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刺さる言葉と染みる言葉

言葉の力は大きい。それは目的に関わらずそうで、人を傷つけるときは本当に容赦がないし、反対にたった一言が人ひとり救うこともあり得ます。

傷つける言葉は、包丁がグサッと刺さって大量出血するというよりは、心にスーッと気づかないうちに細い針が差し込まれて、いつの間にか傷が深くなるようなイメージがあります。

私は自分のアイデンティティに関して「こわい!」と言われたことがあります。たった三文字のこの言葉が、毒針のように心に刺さって、後になってズキズキ痛みました。

小学生の時には、ここには書けないようなひどい言葉で埋め尽くした手紙がポストに入っていたことがあります。私は心にいつの間にか刺さってしまったその針を、気づかないうちに周りの人たちに刺し返していました。

中学生の時の私は、毒舌キャラで、たとえ冗談でも、きつい言葉を発することで自分が傷つけられないように守っていたような気がします。

でも反対に、ジュワーっと人の心に奥までしみて、針が刺さって傷ついた誰かの心を一瞬で癒す力を持った素敵な言葉もあると思います。

大学生になって、人のために自分の言葉を使おうと思うようになりました。それは傷ついた友達に励ましの手紙を書くためかもしれないし、社会的弱者の声を代弁するためかもしれないし、悩んでいる人に寄り添うためかもしれません。

そうしたら、「あなたの言葉は心をほっこりさせる」「他の人からは出てこない言葉で素敵」「あなたの紡ぐ言葉が好き」そういってくれる人たちがどんどん出てきました。

過去の私は自分を守るためだけに言葉の力を利用していたと思います。でも今は、自分の言葉が意識的にも無意識的にも人を傷つけてしまうリスクを理解しながら、誰かを救うためにやさしく温かい言葉を紡いでいきたいと思っています。

言葉で人を救うなんて大袈裟かもしれませんが、きっと使い方によっては、そのくらいの偉大な力を持っているのが言葉の魅力だと思います。

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