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【選んで無職日記41】一瞬で過ぎ去っていった青春

 サイン会に参加するために東京から来てくれたAと、サイン会後に駅のスタバで茶をしばいた。Aと行ったサイン会の話はこちら。


 Aは地元が同じで、学校は被っていない。私が大学入学のため上京した時、Aも同じタイミングで東京におり、同胞というだけで仲良くなって、もう10年以上の付き合いになると思う。
 Aとはミクシィだか高校時代部活のメンバーでやっていたブログだか、もしかしたらFacebookで知り合ったのが多分最初で、お互い名前は知っているし、プリクラに写っているから顔もわかるけど、実際に会ったことはないので会ってみましょうみたいな感じで対面して、そこから一気に仲良くなった(と思ってるけど、合ってる?)。同い年で地元も一緒で、東京砂漠に放り込まれた者同士絆は深かった。東京での学生時代の思い出にはAがいつもいた。

 Google Photoを入れていたり、iphoneのアルバム機能を使っていると、『○○年の思い出』と称してかつて撮った写真や思い出の画像が出てくる。2012年あたりから、夏の季節になるといつもAとの写真が現れる。
 あの時は無敵だった、と思う。夜遊びしに六本木に出たり、ノリで海に行ったり、ちょっと仲良くなったバイト先の人と飲みに行くのにAを誘ったり、二人で三茶のガストに入り浸ったりとか。
  スタバでAが、一緒にディズニーシーに行った時の写真を見せてきた。当時の私はFOREVER21で買った粗悪なへそ出しトップスと粗悪なタイトミニのスカートを履いて、肌を2トーン落とすまで焼いて、かきあげロングヘアで、いつもより痩せていた。真剣に好きだった人にあっさりフラれた後で、『女はフラれた後が一番綺麗になる』期を地のまま進んでいた。Aとはそいつと付き合っている時から皆で遊んでいたし、フラれた後もこうして遊んでもらっていた。いい思い出だ。
 「あの時まじで青春だった」とAは言ってくれる。
 「一瞬でだーっと過ぎてったけど」
 私も本当にそう思う。朝まで皆で飲んだり踊ったり、休みの日に遠出したり、くだらない話で一生ダラダラしたり。
 「やっぱうちらの思い出は渋谷のセガフレードだよね」
 当時、道玄坂を上がったところに一軒大きなセガフレードの店があった。3階立てくらいの大きなカフェで、どんなに混んでいても絶対に座れるので二人でよく利用していたのだ。その時二人とも田園都市線沿いに住んでいて、渋谷に延々といた。渋谷TSUTAYAのWIRED CAFEにもいた。思い出の場所がだんだん消えている。

 私はこうしてAと思い出話をするのが好きだ。当時やっていたこと、ハマっていたもの、好きだったこと、起こった出来事。私は人より思い出を忘れやすいのか、Aと話していると「そんなことあったっけ?」と返すことが多い。それでもAと話しているうちにだんだん思い出してきて、そうだったそうだったといつの間にか爆笑している。
 学生時代、部活にも入らずにクラシックバレエばかりしていた私には学生らしい青春がなかった。大学生活でも学校に馴染めずに、地元の友達とばかり遊んでいた。今考えればその時間が私にとっての青春と呼べる時間だったのだと思う。恥ずかしい思い出も笑い話になるような。
 Aとは10月にまたライブで会う。こうして新しい記憶を積み重ねながら、懐かしい思い出をたまにひっぱりだしたりして、楽しみたいと思う。
 


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