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「DIE WITH ZERO」から学ぶ人生の質を上げる方法

こんにちは、佐藤@読書好きプログラマーです! 無駄な知識など存在しないをモットーに雑多に本を読んでここで吐き出しています。

今回は「お金を使うタイミイングをコントロールして人生の質を最大化しよう」という話をします。

あなたは老後に向けて貯蓄をしていますか?

少し前に老後に2千万円の貯蓄が必要というニュースが出回り、老後への不安が煽られてます。また、100年時代を生きるためのコツとしてライフシフトがベストセラーになりました。
国も自助努力を促していてあまり頼りにならなそうですし、若いうちから老後に向けてコツコツと貯蓄をしている方も多いのではないでしょうか。

童話の「アリとキリギリス」でも、夏に遊び回り冬に備えなかったキリギリスは冬になると死んでしまいました。アリのように夏に貯蓄をして、冬に備えるのは大事なことなのでしょう。

しかし、ここで一つ気になることがあります。
「アリとキリギリス」に登場するアリはいつ遊ぶのでしょうか?
確かに貯蓄は大事です。しかし、安心のために十分すぎる貯蓄を持っているにも関わらず貯蓄を続けるのは本当に正しいのでしょうか?

緩和ケアの仕事で多くの人を看取ってきた人が、余命数週間の方たちに「一番後悔していることはなにか?」と聞くと、一位は「勇気を持ってもっと自分の欲望に忠実に生きればよかった」で、二位は「働きすぎなければよかった」だそうです。

キリギリスのように遊び回れば老後を生きていけないし、アリのように働きすぎると後悔する。なので、あなたはアリとキリギリスの中間のいい塩梅のところを目指して生きていくべきです。


一般的に貯蓄は増え続けるし支出は減る

資産形成を考えてみましょう。

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老後に向けて貯蓄をすると考えると余裕があるときに貯めるべきですよね。結婚して子育てをすると考えると子育て時期にはお金を貯めることは出来なそうです。例えば、30歳から50歳程度に子育てをすると考えると、その時期は貯蓄は出来ず、むしろマイナスになりそうです。
60歳で定年を迎えた後は年金と貯蓄を切り崩しながら生きていくことになると考えると、資産は減っていくことになりそうです。

しかし、現実は違います。
統計上、資産は年齢を重ねれば重ねるほど増えていきます。

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死ぬ直前まで資産が増え続けるなんてことなんて信じられないかもしれませんが、これがデータから導き出された事実です。一般的に年を取れば給料は増えますし資産が増えれば利息も増えるため資産は増え続けます。

では、支出はどうなるでしょう?

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給料が上がれば支出は増えますし、子育てをする時期は支出は増えるでしょう。また、歳をとっても体のあちこちにガタが来て治療しないといけないので医療費が掛かりそうです。

しかし現実は以下のようになります。

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統計上、歳を取ると支出は減ります。
医療費が増えることはあるのでしょうが、歳を取ると若者のように無茶なお金の使い方を強いなくなります。また、仕事をやめれば仕事をするためにかかっていた費用は必要なくなります。

つまり、データを見ると歳を取れば資産は増えるし支出は減ります。
なにも考えずに生きていけば、老後のための蓄えは使われることもなく、墓場に持っていく可能性が高いということです。


早めに体験に投資しよう

では、老後にお金が余るのであれば散財すべきということでしょうか?
もちろんそんな事はありません。散財しすぎれば待っているのはキリギリスと同じ人生です。目指すべきはアリとキリギリスの中間であり、老後に生きていくお金まで使っては本末転倒です。

お金はあなたの人生を豊かにする体験に使うべきです。

医療の飛躍的な進歩により健康寿命は伸び、老後も元気に動ける可能性は高くなりました。しかし、いくら健康寿命が伸びてもあなたが老化するという事実は変わりません。
なので、今しかできない体験に対してお金を使うように心がけましょう。

例えば、あなたがスキーをやったことがないとして、20歳でスキーをするのと80歳でスキーをするのではリスクも楽しめることも違うでしょう。さらに80歳でスキーの楽しさに目覚めたとしてもスキーを楽しめる時間は残り僅かです。

また、物は劣化していずれ使えなくなりますが、体験は劣化せず時間がたっても楽しめる修正があります。
さらに、脳科学的にも過去の体験を思い出すと脳が若返ることがわかっています。体験は若返りの薬でもあるのです。

若いうちの体験にお金をかけることは将来への投資でもあります。これだけの恩恵があるのに体験にお金を使わない理由はありません。
なにかやりたいことがあれば今すぐに始めるべきです。


あの世にお金は持っていけない

人は死ねばそこで終わりです。死後の世界はあるかもしれませんが、現世のお金を持っていくことは出来ません。
現世で稼いだお金は現世で使うべきです。

子供のためにお金を残してあげたいという人もいるかも知れません。
もしそうなら死ぬまで待つ必要はありません。生きているうちにお金を渡しましょう。

そもそも、あなたが死ぬときに子供は何歳になっているでしょうか?
あなたが100歳前後で死ぬと仮定すると、40歳に生まれた子供だったとしても60歳になっています。もしあなたが60歳で遺産をもらったとしたらどう使うのか想像してみましょう。

遺産をもらった子供に対してとったアンケートでは、遺産を受け取る最適な年齢は25歳から45歳です。60歳前後ではありません。
どうせお金を渡すのであれば効率的に将来へ投資できる年齢に渡したほうが良いとは思いませんか?

前述したとおり、お金は体験に使うべきです。それはあなたの子供でも変わりません。
幼い子どもに対して大金を渡してもうまく使えるかわかりませんが、ある程度成熟した大人であれば大金は将来を開く道になる可能性があります。あなたの子供に豊かな人生を歩んでもらいたいのであれば、体験を最大化できる年齢にまとまったお金を渡すべきです。


お金は使う瞬間は絶対的な指標となりますが、時間が変わると相対的に変わります。
例えば、幼少期の100円と大人の100円の重みは違いますし、缶ジュース1本は昔は100円でしたが今は120円です。なので、この瞬間に貯蓄しようとしているお金は、未来の自分からすればはした金の可能性もあります

同じように時間と体験の価値も変動します。
一週間の大学卒業旅行は、老人は一千万払ってでも体験したいものかもしれません。20歳に英語が話せるようになるのと80歳に英語が話せるようになるのでは、同じ英語を話せるようになるという体験でも使える時間の長さという意味で価値は違うでしょう。

これは無駄にお金を使えと言っているわけではありません。
お金の価値と時間の価値は年齢によって変動することを頭の片隅において、今使うと将来的にどう影響するのかを考えながらお金を使った方が良いという話です。

無駄金を減らし体験に投資すればきっと素晴らしい人生の最後を迎えることができるでしょう。

この記事は以下の本を僕なりにまとめたものになります。
「ゼロで死ね」というのは過激な文句ではありますが、とてもいろいろなことを考えさせられるよい本でした。とはいえ、この本に出てくる登場人物が全員死ぬほど金持ちというのは気になるところではあります。死んだ後に遺産相続するぐらいなら生きているうちに渡したほうが良いと書いてありますが、そもそも遺産を渡せるほどの資産を持っている人はどれだけいるのかは疑問ではありますね。
しかし、少なくともライフシフトよりこの本に書いてあることを知っている方が人生は豊かになると思います。騙されたと思って一回読んでほしいですね。おすすめです。


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