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バイク通勤、オシャレおばさまからどんどん遠ざかるの巻

先日久々にミッションインポッシブル ローグ・ネイションを見た。

ミッション・インポッシブルと言えばトム・クルーズ、トム・クルーズと言えばノーヘル&バイク無謀運転だ。ローグ・ネイションでも思いっきりノーヘルで無謀運転を繰り広げ、最後は思いっきり転倒していた。転んでたのは本人でかなり砂地を滑っていたようだが、大丈夫だったのか。ノーヘルはともかく、あんなうすっぺらいシャツでバイク運転もダメよね、とか思ってしまったよ。

しかしなぜトムは常にノーヘルなのか。スタントなしでやってます!! というアピールか、トムの美しい顔を見せる必要があるのかよくわからないけど、トム以外の出演者はヘルメットをちゃんとかぶっている。ローグ・ネイションの美貌のスパイ・イルサ役のレベッカ・ファーガソンも、もちろんメットをかぶっていた。

革ツナギを着ためっちゃかっこいいレベッカ・ファーガソンがかぶっていたのはSHOEIのヘルメット、乗ってたのはBMWらしい(ネット情報)。レベッカ・ファーガソンはトムが転んだあと、ヘルメットを脱がずに走り去った。そうだよね、とテレビの前でしみじみ思った。メットを脱いだあとの髪の毛、あんまり人には見せたくないもんね、とくにあんなに長時間運転したあとでは。

ヘルメットを脱いで長い髪の毛バッサー、サラサラヘアを片手でかきあげる美しい女性、とかいうのはいつごろ生まれた妄想か。娘のころのわたしも背中のまんなかあたりまでの長髪サラサラで、フルフェイスのメットをかぶっていたが、バッサー頭フリフリなどやりたくてもできなかった。長い髪を結ばずに走るとメットの外の髪の毛がもつれてくちゃくちゃになり、メットの中はぺちゃんこになる。

わたしは前髪をパッチンどめでとめ、ふたつに分けた長い髪をキッチリ三つ編みにして乗っていた。前髪はちゃんと上げておかないとメットをかぶった瞬間に押しつぶされて目に入る。三つ編みで固定された髪は風になびかないので、もつれてくちゃくちゃになることはなく、前髪はメットのなかにきちんとおさまり快適に運転できたが、バイクを降りてメットを脱ぐと「うーん」って感じになっている。

ヘルメットは大切な頭を守るためにあるので、頭全体をギュッと締めつけなくてはならない。当然だが髪の毛も、最初どんなにふんわりふわふわだったとしても、最後には頭の形にペッタリへばりつく。ほっぺたがむぎゅっと押し上げられるので、顔がむくむこともある。さらに女性の場合はメットを脱ぐ際、目と眉以外の化粧をごっそりメットに持っていかれる。

髪の毛ぺったんこ、化粧が半落ち、むくんだ顔、それが停車時の女性ライダーだ。レベッカ・ファーガソンがメットを脱がなかったのは当然だろう。

ただ、ツーリングのときはそれでまったく問題なかった。目的地に着いたら観光して宿に移動し風呂に入って寝るだけだ。革ジャン・皮パンツ&ブーツ・ツーリングバッグでライダーだってことはわかるし、観光地なのでそういう人はたくさんいる。わー楽しかった、明日もまたシャキシャキ走ろうね!! とか部屋で話す相手も髪の毛ぺったんこ、化粧半落ち、排ガスで顔がうっすら黒ずんでいる友人だから全然気にならない。

1988年25歳時の小豆島ツーリング。タイトルのメット画像は瀬戸大橋開通記念ツーリング。アライの国光レプリカをかぶっているのはショップSサイズで色付きのメットがこれしかなかったからだが、国光って人がどういう人なんだか知りませんでした。わりといろんなことがどうでもいいのは今も同じ。

だが、しかし。これが通勤ならどうなる。

きちんと化粧したこざっぱりしているオバサン&かわいい女の子のなかに、髪の毛ぺったんこ、化粧半落ちオバサンが一人という状況を想像してみる。バイク通勤を始める前はそれなりに「オシャレよね」と言われていた自分的に、それはちょっとどうなのか。すでに三つ編みできるほどの長い髪はなく、ツーブロックボブ刈り上げ状態の白髪頭はヘルメットの圧にかんたんに屈してしまう。困ったー。対策を検索していたら、ヘルメットリムーバーという商品を見つけた。

ヘルメットリムーバーはレースに出るバイク乗りの人々が事故ったとき、メットを簡単に着脱するためのインナーだそうだ。アライとタイチというメーカーから出ているが、写真を見て「うーん」と思う。どう見ても不審者。しかしレビューに「髪の毛がぺたんこになりません」「ぺたんこにならないので普段づかいにしています」などと書いてある。

ということは!!! メットのなかに薄っぺらいナニカ(厚いと頭が痛くなるから)をかぶれば、ぺたんこ髪の毛にならないということだ。さらに検索し、コミネの「まさにこれ!」という商品を見つけた。
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ヘルメットリムーバーよりも安価だが不審者度もかなり高い「クールマックスRフルフェイスインナーマスク」即購入。確かに髪の毛がぺたんこにならない。前髪を上げられるので、前髪が目に入らない。さらにアライのメットでありがちな「かぶるときに耳が折れる」こともなくなった。すごく快適!!! 見た目以外は!!! 不審者度については、駐輪場で脱ぐときは常にわたししかいないので、誰にも目撃されていないこともわかった。

問題は、インナーマスクとメットで目と眉の半分を残して化粧がすべて持っていかれること、前髪にミョーなクセがつくことだ。到着後にトイレで再化粧し、多少オシャレにポンパドゥール風に前髪を上げてピンでとめることで解決したが、冷静に自分を見つめると、前髪をピンでとめているグレーヘアのわたしは樹木希林にしか見えない。

わたしが目指していたはずの「グレーヘアのオシャレなおばさま」はどこに行ってしまったのか。バイク通勤をする限りわたしは「グレーヘアのオシャレなおばさま」からどんどん遠ざかっていくんだろうか。

これ以外にも、すでに夏用のステキなぺたんこバレエシューズやピンク色のかわいいHOKAのシューズはシフトペダルが踏みにくいため、バイク用の運動靴(めっちゃカッコ悪い)を買ってしまった。バイクシューズは歩くのに向かないから職場に到着後サンダルに履き替えているが、これぞまさに「オバサン」的選択ではあるまいか。現時点ではまだそれほどでもないが、そのうち服装も「バイクで快適なこと」が優先になってしまうのでは。

光り輝く「グレーヘアのオシャレなおばさま」フラッグを遠目に見つつ、でもまあ、通勤がウキウキでワクワクなので「(内面ウッキウキで光り輝く)グレーヘアのオバサン」でいいかあ、って気がしてきた。このあたり「何もかも別にどうでもよくなる」還暦過ぎの「華麗なる加齢力」の賜物と言えるのではあるまいか。

華麗なる加齢力についてはこちらをどうぞ↓


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