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その経済成長の先に幸せはあるのかい? - NEO ECONOMY(ネオエコノミー) 世界の知性が挑む経済の謎

日本は資本主義です。資本主義の世の中では利益の最大化を目指し、毎年経済成長することを目標に人々は生活を続けます。経済成長こそが幸せに繋がり、経済成長を続けることで成り立つ社会で僕たちは生活をしています。
しかし、本来人が求めるものは経済の成長ではなくその先にある人々の幸せのはずです。言い換えれば経済成長しなくとも人が幸せに生活できるのであれば経済成長をする必要はありません。実際、現在の世界では物のデジタル化が進んでいるせいで、経済成長は人の幸せに直結しなくなってきています。では、今世界ではなにが起こっており、どういった理由で経済成長は人の幸せと直結しなくなったのでしょう?

有形資産から無形資産への財の移動

今までは貨幣を物に変えることで物やサービスの提供を受けてきました。これにより国内でどれだけ貨幣価値のある物を生産できたかを図ることで経済の成長を測ることができました。しかし、近年は貨幣で測ることが出来ない資産が増え続けています。具体的に言うと個人の行動、個人間のつながり、個人の興味のような個人情報、特許や研究開発に寄って得られた知識などがこれに当たります。有形資産と違って無形資産は使うたびに摩耗することはありません。逆に使えば使うほど洗練され価値が上がるという特性があります。
この特性は先発企業に有利に働きます。先発企業は先に始めたことで無形資産が洗練され、後発サービスは差が開いた状況から始めなければなりません。長く続いているサービスでは無形資産による参入障壁が高くなり適切な競争が行われず経済成長を阻害するという弊害もあります。

物を所持する時代からシェアする時代へ

世界では様々なシャアリングサービスが出現しています。日本でもシェアハウスは広がりを見せており、カーシェアリングやルームシェアリングなど普段使わない物を他人に貸すことで対価を得るサービスが増えてきています。これは、使いたい時に使いたいものをレンタルすることで物を所持するのと同じように過ごすことが出来るようになってきたとも言えます。また、レンタルでは物を所持していたときには出来なかった、気分によって別のものに切り替えることが容易にできます。
シェアリングサービスが普及したのは所持しているものをデジタル管理し貸す側と借りる側を用意にマッチング出来るようになったことが大きな要因の一つです。スマートフォン一つで必要な物を必要な時にレンタルすることが可能になれば、物を所持する必要はなくなります。シェアリングサービスが普及すれば個人の物の消費が減少し経済成長は鈍化します。

経済成長と幸せはリンクしない

有形資産の時代は物の所有が幸せに直結していました。しかし、無形資産にあふれるようになると幸せは物に依存しなくなります。今ではデジタルではありますが様々な物が無料で手に入ります。無料で手に入るものは経済消費ではありません。なので、税金もかかりませんし経済成長には含まれません。経済成長はしませんが、個人で見ると無料で手に入るコンテンツは膨大に増え簡単に消費することができます。今まで出来なかったことが無料で出来ることは個人の幸せに直結します。

結論:生活様式が変わり幸せの形も変わっていく

今は有形資産から無形資産への移り変わりの時代です。物に縛られない生活こそが幸せへの近道だと考えているのがミニマリストと言われる人の考え方だと思います。今までは物というわかりやすい価値が手元にありました。しかし、これからは個人によって何に価値を持つのかを決めることが出来るようになっていくことでしょう。幸せにつながるものが人それぞれ違う物を選べる時代がすぐそこまで来ています。楽しみですね。

これは以下の本を僕なりにまとめたものです。有識者へのインタビューがうまくまとめられていて非常に面白い本でした。今年のベスト3に入るんじゃないかと思うぐらい示唆に富み知的好奇心をくすぐられた本でした。
この本では税制にも触れられています。税制は有形資産を元に掛けられているものが多く、現状では無形資産へ上手に税をかけることが出来ていません。これにより税の再分配がうまく働いておらず、格差がひらがっていると警鐘を鳴らしています。ベーシックインカムの可能性にも触れられていて、今の経済の状況を再興するためにも一読しててみるのも良いのではないでしょうか。


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