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語学放浪者の勧め(「とにかく、外国語(아무튼,외국어)」)


韓国語の勉強を続けていく中で、原書を読むようになった。帰国しても韓国の本屋に関わっていけるということで、レビューをしよう思う。

実際私の部屋には韓国の留学中に買った本たちが誇りを被って積まれている。そろそろ読まなければと思いそのうちの一つを”とにかく、外国語”を手に取った。
韓国で発刊されている「とにかくシリーズ(아무튼 シリーズ)は、一人出版社3つが集まってできたシリーズで、ある人が愛好してきたものに対しての遍歴を描いたエッセイシリーズだ。現在まで49巻刊行されており、日本では現在「とにかく、トッポギ」が刊行されている。



とにかく、トッポギ
著者・チョ・ジヨンさんは外国語を初級だけ学ぶのが趣味だ。自身のことを外国語放浪者と呼ぶ。今まで手を出した言語は、フランス語、スペイン語、ドイツ語、日本語、そして中国語まで。しかし、本人の言葉を借りれば一つの言語も習得できていないと少し自虐気味にいう。しかしそんな”言語学習=習得するべき”という世間で叫ばれている世界線ではマイナスに映るような事実など全くマイナスに感じることがないほど彼女の言語、そして言語を通したその国に対する観察力は飛び抜けている、
私が一番共感し心に直接響いたのはやはり私が日本人ということもあり村上春樹を取り上げた「とにかく、書き、走り、戦い続ける」だ。東日本大震災の時の日本人の秩序と忍耐を”人間の精神の進化”と人々は評価された。日本人はそれをある種美徳として考えている人は多いように思える。しかし、著者はその風景を見て心が痛んだという。


”諦めという正当化、順応という楽さ、大意、もしくは大局というイデオロギーに特に日本人は簡単に服従するように思えるのは”一人では変えられることはない”という昔からの確証なのかもしれない。(中略)しかし(村上春樹の)ただ書き続け、走りつづけ、戦い続けていく”というその”続けていきます”の精神は好きだ。諦めることなく、順応することなく、服従することなく”

“체념이라는 정당화, 순응이라는 편리함, 대의 혹은 대세라는 이데올로기에 유독 일본 사람들이 쉽게 투항하는 것 처럼 보이는 것은 , “혼자서 바꿀 수 있는 것은 없다” 라는 오래된 확증 때문일지도 모르겠다.(중략) 하지만 아무튼,계속 쓰고, 계속 뛰며, 계속 싸워나가는 그 “계속해보겠습니다” 정신을 사랑하다. 체념하지 말고, 순응하지 말고 투항하지 말고.”
(p121-p123,l5-l3)

日本で育つと一番最初に学ぶことは”他の人に迷惑をかけないこと”だ。少し不快でも、辛くてもその場所の秩序と空気を壊さないことを最優先する、そしてその我慢こそを美徳とする。それは言葉を変えると”抵抗するな”ということ。この世の不合理を弱者に押し付ける世界でもあり、この美徳は権力者になるほど好む。その空気感に触れていたからこそこの文章が一番心に響いたのだと思う。

この本は私に”言語学習=習得するべき”と思っていた。そして韓国語を習得できたことが私の一つのプライドになっていたような気がする。しかし、この本を読んでその考えは変わった。初級だけ学ぶことを本人はある種”習得できない”という自虐にも近いニュアンスで表現していたが初級だけ学んでこれだけ世界を多角的にみる視点を手に入れることができるなら、その初級だけ多言語を渡り歩くことに一緒に参加してみたい。習得しようなんて考えるからいつも挫折感を味わうが今はもう怖くない。一旦言語に飛び込んでみよう。そんな勇気を得たような気がする。

<関連図書>
外国語といえばよく私は「ダーリンは外国人」のトニーを思い出す。実際彼は外国語に関する書籍を小栗左多里さん共著で出しており、その2冊は私がよく読み返したくなる本だ。その中でも『ダーリンは外国人ベルリンにお引越し』ではトニーの外国語習得の過程が描かれており大変参考になる。なんか楽しそうに習得していく過程が憧れを抱く。


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