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就職活動を始める前に大切なこと 経験

学生時代における経験は大切です。それが自己PRや志望理由を作成する上での材料になるからです。

では、どのような経験をすべきなのでしょうか。それは興味のあるもの。何でも良いと思います。

ただ、一つ条件があるとすれば続けることです。

これは持論ですが、あれもこれもと手を出して、すぐに辞めることは簡単です。まるで経験コレクターの様に色々な所に顔をだし、表面だけ舐めることはできるでしょう。それは、インターンシップの1日体験でもそうです。

それに比べ、一つの事を続けるのはとても難しい。なぜなら、続ける限り、そこに必ず問題が起こるからです。特に部活動でもアルバイトでもそうですが、何か高い目標があれば、必ず困難がある。そこでやりきる。続けることです。

米国のシンクタンク・マックグループが提唱した概念に、エモーショナル・サイクル・カーブというのがあります。それについて述べた文章を紹介します

通常、大きな変革プロジェクトが始まると、プロジェクトチームの士気は大いに高まります。プロジェクトメンバーに選ばれたことのプライド、プロジェクトの結果、達成されるビジョンへの興奮などで人心はいやが上にも盛り上がります。ところが、プロジェクトが進むにつれて様々な障害が浮き上がってきます。当初は可能と思われたほどの効果が大きくないことが見えてきたり、当初のプロジェクトに賛成してくれたキーマンが各論の段階で寝返ったり、といった事態です。こういった事態に直面してプロジェクトが暗礁に乗り上げると、当初、上昇曲線を描いたエモーショナル・サイクル・カーブは下降局面に入っていきます。しかし、この低気圧状態は、程度の差こそあれ、変革プロジェクトにおいて常に見られるものです。変革を何度も経験している人にとっては、「いつものこと」であって、ここを乗り切れば、エモーショナル・サイクル・カーブは再び上昇曲線に入り、プロジェクトは無事ゴールにたどり着くことになるわけですが、変革プロジェクトの経験が少ないと、この低気圧の状態で「お先真っ暗」になってしまい、プロジェクトをそのままダメにしてしまうことが多いのです。 山口周 『天職は寝て待て』光文社新書

少し長い引用でした。私がお伝えしたいのは、エモーショナル・サイクル・カーブが下降曲線の時に辞めてしまっても、それは何の経験にもならないということです。下降曲線を上昇させるために、どうやって乗り切ったか、何を行ったかが大切なのです。

また、「大きな変革プロジェクト」とは言わないまでも、経験はどんなに小さくてもいいから「プロジェクト」である必要があります。プロジェクトとはなんでしょうか。

研究や・事業などの計画 新明解国語辞典 三省堂

とあります。ですから僕は、学生の本分である研究だって、立派な(いやそれこそ真っ当な)経験だと思います。特に私がおススメなのは、少人数制のPBL(問題解決型学習)やゼミです。大小関わらずどのような大学でも、仲間たちとハードに取り組んでいる少人数授業があるものです。そういう場に身を置いてみる。そこでは課題が出され、自分の意見が求めらます。時には問いが見つからなかったり、相手の発表が良く見えたり、結構しんどいと思います。でもそれをやり切ったとすれば、そこには大きな成長があります。結局は良質な経験が、良質な自己PRにつながるのです。

ですから、ゼミをはじめ、少人数授業が多い国立大学。私立でも文学部や理系学部は、きちんと授業に取り組めば、その経験は就職活動で大いにアピールできます。

何も、部活やアルバイトやインターンシップだけじゃない。むしろ、授業にこそ、経験を積むチャンスがあるのではないでしょうか。今からでも始めた方が良いと思います。そして、下降曲線になっても先ずは続けてみて下さい。

今の私で言えば、営業職はいい時ばかりではありません。売り上げが不審な時もあります。ヤバイなと思う時もあるし、落ち込むときもある。でもそこで、あぁだめだ。。ではなく、どのようにしよう。こうしよう。と自分で考えて試してみることが重要です。仕事において、下降曲線をいかにして乗り越えるかという場面は、程度の差はあれ付いて回るものなのです。そして企業はそこで乗り越えた経験を持つ人を評価します。

僕は職場をコロコロ変えることにはどうも抵抗があります。もっとハッキリ言えば、渡り鳥は信用できません。すぐ転職する人は自分の仕事に自信がないのでしょう。会社から評価されないことも一因かもしれませんが、自信があったら「もう少し、頑張ってみよう」と思うはずです。揺れ動く気持ちは分かりますが、あと一歩の我慢がなぜできないのか。仕事を教えてくれた会社に対する義理はないのでしょうか。僕は、「ニッコク」という家業の水道メーター屋を今でも続けているため、従業員採用の面接に立ち会うことがよくあります。そんなときいつも思うのですが、たとえウチみたいな小さな会社でもずっと留まって努力する人は、少しずつ上層部に入っていく。一方で4回も5回も転職している人は、なかなか上にいけません。つまり、転職は長い目で見ると明らかにマイナスなのです。昔から「石の上にも3年」と言います。少なくとも、向こう3年は頑張ってみたらどうでしょう。しかし、「3年いたけどダメでした」ってこともあります。だったら、僕は「もう3年我慢してごらん」といいたい。達磨さんになるまで、座っていればいい。そして、できれば10年辞めないで欲しい。「十年一昔」といって、10年すれば、我慢したことが、「昔」になってくれるからです。「昔」になった初めて、「自分の歴史」になる。すると、嫌なことも過去として冷静に振り返ることができるのです。 みのもんた『義理と人情』幻冬舎新書
肝心なときにどれだけがんばれるかは、もちろん重要なことだが、進歩の妨げになるのは途中でやめてしまうことだ。(中略)長い目で見れば、「継続は力なり」の一語に尽きる。 アンジェラ・ダックワース『GRIT やり抜く力』ダイヤモンド社
伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)は「最下鈍の者も、十二年を経れば必ず一験を得ん」という言葉を残しています。どんなに愚かな者でも、12年間、一つのことに取り組み続けていると、必ず何か秀でるものをつかむことができるという意味です。 塩沼亮潤(慈眼寺住職)https://ddnavi.com/news/399404/a/

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