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本質的ではない無駄な作業であなたの評価は決まる - 仕事に関する9つの嘘

僕には会社に属していると本質的ではなく無駄だなと感じることが多々あります。目標設定・コンピテンシーモデル・ポテンシャル評価など、「それは実作業に関係ある?」と思ったことはありませんか? その疑問は正解で、実際に実作業に関係はありません。
しかし、実作業には関係なくても会社という組織にとっては重要な意味があります。実作業に関係ないにも関わらずやらされていることは、大抵あなたの評価をしやすくするためにあります。なので、事業には意味がなくともあなたが出世したいのであればとても重要なことです。では、組織として重要とはどういう意味なのでしょうか?

目標は誰のため?

あなたが会社に属していれば期の初めに目標を立てていることでしょう。立て方は色々あると思います。今の流行りであればOKRでしょうし、MBOかもしれませんね。期の終わりに定めた個人の目標が達成されたかどうかを振り返り、また次の期の目標を建てるのが一般的でしょうか。目標は個人の力を伸ばし、チームの力を最大化するという面目で建てますが実は違います。
目標を建てる本当の理由は個人の評価をしやすくするためです。目標を100%の成果とすることで定量的に個人の成果を測ることが出来ます。そして、評価される方も自分が立てた目標にそって評価されるので納得感を生むことが出来ます。リーダーがそれっぽく評価することができ、評価される方をなんとなく納得させるために目標は存在するのです。

コンピテンシーは誰のため?

各会社にはコンピテンシー(行動指針)が存在します。営業であれば毎日何件以上テレアポを行うことであったり、プログラマーであれば各種勉強会へ参加し最新の技術を獲得することであったりします。コンピテンシーに沿った行動を会社が推奨することで、個人の力を高めることができると言われています。しかし、コンピテンシーは個人の力を高めるために存在するわけではありません。
行動指針はあくまでもモデルとなる人物が力を高めることができる行動でしかありません。人の性格や特徴は千差万別であり、一つの行動指針がすべての社員に当てはまるわけがありません。行動指針が逆にマイナスに働く人もでてくることでしょう。それなのになぜ会社がコンピテンシーを推奨するかというと、評価の指標として使うことができるからです。コンピテンシーに沿った行動を行っているかのチェックリストを作成すれば、そのチェックリストがどれだけ埋まったかで評価することができます。これにより、各個人の個性に沿った評価を行うことなく労せずにそれっぽい評価を行うことが出来ます。

ポテンシャル評価はなんのため?

現在の能力だけではなく社員のこれから先の力を伸ばすために各個人のポテンシャルを図ろうとするでしょう。ポテンシャルはビジネス感覚や作業の飲み込みの速さ、リーダーシップの高さなどから図られます。ポテンシャルが高い人間はリーダー研修などを経て出世街道に乗り、惜しくも漏れてしまった人は窓際に追いやられ誰でもできる単純な作業を定年まで行うことになるでしょう。では、ポテンシャルで人を分類するのはなぜでしょうか?
答えは社員全体に手厚い教育をすることができないために、ふるいをかける便利な指標として使われているだけです。そもそも個人のポテンシャルを個人が判断することは出来ません。人は他人を正確に評価することはできず、他人の評価には自分の脳力が強く関わってきます。現在の能力すら正確に測ることが出来ない人間が未来の力を正確に測ることができるわけがありません。

結論:本質的ではない作業で評価は決まる

会社が社員のために使えるリソースは有限です。無限にリソースを割けるのであれば全社員に手厚い教育を行うことができますが、残念ながらそんな事はできません。そのためにあの手この手で社員を評価しふるいにかけてリソースを割ける人を探します。
会社に存在する意味がないと思える制度は紐解くと、上司が部下を評価しやすくするためのものが多数存在します。なので、一見馬鹿らしく本質的ではないと思う取り組みでも、手を抜いてはいけません。もしかするとそれは実業務よりあなたの評価に直結していて、手を抜くことであなたは窓際に追いやられるかもしれないのですから。

ここで書いていることは以下の本で気になったことを僕なりにまとめたものになります。会社の建前に隠された本音がエビデンスに基づき暴かれていて非常に読み応えがあります。長期的な計画はたいてい失敗することや、社員にとって会社の雰囲気よりチームの雰囲気が関係することなど面白いです。気になった方は読んでみることをおすすめします。


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