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ロシアとウクライナについて考えた、あれこれ。

ロシアとウクライナのことをやっぱり考えている。
もう、2022年2月24日より前には戻れないんだよねって、わかっているから考えている。

ゼレンスキー大統領とウクライナの人について

最初、この人が「成人男性の国外退去禁止」と出したとき、ものすごく違和感があった。戦わない自由や逃げる権利はないのん? と。
でも、ウクライナ軍が持ちこたえていたり、市民の人たちのロシア兵に対する強気の行動などを見ていて、ちょっと感覚が変わってきた。
この人たちが戦っている相手は、あのロシアであり、あのプーチンなんだ。

下手に戦って死者を増やすくらいなら、投降して捕虜になった方がいい。
日本人がこう思うとき、戦っている相手は、第二次世界大戦時のアメリカ合衆国をイメージしてないだろうか。
捕虜となっても人間的な扱いを受け、ちょっと不便かもしれないけれど、今と大差ない生活ができる、という夢。
ソ連軍に捕まった旧日本兵って、過酷なシベリア抑留で、多くの方が亡くなったという事実を忘れてないかい?

ウクライナが簡単に降参してロシアに併呑された場合、待っているのは粛清と抑留と差別の未来だろう。言論弾圧は激しかろうし、国外避難した人たちは二度と故郷に帰れない、残った親族も抑圧される。

それに、国外に逃げた人たちは、子々孫々ずっと流浪の民のようになってしまうかもしれない。ユダヤ人のように。
国がなくても人は生きていけるけど、国がないと差別や虐殺は歯止めが利かなくなる。それを2000年かけて、ユダヤ人が証明してしまったから。

私は、今生きている命を最大限尊重すべき派だけど、子どもたちのためにここは踏みとどまるべき、という考え方も否定はできない。その資格はない。
だって、避難民の方に、ウクライナでの生活と同等の生活を準備できますよ、なんて安請け合いできない。絶対この先、トラブルは起こる。
どうするかは、ウクライナの人たち自身しか決められない。

幸運にも独立国としての地位を取り戻せた立場で、その見込みがなくなりそうな国の人に、いったい何が言えるというのだろう。

プーチン大統領とロシアの人について

この戦争は絶対プーチンが悪いと思ってる。
仮に本当にウクライナがネオナチの支配を受けていたとしても、軍事侵攻はあかん。それは内政干渉や。事実、ウイグル人を迫害してる中国には攻めていかんやん? 内政干渉って突っぱねるやろ? お互いに。
だから、この戦争でプーチン政権が弱体化することを、私は望んでいる。
でも、そこに至るまで、多くの命が犠牲になる。理不尽なことに。

戦場で命を落とすのは下っ端の兵士たちだから、正直、彼らには死んでほしくない。
ウクライナの人もロシアの人も、命の重みは変わらない。
でも、第三次世界大戦にまでは、発展して欲しくない。
経済制裁を受ければ、最初に被害を被るのは一般のロシア人だってわかっているけど、でもそのあたりで和平に持って行ってほしい。

国のトップが道を誤ると、国民は本当に苦労する。
けれど、阿呆なトップを引きずりおろすのも、国民にしかできないこと。
阿呆をトップの椅子に座らせ続けないことも、国民にしかできないこと。
それを、アフガンで思い知らされた。
傀儡政権でアメリカにおんぶにだっこだったから、アメリカが「こんなのやってられっかよ」って手を引いた瞬間に、総崩れとなった。
ミャンマーもウイグルもシリアも、先進国は手を出さない。内政干渉だから。
西側先進国の感覚だと「革命起こせよ」ってなるのかなぁ。

政治って、政治家に任せておけばいいもんじゃないんだよね。
自分たち自身が、政治の主導者でなければ。
阿呆に困っても、誰かがその阿呆を消し去ってくれたりなんかしない。

ロシアの人も大変だと思う。
けれど、それでもプーチンを支持するなら、それもロシア人の選択だ。

独裁者は、一度権力を持ってしまうと、容易に倒すことができない。
独裁者の周りには権威主義者が群がって、自分も甘い汁のおこぼれを啜ろうと躍起になるから。日本の与党政治家や大手企業もその類。
どんなにいい政治家も、独裁者になったら終わり。人間は、そもそも過ちを犯すものだから。
だから、自分の役職の任期を延長・撤廃させようとしたり、自分に権力を集中させようとする政治家を、放置したらいかん。
それを許したら、日本にヒトラーを呼び込むようなもん。
ロシアや中国で自らの任期を撤廃した二人、やばいっしょ?

日本だって今、海外の人から「それも日本人の選択」と匙を投げられる、まさに瀬戸際にいる。
夏の参院選が終わったら「安定の3年間」とか与党政治家が言ってるじゃん? なに、その安定の3年って。選挙がないから安定って、ちょっと舐めてない?
仕事って、慣れて気を抜いたころが、一番やらかすんやで?
新入社員に言うようなことを、なんで政治家相手に突っ込まないかんのか。
本当に、瀬戸際。

ゼレンスキー氏の演説

ゼレンスキー大統領ってあちこちで演説しまくっていて、それが彼の得意分野とはいえ、日本の政治家の原稿読み答弁を振り返ると、いやもう情けない。
官僚の忖度原稿を棒読みするなんて、素人にもできることだから、最低限、原稿の内容を理解して、自分の頭で考えて自分の言葉でしゃべれ、と思う。
国会の質疑・答弁でも、かみ合わないのが当たり前って、どんだけコミュ力低いんやって話。国会議員の仕事って、国会で話し合うことでは?

そして、資源のない小国としては、いざというときに、ゼレンスキー氏の如くあちこちに応援要請しなきゃいけないわけだから、あれくらいできて当たり前という意識は持った方がよくないですかね。

あと、真珠湾攻撃と911の話。
アメリカからしてみれば、911は真珠湾攻撃以来の「侵略」だったわけですから、アメリカ人に訴えるのに、両者を並べるのは当然のことですよね。
満州事変も真珠湾攻撃も、世界的に見れば、大日本帝国の侵略行為です。
やっちまった過去は消せないので、仕方がない。長期的視野に欠けた、愚かな行為だったと思います。
ただ我々日本国の人間は、その愚かさの反省に立ち、世界の国々と友好関係を築く民主国家として戦後の70数年を歩んできたので、うろたえる必要はありません。胸を張っていればいいんです。
大日本帝国はファシズム体制でしたが、戦後の日本国は違います。
戦前回帰さえしなければ、どこの誰にも怯える必要はないんです。

政治に無関心になることの怖さ

日本人って政治に無関心なのが当たり前、みたいな空気がある気がします。
政治と宗教と野球の話はするな、みたいな。あ、最近は野球の話はそうでもないのかな?
でも、無関心って怖いと思う。そりゃ、阿呆が野放しになるからねえ。

人間って低きに流れやすいから、注意されないとどんどん怠惰になったりするでしょ? え? 私だけか?
まあ、無関心でも怠惰にならない人もいるだろうけど、そんな「間違わない前提」で社会システムをつくると、エラーを起こすのは目に見えてる。
人間は間違える。だから、あれこれ手を打っておく必要があるわけで。
このリカバリーの部分が、みんなで政治に関心を持つことなんじゃないかな、とも思うわけです。

例えば今回、ロシア史をもう一度おさらいしたくて、駅ビルの本屋さんに行ってみました。でも、ロシア史の本なんてないんですよね。
でまあ、図書館に行って見つけた『図説 ロシアの歴史』を借りて読んでますけど。

こんなご時勢だし、もう少し置いてたっていいんじゃないかな、と思うんですけどね。需要が見込めないんだろうな。
まだモスクワ大公国あたりを読んでますが、面白いです。
地図や系図や画像などがふんだんにあるので、読みやすい。

ロシア史がキエフ大公国から始まるあたり、両国が兄弟国と言われるのもわかるし、ついでにベラルーシも入ってるよね、だし、西ヨーロッパ史がだいたいローマから始まるのに比べて、後進国というコンプレックスも、なるほどなあと。モンゴル帝国のバトゥ軍も攻めていったしね。

しかし、ロシアって西向きの国とは言え、日本の隣国。こんなに情報の薄い状態で、まずくないんですかね。
もっと知っておかないとやばくないですか?

軍事のことも、全然わからない。
例えば、プーチンを追い詰めすぎるとまずいとか、そういう心理はなんとなくわかるんですけど、今の状態からどういうふうに戦争が変わっていくかとか、消耗戦って何? それ、わかってたら、また違う対応もできたんちゃう? とか、わからないことだらけで、うかつなことは言えんな、でも口を閉ざしてしまうんもやばいしな、という混乱。

戦争は政治の一手段で、外交の敗北で、やったら負けってことだけは言えるんだけど、そもそも日本人って戦争へたくそだから、臨機応変に自分で考えて行動できんし、だから余計に知識も教養もない。軍事の。

別に、一人の人間があれもこれもわかって当然、ではないと思うけど、無関心のツケは死だって、今回のウクライナ侵攻で身に染みた。
だから、もっともっと知りたくなる。

みんなが当たり前に政治に関心をもつことが、みんなの命を守ること。
政治は、普通の人たちの暮らしにかかわることだから。
みんなが興味を持てば、情報ももっとたくさん出てくるだろう。
いろんな人の知恵を集めれば、文殊の知恵も出てくる(かもしれない)。
そう思いながら、『図説 ロシアの歴史』を読んでいる。

一番大切なのは、今生きている人たちの命と人権。
尊厳を守ることが大事。
条件なんていらない。
みっともない人間には、なりたくないなあ。

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