9できても1の失敗が痛すぎる
娘をたたいてしまった。
何かと忙しない朝。私は洗濯物を干しながら、「もう少ししたらお着替えするからね~」「そろそろお着替えするよ~」と娘に声かけをしていた。
以前までは、その事前声かけもしないまま、遊んでいる娘に「着替えるよー」と断りもなしに服を脱がせ、着せていた。それでいいときもあれば、「いや!!!!」と拒否されることもあった。
最近読んでいる本で、「これからなにをするかちゃんと伝えること」で、子どもも少なからず心の準備ができるということを学んだ。
言われてみればその通りだなと思った。自分が別のことに集中しているときに、突然自分の意にそぐわない何かをさせられたら「なんなん!」って大人でも思うよな、と。
それからは都度これからなにをするか、どうしてそれをしなくちゃいけないのかを娘に伝えるようにしていた。そうすると娘もちゃんと理解して協力してくれるときもあり(もちろん100%ではないが)、ああ言ってみるもんだなあと感動した。
そして、わたしは今日も娘に予告していた。そろそろ着替えないとまずい時間になってしまったので、「はい着替えるよ~」と娘をつかまえたところ、「やだ!!!!!」と怒り気味の全力拒否。
部屋の暑さなのか、出発時間が迫る中の焦りなのか、プツンと自分の中で切れた。「じゃあいつ着替えるの!!!!」と、娘の背中を強くたたいてしまった。
それからは、自己嫌悪と後悔の嵐。
泣く娘を抱きしめて、謝った。何度も何度も、ごめんねと。
娘の手をつかんで、目を見て、「ママ、すごくイライラしちゃった。あなたはなんにも悪くないよ、ママが保育園に遅れちゃう、急がなくちゃと思って焦っただけなの。ママが悪かった。ママがいけなかった。本当にごめんね。」と言った。
保育園に向かう途中、娘は何事もなかったかのようにいつものように自転車に乗りながら話し始めた。だけど、私はずっと黒いものに覆われているような気分だった。
娘を傷つけてしまった、娘に嫌な思いをさせてしまった。きっと記憶にも残るにちがいない。わたしは娘に、自分の思い通りにならなかったら相手を傷つけてもいいと教えてしまったようなものだ。
なんてことをしてしまったのだろう。
昨日まではよかったのに。頑張れていたのに。
娘とも、心から通じ合えていた気がしていたのに。
たった1回の失敗。なのに、そのほかがうまくいっていたとしても、その1回で全部が崩れ落ちる?ふように感じた。
なぜこんなにもこの1回に痛みを感じるのか。
今日このあと、わたしはどんな顔で娘を迎えに行けばいいのかまだわからない。