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『真・三國無双』の呂布から体力2ミリくらいで逃げまくった思い出

 今日コンビニへ向かってのほほんと歩道を歩いていたら、近所に住んでいる中国人の女性(特に親しくはないけど何となく顔見知り)に手招きされました。

 何だろう?と思って近づいてみたら、「日本人ってなんで三国志の話になると〝呂布が好き〟って言うの? 悪者じゃないの?」と聞かれました。

 これは予想外の質問!

 即答出来ず、「なんででしょうね? ちなみにわたしは関羽が一番好きですが。作品によっては悪い人を倒すダークヒーローみたいに描かれているからかも?」という返事しか出来ませんでした。

 コンビニで買い物をしながら改めて考えてみたのですが、ゲームの影響も大きいのではないでしょうか?

 たとえばコーエーテクモゲームスの『真・三國無双』シリーズとか。

 あのゲームの呂布って超強いんですよね。

 攻撃力も、防御力も、もはやバグっているとしか思えない!

 やたら強いから、プレイヤーとしては呂布と戦う時って「うわー、呂布来た!」と焦りがちですし、何回やっても何回やっても呂布が倒せなくて呂布のあの通称〝触角〟と呼ばれる特徴的な頭飾りが心の中に印象深く焼き付いた結果、『真・三國無双』シリーズのファンは人間の家のどこかに巣食ってカサカサ走り回ったり下手したら飛ぶ例の生き物に遭遇した時に「うわー、呂布来た!」と悲鳴をあげがちです。

 しかしあのゲームの中で、呂布は「好物は酒池肉林です」と言わんばかりに好き放題をしている董卓を打ち倒す存在ですし、麗しの美女・貂蝉に一途なので、「無双シリーズの中で一番呂布が好き!」とおっしゃる方も多いと思います。

 ちなみにわたしは無双シリーズの長年のファンでして、シリーズのうちのどの作品だったかは忘れたのですが、呂布と貂蝉が出てくるストーリーモードで(多分10年くらい前に発売された作品?)、うっかり呂布より先に貂蝉を倒してしまい、ただでさえやたら強い呂布を「うおおおおおお!」とカンカンに怒らせて余計に強くしてしまったことがあります。

 攻撃しても攻撃しても全然呂布の体力が減らないどころか、怒った呂布がこっちの体力をガンガン削ってくるので、肉まん(無双シリーズにおいて体力回復アイテムは肉まんなのです)を求めて走り出すわたし(が操るキャラクター)を呂布がどこまでも追いかけてきました。

 ステージのどこかにあるツボを探す→ツボを割る→肉まんを発見する→肉まんを食べる→呂布を攻撃する→だが大して効かない→逃げる→やっぱり呂布が追いかけてくる→呂布に攻撃されてこっちの体力が減る→ツボを探す→ツボに肉まんが入っていなかった→半泣きで逃げる→

 をずっと繰り返しているうちに、…何ということでしょう。

 肉まんがだんだん残り少なくなってきたではありませんか。

 リアルな世界なら「すみません!肉まんください!」とコンビニに駆け込めるのですが、あいにくゲームの中にはローソンもセブンイレブンもファミリーマートもありません。

 果たしてこれは呂布と戦うゲームなのか、呂布と戦いながらロード・オブ・ザ・肉まんの旅をするゲームなのかもはや分からなくなってきた頃、いよいよ肉まんの在庫が0に…!

 「これで体力ゲージが0になったらゲームオーバーだな…」とドキドキし、「もう諦めて潔く倒されてしまおうか?」とも思ったのですが、わたしは「しつこいという意味ではわたしだって負けていないぞ!」とむしろ開き直りました。

 このネバーエンディング肉まんストーリーを続けた結果、もしかしたらさすがの呂布も疲れたのでしょうか?

 次第にわたしの操るキャラクターが繰り出す無双乱舞(いわゆる必殺技です)が呂布にヒットし始めました!

 しかしそれでも貂蝉を倒されて怒り狂っている呂布にはわずかな効き目しか無いので、

 呂布から逃げる→逃げながら無双ゲージ(無双乱舞を出すためにはこのゲージを溜める必要があります)を溜める→呂布を攻撃する→あんまり効かない→呂布から逃げながらまた肉まんを探す→

 を延々と繰り返しました。

 こっちの体力はあと残り2ミリくらい。

 呂布の方も、わたしが操るキャラクターも、「こいついい加減諦めてもう倒されてくれよ…!」と思っていたかも知れません。

 そんなこんなの奇妙な鬼ごっこをおそらく1時間以上続けた結果、ついに呂布を倒すことが出来ました…!

 あの時の感動は、あれから何年もの時を経た今でも色褪せることはありません。

 しつこさで呂布に勝利した瞬間であります。

 この体験から得られた教訓は、どんな無理ゲーでも勝負がつくその瞬間まで勝敗は分からないということです。

 スポーツでもそうだと思います、試合終了のホイッスルが鳴る直前に逆転のシュートを決める人もいますし。

 頑張っても報われないことが多い世の中ではありますが、「もうダメだ」と絶望するより「やるだけやってみるか」と抗ってみるのも良いと思います。 

 そしてここまで長文を書くということは、わたしもやっぱり「呂布が好きな日本人」のうちの1人と言えるのでしょうね。

 敵にすると厄介な相手ですが、呂布が味方サイドに居る時の頼もしさったら半端ないですし✨

 今度あの中国人女性(名前は知らない)に道端でバッタリ出会ったら「わたしも呂布が好きです」と言いたいと思います。

 そしてそもそもなぜ彼女があの質問をするに至ったのかも聞きたいところです。

 また、今日は元々の買い物メモの中には無かったのですが、せっかくコンビニに行ったので肉まんを買ってみました。

 あの時心の底から食べたかった肉まんを美味しく頂こうと思います。

 後ろから呂布が追いかけて来ていないか振り返りながら…。


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