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アフガニスタンと美作を繋ぐ上映会 2024年4月21日開催

ほのぼのハウス農場の代表・山口は中村哲医師と共に働いた経験を持ちます。山口は、自身の原点は中村哲医師と働いたことだと言います。ほのぼのハウス農場では2024年4月に天空の菜の花畑を開催。21日には特別企画として、上映会『荒野に希望の灯をともす』を行いました。当日は、映画の上映だけでなく、山口奈津子さんによる歌や山口敦史によるトークの場を設けました。この投稿では、当日の様子をお届けします。
#中村哲医師 #アフガニスタン #上映会 #平和 #オーガニック給食

天空の菜の花畑2024

当日配布したレジュメ

息を吞むように見守った映画『荒野に希望の灯をともす』

 当日集まった参加者は、150名ほど。チラシを見て「ずっと観たかった映画だった。」「中村哲医師は知っていたが、ドキュメンタリー映画を観るのは初めて。」「何も知らないけど、山口さんから声が掛かって・・・」など様々な方にご参加いただきました。
 中村哲医師は、パキスタン・アフガニスタンで医療支援、灌漑事業、農業支援を35年に渡り、続けてこられました。それを1000時間に亘り取材してきた記録映像を、中村哲医師が遺した言葉と共に振り返るのが、この映画です。皆さん、その言葉をひとつひとつ噛みしめるように、真剣にご覧になっていました。

上映会の内容の紹介は以下のnoteから。

砂漠化した大地が緑に変わっていく様子に、「あぁ」「おぁ」と感動につつまれ、会場が一体となる。

ここで、当時のアンケートで寄せられた感想を紹介します。

中村先生の活動を引き継がれ活動している人々に感謝します。アフガニスタンの人々に寄り添い、命を大切にされることを一番に考え、たくさんの人の命を救われた素晴らしい先生のことを知ることが出来て良かったです。

自分にもできることを考えさせられた。同じ日本人であることに誇りを持ちました。子どもたちや若い人たちに知ってもらいたいと思う映画でした。アフガニスタンに限らず、目の前の事、人、自然と向き合いひとりひとりが、一歩踏み出すきっかけとなりますように。

困っているアフガニスタンの人々の為に、命をかけて活動されている中村哲氏の姿をあらためて知ることができました。自然と人間との共生の大切さ、砂漠の地に緑の樹が根付き変わっていく様に感動しました。一人一人の力は小さいけれど、志があればやれるもの応援します!

中村先生の功績、偉大な功績については、以前から見聞きしていましたが、こうやって映像となったものに接することができ、本当に感動しました。そして、あらためて中村先生の言葉にできないすばらしさ、ただ感動しかありませんでした。途中、中村先生のおことばの中に「人は見ようとしなければ、見ることができない」という一文が最も心に残りました。ありがとうございました。「私たちがこれからどう生きていくか」今日本で考えていかなければいけないことだと思いました。

"健全な感性と自然との関係を回復することが平和に繋がる,という最後の言葉が、この映画を最初から順にみたら理解できるように構成されていて、今までのドキュメンタリーと違う、壮大な訴える力を感じました。 今、全世代に見てほしい内容ですね。平和をみんな願っているけど、平和になるにはどうしたらいいかはみんなわからなくて。解決するための取り組みがここにあるということを多くの方々で共有できたらすごい力になると思いました。

コンサート アフガニスタンの仲間を想って

上映会のあと、山口奈津子さんがライアーと歌を披露しました。当日の言葉と歌詞の一部を紹介します。

奈津子さん:美作の菜の花畑にお越しくださり、本日は映画上映会にご参加くださり、誠にありがとうございます。
あの春の菜の花畑に立つと、鶯やひばりの鳴き声に心を癒され、いつも空を観ながら、アフガニスタンに捧げた中村先生の働きに感謝を覚えます。先生はいつも「一隅を照らす」ということを大切にされていました。どんな小さなことでもよい、目の前の小さなことでもいいので、一生懸命頑張りなさい、と。小さなひばりにも思いがあり、小さな菜の花にも意味があり、小さな小さな人々の良心が1本の大きな用水路をつくり、幾数十万人ものアフガニスタンの命を救ったということは私たちはいつまでも忘れないでいたいです。

『ひばり』

ちいさなちいさなひばりだが
大きなのぞみをすてないで
月をめざしてはばたいた
ひばりは必死ではばたいた

作詞・やなせたかし

奈津子さん:アフガニスタンと日本とまったく文化や価値観の異なる世界で、人々は心通わせ、日本から集められた寄付で65万人以上の命を救ったのだろうかと考えます。「アフガニスタンの友人に何が望みですか?」と尋ねると、みな口を揃えて「平和です」と、応えれくれるそうです。闘いをなくしていくためには、中村先生の活動のように辛抱強い取り組みが必要です。「平和には戦争以上の忍耐と努力がいる」とおっしゃています。「平和」戦争以上の忍耐と努力を続けることを私たち日本人に命をかけて教えてくれように思います。『ビルマの盾琴』での感動的なシーンで歌われた有名なイングランド民謡。むきあっていた両軍が歌で心をあわせて戦闘をやめていくときに、歌われた曲です。

『埴生の宿』

埴生の宿も わが宿
玉のよそおい うらやまじ
のどかなりや 春の空
花はあるじ 鳥は友
おおわがやどよ
たのしとも たのもしや

作詞・里見 義

奈津子さん:東北の農村で農民のために働いた農学者、宮沢賢治。先生は宮沢賢治の農民とともにあった姿「ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ」に共感されていました。中村先生は、宮沢賢治の作品以上に常に農民と同じ視線で生きたのではないでしょうか。
先生は、宮澤賢治の夢みた理想郷に寄与した人に与えられる賞を20年前に受賞されました。そこで先生は、「思い通りに運ぶ人生はありません。予期せぬことが多く、こんなはずではなかったと思うことが普通です。賢治の描くセロ弾きのゴーシュは欠点や美点、醜さ気高さを合わせもつ普通の人がいかに与えられた時間を生き抜くか、示唆に富んでいます。遭遇するすべての状況が天から人への問いかけである。それに対する応答の連続が、すなわち私たちの人生そのものである。その中で、人として最低限守るべきものは何か」と言葉を寄せられています。

『星めぐりのうた』

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、

詩・宮沢賢治

奈津子さん:この歌を歌うとき、いつも懐かしい自然に戯れた豊かな幸せな時間を思い出します。ほのぼのハウス農場の代表の山口が菜の花畑や向日葵畑をはじめた1つの理由で、子どもたちに「神秘的で美しい美作の景色を心の中に刻んでほしい」と壮大な菜の花畑を作り上げていったそうです。子どものときの思い出、味、風、大人の背中は少しでも美しい世界であってほしいと思います。
美作はますます人が減り空き家が増え、不耕作地が増えています。でも、子どもたちが大人になって都会に疲れた時、ふと見上げた空に菜の花畑が浮かぶのではないでしょうか。

『小さな空』

青空みたら
綿のような雲が
悲しみをのせて
飛んでいった
いたずらが過ぎて
叱られて泣いた
こどもの頃を憶い(おもい)だした

作詞・武満徹

奈津子さん:夫がアフガニスタンにいたとき、アフガニスタンの同僚に何が幸せかと聞くと、みんな口を揃えて「家族や友人と一緒にごはんを食べることだ」というそうです。中村先生も「三度の飯が食べられ、家族が穏やかにらせること」といつも説かれ、常に農民に寄り添い、私たちに日本人に人間として大切なことは何かをいつも問いかけてくれます。
アフガニスタンでも日本でも、人々が穏やかに豊かな食べ物と水と花に囲まれて暮らせることを願って。

『夢みたものは・・・』

夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と

詩・立花道造
静けさを聴くライアーを演奏する山口奈津子さん。

現地活動を振り返って 山口敦史

最後に山口から、現地活動を振り返って、ここ美作で10年間農業を続けてきた想いを語りました。「農業は困難の連続で、何度も壁にぶち当たった。そんな時、思い出すのは中村哲医師と共に働いた現地の仲間のことだ。中村医師は、現地の人々の憩いの場となるように、花畑を創った。その当時は、用水路建設で忙しいに、なんでそんなことをするのか意味がわからず、もやもやしていた。でも、今こうやって菜の花畑を農場で開催することで、やっとその意味が分かってきた。」

観客へ話しかける山口敦史。

上映会は無事に終了。最後には「頑張ってください!」「応援しています。」など温かいお声をいただきました。私たちも、これからも一生懸命に美作の地で農業を続けていこうと誓いを新たにすることができました。

上映会に合わせて写真展も開催しました。こちらは作東公民館で5月16日まで展示予定です。

次回「天空のひまわり畑」にむけて。

さて、次回は8月に行われるひまわり畑です。ひまわり畑でも特別企画として、上映会を開催しようと思います!

咲き誇る30万本のひまわりたち。

天空のひまわり畑特別企画 上映会『夢みる給食』

ほのぼのハウス農場は、今年、人と自然が循環する農業を目指して有機農業をはじめて10年目を迎えました。これまで子ども食堂や保育園などへの有機野菜の提供を積極的に行ってきましたが、10年目にしてようやく、学校給食に有機野菜を提供し始めることができるようになりました。

そこで、今年8月に開催する天空のひまわり畑の特別企画の1つとして、自主上映会を企画しています。まほろばスタジオのオオタヴィン監督の『夢みる給食』という映画です。

日本の様々な自治体ですでに実践されているオーガニック給食の取り組みについて、また有機給食がどのように子どもたちに影響するのか、行政、医療、栄養、学校、保護者など様々な視点から描かれた映画です。大人の私たちがどこかで不可能と思ってしまっていることは不可能ではないと勇気づけられる映画です!

子どもたちの学校給食について一緒に考える時間にしませんか?


一緒にひまわり畑、上映会の企画を創りたい!という実行委員のメンバーも絶賛募集中です。お気軽にほのぼのハウス農場までご連絡ください。
✉:honobonofarm@gmail.com
Instagram:@honobonofarm2014


合わせて読んでいただきたい記事

ふりかえって
中村哲医師の1年目の命日について山口の想いが率直につづられています。中村医師のバイブル、内村鑑三『後世への最大遺物』の言葉に触れ、よい人生とは「勇ましく高尚なる生涯」であると当時の活動と美作での農業を重ねます。



\もう100年先も里山に子どもたちの笑い声を/
ほのぼのハウス農場

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