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またまたクリント・イーストウッド〜セルジオ・レオーネ監督「夕陽のガンマン」

クリント・イーストウッドの初期監督作品について書きましたが、そのルーツとも言うべき「ドル3部作」が未見という体たらく。「荒野のストレンジャー」(1973年)を観たら、俄然見なければという気になりました。

イタリア製西部劇を、“マカロニ・ウエスタン“と呼びました。英米では“スパゲティ・ウエスタン“です。その一つがセルジオ・レオーネ監督がイーストウッドを起用した作品。黒澤明監督「用心棒」(1961年)をリメイクした第一作「荒野の用心棒」(1964年)は、残念ながら配信されていないので、第二作「夕陽のガンマン」(1965年)をU-NEXTで観ました。

若き賞金稼ぎモンコ(クリント・イーストウッド)が、同様におたずね者を追うモーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)に遭遇し、互いに緊張感が保ちつつ、共同戦線を張る。狙うのは、悪党エル・インディオ一味。

若き日のイーストウッドはもちろん魅力的なのですが、リー・ヴァン・クリーフが素晴らしい。彼の存在が、この映画を単なるイタリア製西部劇にとどめない作品にしています。どこかで見たことあると思って調べたら、「真昼の決闘」(1952年)や「OK牧場の決斗」(1957年)で悪役を演じていました。

“大佐“というタイトルが象徴するように、銃の腕は賞金稼ぎには見えない風貌、これも含めイーストウッドとの見事な対比になっています。

映像は、西部劇でもイタリア人監督が作ると、やっぱりイタリア映画です。乾いた印象の画面、暗示的に提示される幾つものショット。

そして、この映画の大きな魅力はエンリオ・モリコーネの音楽!

やはり名作と言われる映画は、ちゃんと観ておかないといけませんね。

レオーネ監督の手腕を、イーストウッド監督がしっかり吸収し10年後の自作「荒野のストレンジャー」で花開かせたことがよく分かりました。

トリビアですが、インディオ一味の金髪の男、ナスターシャ・キンスキーの父、クラウス・キンスキーでした。

続く「続・夕陽のガンマン」も、時間を見つけて見ます。こちらは180分近い大作です



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