【選んで無職日記93】紅葉に走る犬
2024/10/17
十時発の電車に乗り、実家に戻る。事前に指定席を予約しておく方が自由席よりも安いので毎回指定席なのだが、初めて座る席を間違えた。
私はいつも通路側に座るのだが、席に着くと窓際に女性が座っていたので珍しいなと思いつつ出発の準備をした。本をカバンから出し座席のポケットに入れたり、買ってきたコーヒーをテーブルに乗せたり。
出発してすぐに車掌さんから声をかけられ、チケットを出した時に席が違うことに気がつき、そそくさと移動したのだが、車掌さんの声色が割とクールめだったのでちょっとビビる。本当の席番号だけぼそっと言われて、私も間違えたくて間違えているのではないから許してくれと思う。
次の席も窓際に女性がいたのだが、多分海外から来た観光客で、途中私には見慣れた風景の写真を撮ったり、プロテインをシェイクしたり、買ったスルメを全て食べ切ったりしていた。
地元駅に着くと父が犬と車で迎えに来てくれていた。犬はずいぶん嬉しそうに吠えながら迎えてくれた。
そのままモスバーガーに向かいモバイルオーダーで注文しておいたハンバーガーを買い、家に戻って皆で食べる。
食事後父は歯医者へ行くというので、私は犬と散歩に出かけた。今日父は誕生日なのに、まあまあの治療をしなければならないと言っていたから可哀想に思う。
家の前を通り住宅街を抜けると公園があり、今日はテニスコートに誰もいなかったので犬と二人でコートに入ってボール投げをして遊んだ。このテニスコートでは二代目の犬もよく遊んだので、思い出のある場所だ(二代目ラブラドールはコートを囲う金網に全速力で突っ込んで行き、鼻血を出すというハプニングを起こした。犬の鼻血を初めて見た)。
盆地の地元はもう冬寄りの秋で、枯れ葉が沢山地面に落ちていた。一部の木が紅葉で真っ赤になり、黄色から赤のグラデーションが本当に美しくて素敵だった。
犬は途中で急に右に左に跳ねまくり、突然のテンションの高さにこちらを驚かせ、茂みの根元にコロコロ落ちていたヤギのうんちの一回り大きいバージョンの何かを嗅ぐなどして私を叫ばせた。あれは何の動物だったんだろう?
家に戻ってからは少し窓を開け冷たい風を入れながら、二人で毛布にくるまった。巻き毛の犬に毛布をかけてみるとそのままじっとしていたので、悪くないのだろう。私はいつのまにかYouTubeを見ながら寝落ちしていて、父の帰ってくる車の音で起きた。
そのまま皆で各々リビングでごろつき、私は本を読んだり携帯電話を見たりしながら過ごして夜になった。母が帰ってくるタイミングでご飯を作り食べて、今は犬はヒーターの前を陣取ってぬっくりとしている。
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