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【ココロコラム】たった2フレーズ!簡単に使えるスルーする技術

「職場などで、望んでいないけど関わらざるを得ない関係があったりしますよね…、怒りや不快感を溜め込まず、スルーする技術・鈍感力の養い方を教えてください」というお悩み相談をいただきました。

たしかに、人の話を全部真正面から聞いていると疲れます。特に職場では、たまたま一緒にいるけれど、全然気が合わない同僚や上司が大勢います。そういう人の話に全部付き合っていると、こちらの神経が持ちません。聞き流す力、スルーする技術はぜひ身につけておきたいものです。

例えば月曜日の朝から、「いや~先週大変でさ~、(中略)ひどい目にあっちゃったよ」と、聞く方にとってはどうでもいい話をされたとします。全く聞いていないふりをするのもひとつの方法ですが、そういうわけにもいかない場合が多いでしょう。では、どうすればいいのか?

精神科医がよく使っているのは、「なるほど、ひどい目にあっちゃったんですか」というように、相手の話の最後をそのまま繰り返すことです。これは本にも書いたとおり、【反映】という名前までついている、確固としたテクニックです。

精神科医やカウンセリングは職業なので、相手の話をちゃんと聞いていますが、このテクニックの優れているところは、一般の方の場合、聞いている方は頭を使わず、聞き流していても聞いているように見せることができる点です。相手はそれなりに満足感を覚えてくれます。ぜひ活用しましょう。

もちろんこればかり使っていると、しだいに相手も「話を聞いてないだろ」と察知してきますから、ときどきは技法を変えないとダメでしょう。次の手を紹介します。

自分から長い話をしてくる人は、多くの場合、自分自身に強い関心を持っています。だから話も自分絡みのことがほとんど。そういう人の話を聞き流すには、決まったフレーズを用意しておくと便利です。まず、相手の話を「自慢」か「愚痴」かに分類します。「自慢」だった場合の返答は「すごいですね」。「愚痴」の場合の返答は「そんなことないですよ」です。もちろん、適当に語尾は変えます。

この二つだけで、かなりの場合に対応できます。結局、「自慢」の場合は賞賛を求めていますし、「愚痴」の場合は慰めを求めているのですから、その場の雰囲気を壊さず聞き流すには、この二つのフレーズが便利です。相手にほどほどの満足感を得てもらうことができます。

どちらにも分類できないような話題には「それは難しいですね」「いろいろありますよね」などがいいかもしれません。
説教をされる場合もあります。これに対しては、なんの説教であれ「すいません」と言っておけばいいのですが、それでは相手がねちねちとなにか言ってくる可能性があります。そこで「すいません、今から改めます」というように、自分の行動を変える決意を示すような言葉で返すのがいいでしょう。

説教をする相手は、何か行動の変化を期待しているので、その期待に答えるような言葉を示しておくと、うまくその場を逃れることができます。もちろん、行動を変える必要がないと思う場合には、変える必要はありません。また説教してきたら、また同じ言葉で返せばいいのです。

聞き流すテクニックはまだいくつかありますが、今回は以上にしましょう。注意したいポイントは、「この話は自分が聞く必要があるのか?」と考える姿勢を持つことです。真に自分のことを思ってしてくれる話と、誰が相手でも同じ話があります。そして世の中は、後者の話のほうが多いのです。そのような話で神経を使うのもつまらないものです。聞き流す技術を知り、うまく対処していきましょう。

(精神科医・西村鋭介)


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