ビーバーの話はまだしていなかったね 20220612

とある方が、「ホテルの部屋を自分の部屋に変える」という言葉とともに、服や本、コーヒー道具一式を各所に配置した写真を投稿されていた。ホテルに着き、荷解きをし、万人に向けられて整えられた部屋を我がものとすべく環境を整えていく。そのさまを想像して、ベン・ゴールドファーブ、木高恵子訳『ビーバー 世界を救う可愛すぎる生物』(草思社)という本を思い出した。

いや、思い出したというのは正確ではない。私はこの本の話がしたくてたまらなかったのだ。しかし一方的に語るほどには詳しくないし、自然科学の、それも500ページに迫らんとする本が話題になる本屋でもないので、少しでも会話の中にビーバー、せめて川やダム、建築の話が出ないものかと様子を伺っていた。しかし今日の話題の中心は団地であった。私自身団地に住んでいたこともあるし、ゲンロン10に掲載されている東浩紀「悪の愚かさについて、あるいは収容所と団地の問題」の中で議論されている、収容所の跡地に団地ができる、という話題や、後藤明生が住み、しばしば物語の舞台となった草加松原団地(今では更地らしい)や、museum shop Tにて行われた松本宙の展示「Wall,Window」が気になっていた(そして見損ねた)ことなど、いくらでも話したいことは湧いてくる。話題書も、宣伝している本もある。しかしだ。今週の私はビーバーについて語りたいし読みたいのだ。

と、いうわけで明日はビーバーの話を書く。

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