ぼんやりしているのはわたしの頭でした

　わたしは今朝、いつも通りムニャムニャ言いながら起きて、いつも通り顔を洗い、いつも通りコンタクトレンズをはめた後、

　「ん！？」

　と、あることに気づきました。

　視界がやたらとぼんやりしているではありませんか！

　「誰だ、わたしの眼球にモザイク処理をかけたのは？」

　と、うろたえながらも、

　「わたしは白内障になったのか？　それとも網膜剥離か？」

　とわたしの頭の片隅で分析がぐるぐると始まりました。

　「こんなありさまで車を運転するのは危険だ。今日の出勤時間には間に合わない」と判断しつつ、

　「遅刻の連絡を職場に入れなくては。眼科を受診しなくてはならない。しかし、この目の状態で果たしてわたしはスマホを操作し、職場や眼科に電話をかけられるのだろうか？　ああ、Siriに〝電話をかけて〟とお願いすれば良いな。Siriって素晴らしいなぁ」

　と、あれこれ思いを巡らせているうちにだんだん目が覚めてきて、

　…わたしは気づきました。

　鏡に映る自分が眼鏡をかけていることに。

　いやもっと早く気づこうよ！

　どうもわたしは寝ぼけて、コンタクトレンズを装着した後、なんと眼鏡までかけていたようです！

　どんだけフル装備！

　何という二枚重ね！

　冒頭で「いつも通りムニャムニャ言いながら起きて、いつも通り顔を洗い、いつも通りコンタクトレンズをはめた」と言っていたのは一体何だったのでしょうか？

　いや、そこまでは確かにいつも通りだったのです。

　問題はその後。

　その後、無意識のうちに眼鏡までかけてしまったようなのです。

　視界がぼんやりしていると思いきや、ぼんやりしているのはわたしの頭でした。

　仕事の忙しさで疲れが溜まっていたせいなのか、単にわたしがアホなのかは不明ですが、そっ…と眼鏡を外したらクリアな視界が現れました。

　誰もわたしの眼球にモザイク処理などかけていませんでした。

　シャキッと覚醒すべく、今朝は濃〜〜〜いコーヒーを飲んでから出勤することにいたします。

　それでは皆さんもHave a nice day!