャパンプレミア試写会

          『熱のあとに』試写会

          タイトルがあまりにも秀逸で、まさに、熱のあとを描き、さらなる熱のあとの未来を問いかけてくる。 それぞれの熱のあとが気になって仕方がない。なぜあの人ばかり救われるのか。なぜあの人に関わった人は救われない方へ行ってしまったのか。 腹がたって仕方がなかった。なぜ、腹が立つのか。 試写会後の、鈴木涼美さん×森直人さんのトークイベントを聞いていなかったら、賛否の「否」しか残せなかったかもしれない。それは同時に、己の見てきた世界の狭さとか偏りを示してもいる。 鈴木さんから見た「歌

          『熱のあとに』試写会

          『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』試写会

          私は、彼女の作品を、ただの一度も読んだことがない。「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ」シリーズの絵は見覚えがあった。『魔女の宅急便』を知ってはいるけれど、ジブリアニメのオリジナル脚本だと思っていたくらいだ。母になるまで話が続いていたなんて思いもしなかった。 角野栄子さんは本当にカラフルな魔女で、「書くこと」という角野さんオリジナルの魔法を駆使し、子どもたちに「楽しい」を与え続けてきた。そしてご本人も本当に楽しそうに日々を生きている。 そういう暮らしからしか生み出せない

          『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』試写会

          『ゴジラ-1.0』モノクロ版

          劇場鑑賞 モノクロ版は旦那さんの選択。 ほぼモノクロ映画を見たことがない。自宅テレビで『東京物語』を見たくらい。まして、大きなスクリーンでなんて。 慣れはやっぱりあって。はっきりと見えないところとか悩ましかったけど、新しい体験で面白かった。 少し長めの125分は、一瞬も飽きずに進んでいく。違和感のないストーリー展開も秀逸。 よく舞台をこの年代に設定したなぁ…って驚く。 ゴジラという生物?を描いたというよりも、戦後の日本の復興を描いたかのような映画。 着々と復興を遂げ

          『ゴジラ-1.0』モノクロ版

          『ウィッシュ』劇場

          映画館で鑑賞 胸に響くいい映画だった。 こういうメッセージに弱い状態なんだなぁ…。 凹むというか、自分を省みる機会になってました。 アーシャの歌うメインの歌が、まさかこんな風に力強く轟く演出になろうとは思ってもいなくて、誰もいなければ号泣したいくらいだった。 自分の夢を誰かに預けるなんて。誰かに叶えてもらうなんて。叶うかどうかを決めるのが他人だなんて。 アーシャが当たり前にみんなに助けを求めていたことに感動する。みんなと生きてるってこういうことなんだよなぁって。 で

          『ウィッシュ』劇場