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副業体験記

わたくし、年初から副業を開始しておりまして、約半年経過しました。

結論。
あんまりこの言葉を使いたくないのですが…

学び
学び
学びのオンパレード。

学びしかない。

ということで、気づいたことをまとめておきます。


どうやって始めたか

同業者の交流会で名刺交換した方からお声がけいただいたのがきっかけです。昨年12月に面接をして、もろもろの手続きを済ませたあと、今年から稼働しています。

仕事内容

本業と同じ、翻訳業務です。ジャンルは若干異なるのですが、大枠では同じと言えるかもしれません。本業とは逆方向の日英翻訳です。

稼働日

平日は本業に専念したいので、土・日・祝を副業にあてています。

作業量

月や時期によって異なります。1件あたりの作業時間も、資料の内容によって異なりますが、平均すると7~8時間ぐらいだと思います。

所感

発見だらけ

本業とは異なる分野の翻訳なので、作業のたびに新しい用語に出くわします。

当然、調べものに費やす時間が増え、その分たくさんのことを知る。受注のたびにこのサイクルを繰り返しています。

先方とのやり取りはネット上で完結するので、漏れや無駄のないコミュニケーションを徹底することが、成果物の質を左右することも実感しました。

今まで知らなかった、受注から納品までの流れも一通り把握することができました。

井の中の蛙…

私はなんだかんだで18年もの間、社内翻訳者として金融翻訳に携わっています。

が、副業をやってみて、自分が翻訳業界の慣習についてほとんど知らないことを痛感させられました。

同業者のかたに「そんなことも知らないの?」と思われてしまうのを承知で暴露しますが、私は「申し送り」という業界のルールについて、ほとんど知りませんでした。

当然、自分の職場では訳文についての断り書きや、補足情報をコメントとして残したりはしていますが、規定のルールに沿った「申し送り」はやったことがありませんでした。

私のような社内翻訳の場合、不明点は文章を書いた本人に口頭で確認できるため、そもそも申し送りを求められないのですね。

なので、副業でフィードバックをいただいた際に、「あるべきところに申し送りが記載されていない」と指摘された時は、なかなか恥ずかしかったです。

この「申し送り」は訳文の精度を高めるためにも非常に重要な作業だと分かったので、今では本業のほうにもアレンジして取り入れています。

このような感じで、文字通り井の中の蛙、知らないことだらけで、井戸からちょっと出たところでもうビビっています。

自由時間が減ることによる効用

前述のとおり、副業は主に週末に行っているので、当然のことながら余暇が減ります。

自由時間が減ると、

「時間がなくても必ずやっておきたいこと」

が明確になることに気が付きました。

私の場合のそれは、

  • noteへの投稿

  • 日記やモーニングページ

  • 読書

  • 料理

  • 映画

  • 美術館

  • 観劇

でした。私にはこれらのアクティビティを通じて、内省する時間が必要なようです。このことに気づけただけでも、自分にとってはとても有意義でした。

そうそう、時間の話をしていて思い出しましたが、学生時代、部活をやっている生徒のほうが、帰宅部の生徒よりも成績が良い傾向がありませんでした?

あれって多分、忙しい人のほうが効率よく時間を使っているからなのですよね。

体調管理の大切さ

5月の連休のほとんどを副業にあてた結果、目をかなり酷使し、長時間の座り仕事で、軽い腰痛にもなりました。

翻訳者によくある職業病ではありますが、仮にこのペースでずっと働いた場合、体調面で悪影響が出そうだということがよくわかったので、対策を考えねばと思っています。

それにしても体調管理って、今更ながらものすごく重要。翻訳家の井口耕二さんが、「運動も仕事の一部」とおっしゃっていたのを思い出します。

フロー型ビジネス

翻訳(ここでは主に産業翻訳のことを指します)は自分の作業時間と引き換えに対価をもらう仕事です。

つまり、収入を上げるには

  • 受注件数を増やす

  • (時給ベースの場合)労働時間を増やす

  • (字数ベースの場合)文字数の多い案件を受注する

  • 単価の高い案件を増やす

をバランスよくやっていかなくてはなりません。

となると、短時間で大量の案件をさばけるかが収入を左右するので、翻訳支援ツールの使用と検索スキルの向上は必須。

だから翻訳者向けの作業効率化セミナーの需要があるのだなと、改めて実感しました。

ただ、どれだけ作業効率を上げたとしても、1日24時間しかないので、作業ができる時間には上限があります。

なので、翻訳業でより多くの収入を得たい場合は、どこかにストックビジネスの要素を取り入れる必要があると思ったのでした。

とはいうものの、何となくの印象ですが、翻訳業界で活躍している人は、「稼ぐ」ことよりも、いかにクオリティの高い成果物を出すかにフォーカスしている気がします。それを極めた人たちに、結果的にお金が後からついてきているようなイメージです。

最初から稼ぐことばかりに重きを置いてしまうと、かえって金銭的成功が遠のくかもしれません。

本業>副業は通用しない

副業=お小遣い稼ぎに片手間でやる仕事、と考えがちなのですが、これはメルカリでモノを売るとか、そういう類の仕事ですね。

雇用契約を結ぶタイプの仕事の場合は、副業だから本業よりも手を緩めていいとか、そういうことは一切ないわけです。

むしろ、いつ受注が途絶えるかわからない副業のほうにこそ、本気で取り組むべきなのかもしれません。

フリーランスの方々への敬意

副業を通して、フリーランスのシミュレーションをしてみて、

フリーランスで食べてる人、すごいな。

と心から思いました。

フリーランスだと、自分で営業して仕事を取ってこなければならないし、福利厚生もないし、何もしなければ収入ゼロなのです。

その点、会社員は企業に所属している限り、仕事を一生懸命やろうがやるまいが毎月一定額の給料が支払われるので、平然と怠けている人も一定数存在します。

自分の懐を痛めるわけではないからと、湯水のごとく経費を使う図太い輩も、少なくありません。

フリーランスなら経費を湯水のごとく使うなぞ、もってのほかですよね?

ほんとうに、フリーランスの方々にはリスペクトしかありません。

私も彼ら・彼女らを見習い、フリーランスの精神で会社員として働きたいと思ったのでした。

今後の方針

半年近く副業にチャレンジしてみて非常に勉強になったので、このまましばらく続けてみようと思っています。

とはいえ、私が続けたいと思っていても、実力不足で契約が更新されない可能性も十分あるので、様子見ではあるけれど。

副業をやろうか迷っている人は、とりあえずやってみると、かならず何か新しい発見があるはず。万が一失敗したとしても、本業がありますから、

You have nothing to lose.

の精神で、トライしてみるものありだと思います。



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