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Netflix「離婚しようよ」〜“お茶の間“に宮藤官九郎のドラマを

NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送、毎日楽しませてもらっている。

直近のエピソードでは、“あまちゃん“ の母、天野晴子が上京し、大女優・鈴鹿ひろ美と対峙する。小泉今日子と薬師丸ひろ子の緊迫の場面、しかも脇にいるのは、能年玲奈(現:のん)、松田龍平、ピエール瀧に福士蒼汰。そして、アイドルグループを率いる、秋本康もどき太巻太一を演じる古田新太である。ほとんど、奇跡的な場面。

このドラマを観ていると、小泉今日子が本人役なのではないかと思ってしまう。薬師丸との応酬を観ると、脚本と役者本人の素晴らしいシンクロを感じる。

過去の宮藤官九郎と並行して、Netflix「離婚しようよ」を観た。こちらは、来年の大河ドラマ「光る君へ」の大石静との共同脚本である。

タイトルがまずふざけている。吉田拓郎の「結婚しようよ」の裏返しである。そう言えば、拓郎の奥様、森下愛子はクドカンのドラマに、何度か出演している。

主演の松坂桃李は、現実社会ではないかと矢面に立つ二世議員である。その妻役が、仲里依紗で有名女優という設定。代表作は「巫女ちゃん」で、決め台詞は“かしこみ、かしこみ〜“って、ふざけすぎてるだろ! このドラマを見ながら、私は妻に「“じぇじぇ“に続いて、“かしこみ、かしこみ〜“が流行語大賞取るんじゃない」と言うと、軽く無視された。

松坂桃李は、おぼっちゃま議員にありがちな脇の甘さで、浮気問題が浮上する。この相手が、女子アナの三俣桜子。「なんで、こんなのと浮気するの?」とつい、ツッコミたくなる。そもそも、「三俣、みまたー」って、「あまちゃん」にさりげなく出演する三又又三(みまたまたぞう)から来ているのは明らかで、それだけでも浮気相手としては「ない ない」である。

しかし、松坂桃李の軽さを見ると、これもありかもと思うし、仲里依紗ってやっぱりこんな女かと考えるし、そこに絡む錦戸亮も、やっぱりと思う。「あまちゃん」同様、脚本と役者の魔術にハマっている私でした。そして、隣から「ドラマだから」との声。


「あまちゃん」の太巻(古田新太)は弁護士になっているし、‘あまちゃん‘の父(尾身としのり)は、松坂の秘書になっていて、頭は混乱し、笑いが倍増する。

松坂の母親役の竹下景子は、2017年に他界された野際陽子のポジションを確保した。

などということを、妻と話しながら観ていた。かつて、コメディ・ドラマは“お茶の間“に話題を提供した。クドカンは、そうしたことも意識しているのか、していないのか。

よくは分からないが、「離婚しようよ」は“お茶の間“で鑑賞するにふさわしい作品である


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