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15年ぶりの「立川流三人の会」(その1)〜立川談志十三回忌の年に

2023年3月29日、高田文夫プロデュース 第三回「立川流三人の会」、15年振りとのことである。“三人“とは、立川志の輔立川談春立川志らく、会場は創業150周年を祝う明治座である。私は、この三人が揃う会は観たことがなかった。

志の輔・談春は、立川生志・雲水との傳志会を開催していたので、定期的に共演していた。ただし、この会も2021年で終了した。

落語ファンからすると、歴史的なイベントということでチケット争奪戦は激しく、私も入手できないまま当日券に望みをたくした。当日券の発売方法は、指定時間に集まった人からの抽選、並んだ順ではない。夜の部に挑んだのだが、発売枚数は25枚程度とのこと。正確な人数は不明だが、それ以上の人が並び抽選に。小さな紙が一枚ずつ配られ、数字が書いてあれば購入順をゲットできる。ブランクははずれ。

私の後ろにいた女性は、「昼も並んだけれど10枚くらいしか出なかった。夜よりも多くの人が集まり、はずれたので、再度チャレンジなんです」と話していた。私の紙には16が書かれており、無事にチケットを入手、1階席最後方の列だが悪くない。明治座は3階まであり1500近い客席数、立ち見客もいて、開場以来の入りという説もある。

まずはプロデューサーの高田先生登場。軽妙なギャグを飛ばし、客席を少し温めた後、三人が登場。出番をどうして決めるのかと思っていたら、公開ジャンケンである。

昼の部は、志の輔>志らく>談春の順で優劣が決まり、それに従って希望の出番を選んだ。持ち時間の目安は最初の二人が30分、トリが45分である。志の輔がトップを選び演目は「親の顔」、志らくが「親子酒」、談春が「文七元結」と親子に関係する噺が並んだとのこと。

夜の部のジャンケン、結果は談春>志らく>志の輔だった。客席の多くが、トリは志の輔と喜んだ。それを見越して談春は二番手を選んだが、志らくが「この二人の後にトリを取れるチャンスはそうそうないから」と、トリを選ぶ。さらに、「『文七』を演る」と昼の談春のネタにぶつけてきた。

談春はこれを受け選択をトップに変更、中トリの二番手に志の輔が回った。

トップの談春、「三人が揃うと、入門間もない頃の“青春“を思い出す」と、師匠の談志との思い出を含め話す。談志、小遊三、ヨネスケの三人が渋谷の知人の店に飲みに行く。談志は当時前座の談春・志らくに「バカでも水割りくらい作れるだろ」と、二人を連れて行く。彼らの紹介も兼ねてである。

その場での、志らくのはじけぶりを紹介しながら、同店に二人で再訪した際のエピソード。メニューのビラに“ピスタチオ 800円“とある。談春は志らくに「ピスタチオってなんだ?」。志らくは「知らない」、二人はおそらくイタリア料理だろうと思い注文すると、ナッツが出てきた。何も知らない二人は、それを殻ごと食べた。。。。「不味いな」。

談春・志らくは、その後「立川ボーイズ」を結成し、一時期ユニットとして活動する。そんな二人の若き日のエピソードである。

そうして、談春はネタに入っていく(明日に続く)


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