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百合の詩3-1

「もぅ、何?あの先生、私だけスケープゴートみたいにさ。」
合って邂逅一番に、悲鳴のような怒号が飛んできた。
まぁ、あら方の原因は分かっている。
「梓、仕方ないよ、アンタのその制服、デコり過ぎじゃん。スカートの丈も短か過ぎじゃん。私は良いのよ、目の保養になるし。ここ校則キツイ女子校だし、折角のスール制なんだから、お姉様方にこれを機会に、きちんと作法を学んだほうが良いと思うよ。」
色々なお姉さまから、呼びかけられては、お断りしているのは知ってるけど、この子やっぱり謎だわ。合って半年程経ってるるけど、イマイチ掴みどころがない。
「こよりは、良いよね~、あんな理想の王子様みたいな人が、お姉さまでさ。どこで捕まえたの、弱みでも握った?」
話が私のお姉さまに及んだ。あのお姉さまの事だけは触れられると困る。
いや、本当は分かっている、梓は、どこの馬ともしれないお姉さま達よりも、私を必要としている。でも、現状の関係が壊れるくらいなら、告白せず、友達でいようって、先週聞いた。自分で言った。ほぼ告白なんだが・・・
別に袖にする気は無かったんだけど、彼女なりに慮った?のか?故に彼女はイマイチ分からない。彼女の中の世界ではスール制は邪魔なのかもしれない。
新芽芽吹く、今日この頃、春の訪れとともに、私は何か変われるだろうか?毎年考えているけど、今年は本当に変われる気がする。だって、梓という素敵な友達を手に入れたから・・・

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