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“朝ドラ“の異端児で最高峰〜NHK BSで「あまちゃん」再放送

NHKの朝の連続テレビ小説。子供の頃は母が観ているのを、横目でのぞいていました。つかず離れずの関係が、実家を離れてからは、大学生には無縁の番組、「おしん」は大学4年生時の放送で、見てもいないし興味も持っていませんでした。今の若者と同じです。

2011年(東日本大震災の年です)、香港に赴任となり状況が大きく変わりました。香港で住んだアパートでは、NHKの国際放送を見ることができ、家では常にそれが流れていました。香港と日本の時差は1時間。日本の朝8時の朝ドラは、香港7時に放送されます。

私は“尖沙咀“に住んでいて、会社のある“中環“までは地下鉄2駅。駅とアパート/会社は直結しているようなものなので、朝ドラを見てから家を出ると、7時半にはオフィスに到着でした。

5月の初めに赴任したので、朝ドラは井上真央主演の「おひさま」。途中からの視聴になりましたが、観ていると面白く、よくできたドラマであることが分かりました。そして10月から始まったのが「カーネーション」、コシノジュンコ(ドラマでは小原糸子)をモデルにした物語で、前半を尾野真千子、後半を夏木マリが演じました。これが名作、特に前半は素晴らしかった! オハラ洋装店で働く周防さん(綾野剛)と糸子のシーンは、朝ドラとは思えないほど色っぽく、切なく、たまりません。

続く堀北真希主演の「梅ちゃん先生」も楽しみましたが、「純と愛」が。。。。我が家では、「純と愛」は一種のベンチマークとなり、その後はハズレの朝ドラの場合は、「今回は『純と愛』だね」とか、「『純と愛』ほどではないね」といった会話が交わされます。

そして2013年4月に始まったのが、朝ドラ史上に燦然と輝く、宮藤官九郎作の「あまちゃん」でした。歌の入らない、大友良英作曲のテーマ・ソングからして異色。母親の“夏ばっぱ“こと、天野夏(宮本信子)のもとに、音信不通だった娘天野春子(小泉今日子)が娘のアキ(能年玲奈〜のん)と共に、故郷の北三陸に帰ってきます。

一人暮らしの夏ばっぱの仕事は、海女と喫茶店/スナック「梨明日(リアス)」の経営。そして、帰郷してきた軽い現実逃避のアキは、海人さんになると言い出し、夏やその仲間(渡辺えり、木野花、美保純という濃いメンバー)と海に入ります。

この荒唐無稽な設定に加えて、我々世代にはたまらない小ネタが散りばめられ、登場する役者も強者揃い。例えば、アキが戻るきっかけを作った、北三陸駅長の大吉(杉本哲太)は、スナックでウーロン茶のロックを注文し、カラオケで「ゴーストバスターズ」を歌います。彼の相棒は荒川良々。カウンターにいつもいて琥珀を磨いているのが塩見三省といった感じです。(なお、小泉今日子の若き日を演じるのが、聖子ちゃんカットの有村架純。これで、彼女は完全にブレイクします。

10周年を迎えた「あまちゃん」。待望の再放送が始まっています。NHK BS、3月までの「本日も晴天なり」も良かったですが(原日出子、可愛かった!)、真打登場です。まだ始まったばかり、私は毎日メチャクチャ楽しんでいます!!

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