【サロンメンバー紹介企画】学び直しサークル運営の現役教師はなえさん

2019年11月28日 21:55

「今週のグッドラック見た？」

「うん。金曜日に『今日頑張れば明日から休日だ～』って気分で朝からせやろがいおじさん見れるの眼福！」

「見てるところがマニアック過ぎない・・・？」

毎週金曜のグッドラック！に出演中のせやろがいおじさんを知っている方も知らない方も、こんにちは！こんばんは！おはようございます！

さて、皆さんはこの「せやろがいおじさん」ことお笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ担当・榎森さん(@emorikousuke)が運営するオンラインサロン「せやろがい式語り場～NOバッシング！NOマウンティング！の意見交換コミュニティ～」があることを知っていますか？？
(え！なにそれ！という方はこちら)

そんな謎に包まれたオンラインサロンですが、前回から「サロンメンバー紹介企画」ということで、「サロンにはこんな魅力たっぷりな方がいるよ～！！」ということをサロンメンバーへのインタビュー形式でお伝えしています！

第二回目の今回は、学び直しサークル「みちしるべ」の主宰で、ご自身も中学教諭として日々生徒さんたちと向き合っているはなえさん！

＜はなえさんプロフィール＞
学び直しサークル「みちしるべ」発起人。
普段は教員。1975年生まれ。
千葉大学教育学部卒業。現在の専門領域は特別支援教育。
以前から「教育を通して、地域おこし、まちづくりに関わりたい」という思いをもち、放送大学で生涯学習や心理学、社会福祉等を広く学び続けている。

眼鏡の奥にある優しい瞳、思わず「せんせ～」と呼んでしまいそうになる柔らかな笑顔のはなえさん。しかし、お話を聞いていくうちに見えてきたのは、その柔らかさとは裏腹に、子どもたちの未来を真剣に考える熱血教師の顔でした。

それでは本編へどうぞ！

きっかけは、教師として感じた危機感だった

Q,ではまず、この学び直しサークルについて教えてください。

はなえさん：このサークルは、中学で習う５教科の内容を「学び直したい人」であれば年齢に関係なく、大人も一緒に学び直すことができるサークルなんです。教材はe-bordという動画サービス(無料)を使いながら、現役教師や教員免許を持っている現役大学生がサポートする形でやっています。

＿え！てっきり年齢制限あるものだと思ってました！じゃあ例えば、21歳の私も参加できますか？？←

はなえさん：はい、もちろんです。笑

＿うお！やった！
でもなぜ、大人も入会できることにしたんでしょう？？

はなえさん：それにはちゃんと理由がありましてね。そもそものきっかけは、私が教師としての経験を積んでいく中で感じた「日本教育の危うさ」です。
日本って、海外のような落第制ではないから、習った内容の理解度に関係なく自動的に全員進級できちゃう。そうなると、前の学年の勉強内容が理解できてないまま次のステップの内容を教えられて、「なにこれ、全然わからない！」が生まれるんですよね。

＿あああわかる・・・。私も中学のとき数学が大の苦手で、途中からもう「何がわからないのかもわからない」状態でした。汗
自分が好きな英語は進んで取り組んだけど、苦手意識あるとどうも手に付かなくて・・・。

はなえさん：そうそう、それに日本は「不登校率」が海外に比べて高いんです。私が赴任している学校でも、色んな事情で学校に行けない生徒たちは一定数います。そんな子たちに対して残されている選択肢って、学校以外で学ぶとなると、塾や家庭教師になるんです。つまり学校に行っている子たちと同じ内容を学ぶためには多くお金を払う必要がある。それってすごく理不尽なことだと思うんです。

実際の不登校に関する統計データ▽

(出典：文部科学省)

＿確かに年々増えてるんですね、しかも小中どちらもか・・・。

はなえさん：心身の体調が不安定だったり、勉強への苦手意識が募った結果、「行きたいけど行けない」「行きたくない」になった子たちからすると、ますます「学ぶ」ことのハードルは高くなる。
そして結果自分の可能性を諦めたり、考えること自体を放棄したりする。

中にはそのまま大人になる人も少なくないと思います。

仮にこれが海外だったら、進級しないでもう一度基礎から学べるんですよ。「理解度に関わらずみんな一緒に進む」より、「理解度に合わせて個々のペースで進む」方がやっぱりいいですよ。教える側としても理想はそう。ただ学校内の取り組みではどうしても限界がある。なら自分でやってみようと思って、このサークルを始めました。

＿なるほど。このサークルに入りたい人は多そうですね・・・！

はなえさん：中高生であればおさらいとして、大人であれば高卒認定受ける人や、社会人になった今もう一度学びたい人にこのサークルを使ってもらえたらなと思っています。

見えてきたもう一つの可能性

Q,記念すべき第一回目を開催されたとのことですが、いかがでしたか？

はなえさん：１８:３０～２０:３０の２時間、場所は千葉県匝瑳市の公民館を借りて勉強会を開きました。中学三年生の生徒さんたちが参加してくれたんですが、初めて勉強会を開いてみていくつか発見がありましたね。

＿その発見と言いますと？？

はなえさん：はい、まず何と言っても勉強するときの「環境の大切さ」ですね。普段、学校以外で勉強する場所と言ったら大体おうちだと思うんですが、おうちだからこそリラックスし過ぎちゃって、集中力が散漫になったり、やる気が起きなかったり、ゲームやりたくなっちゃったり、とにかく「誘惑が多い」。でも公民館で、普段教室で話す友達と集まって、「これから勉強するぞ」なったとき、めちゃくちゃ集中して勉強をしていて。
なんと2時間丸々あっという間に過ぎちゃったんです。

スマホの通知オンを聞いても目もくれず、淡々と取り組んでいる姿が印象的でしたね。いやあ、あれは主催側としても驚きました。笑

＿学校の授業とは違い、自分のペースで進められるところが魅力ですよね。
その「置いていかれる心配をしなくていい」という心理的な安全性があるのは、参加する側にとってとても大きいのかもしれません。
「自分は自分のペースでいいんだ」って思えたら、焦ったりしなくてよさそう！

はなえさん：前回は中学生だけでしたが、次回からは少しずつ大人の方や高校生の方にも参加してもらえるよう告知していこうと思っています。というのも、勉強の合間の休憩時間で同世代の友達だけでなく、年上の大人とも関われるのがこのサークルならではの特徴なので、いろんな大人との交流が彼らにとって刺激になればいいなあと。

子どもにとっても、大人にとっても、ここにくれば学校や職場とはまた違う仲間がいる、という居場所になれたらなって思ってます。

＿ちょっと、はなえさん、素敵が過ぎませんか・・・(感動)
中高生の生徒さんたちにとっては学校以外の居場所であり、親や先生以外の大人と関わることで社会勉強にもなりそうですね。もちろん大人にとっても学びの多いコミュニティになる気がします！

はなえさん：はい、初めは「学び」にフォーカスを当てていましたが、他にもできることがありそうだなって感じましたね。

教師として考える「学ぶ」ことの意義

Q,では最後に、はなえさんにとって「学ぶ」ことの意味はなんでしょう？

はなえさん：私はよく自分の学校の生徒達に、

「学校で習ったことは『知識』だよ。その『知識』を『これから生きていく上でどう使うのか』、知識を知恵にするために学ぶんだよ」

って言うんです。その知識を、生きる上でどう使うのか、つまり「どう生きるのか」を考える中に学びがあると思っています。
本音を言えば、テストで100点なんて取れなくていいんですよ。
100点とることは目的ではないので。テストをすることで、自分にできること、できないことがわかる、それでいいんです。
仮に50点とれたら、とれなかった残りの50点で将来ご飯を食べようとしなくていいわけです。できないことは悪いことでもないし、自分のできる・できないを知ることってすごく大切なんです。

(私：中学生の頃に、はなえさんみたいな先生が学校にいたらもっと勉強楽しかっただろうなあ。　うらやまし・・・！)