合羽 20221007

寝る前は今日が雨だということを覚えていたのに、起きたらすっかり忘れていたらしい。合羽を着て慌ただしく家を出る。

新しいアパートに引っ越してからひと月がたったが、未だにペースが掴めないでいる。店まで自転車で3キロほどなので、晴れの日は程よい運動なのだが、雨の日は大変だ。合羽を着て自転車で3キロはなかなか骨が折れる。フードで視界は狭まるし、ブレーキも効きにくく、路面も滑りやすいのでのろのろ走るしかない。かと言ってこの道のりを歩いて通えば夜型の私は簡単に遅刻する(早起きはとうに諦めている)。

ここまで書いていて自分がこんなに不満を抱えているように見えることに驚く。実際には特に不満でもないし疲れてもいない。まだ慣れていないから、毎日違う状況に対応するのが楽しいのだろうか。

とても寒い上に雨が降ったので、自転車に乗ると剥き出しの手の甲が冷える。水滴に熱が奪われているなあとぼんやり思いながら自転車を漕ぐ。合羽はワークマンで買った、蛍光イエローのやつ。ネットで見たときにはいかしている様に思えたのだが、やはり合羽は合羽でしかなく、垢抜けているとは言い難い。ついでに言えば、自転車も黄色い。欲しかったメーカーの、一年前のモデルだった。たまたま黄色が残っていたから選んだのだが、なかなかどうして気に入っている。

金曜日はなぜか決まってお客さんが少ないので、発注や会計、ネットショップの登録などを進めてしまうことにしている。元々人が来たら内心びっくりするくらいには客の少ない店なのでのんびり構えているが、流石に何か対策をしなくてはならないような気もする。休みの曜日を変えるか、割引でもするか。

昨日買った無印良品のカーディガンを「無印でしょ!」「無印だね!」と、二人がかりで言い当てられた。早押しクイズのようだった。

晩ご飯は今更ながら月見バーガーを買った。卵が入っているだけなのに、なぜ買ってしまうのか。携帯で注文をしたが、使い方がよくわからず、店に入ってから調理が始まった。待つ。

料理をさぼっておいしいものが食べられることに浮かれていたのか、入ったことのない駅近くの老舗そうな本屋にも寄った。図書カードを持ってきたつもりだったが見つからなかったので現金でチェンソーマン12巻を買った。店中をマックの匂いに染めてしまったので悪いことをしたなと思ったが、「雨の中ありがとうね」と声をかけてくださった。通う。

本日の入荷

・NEUTRAL COLORSからは以下の7冊。印刷から誌面づくりまで他に類を見ない仕上がり。製作過程を共有し、出版文化自体に貢献しようという強い意志を感じる。

NEUTRAL COLORS 3
NEUTRAL COLORS 2
導光 ─花は盛りに─ 
写真の中の君は何を見ている
Middle Life Notes
The Shapes of the Heart
FLOWER

・破滅派からは注目の一冊が再入荷。しかもサイン入り!サイン本、西の方の書店でしか手に入らないと思ってました…私が一冊欲しいくらいだよ…。

佐川恭一『シン・サークルクラッシャー麻紀』

・素粒社からは新刊より先に既刊が一冊。表紙も綺麗なせいか、初めて手にとってその場で買うお客さんの多い本。

小津夜景、須藤岳史『なしのたわむれ』

・音楽家の佐々木すーじんさんから自主制作の冊子とCDが届く。原島大輔氏書き下ろしの随想『息の霊』も収録。原嶋さんの翻訳されたユク・ホイ『再帰性と偶然性』(青土社)も仕入れなければ…

佐々木すーじん『kq』


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