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【読書記録】山本淳子さんの『平安人の心で「源氏物語」を読む』を読んだ話。

山本淳子さんの『平安人の心で「源氏物語」を読む』を読んだ話をします。

X(Twitter)でお勧めしてる方がいらしたので、読んでみました。
『源氏物語』の各帖ごとにテーマを決めて、物語の背景となるような当時の様子を語ってくださっている本です。
各帖、基本的に4頁で構成されているので(上下に分かれて8頁の回もあるけど)、初級者にも読みやすい本ではないかと思われます。あらすじもついているので、内容を忘れていてもついていけます。

なんですけどね。

コラムの内容が幅広いので、読んでいるうちにこんがらがってしまうのですよ。中高年には。
メモを取りながら読んでないことを、後悔したりして。

なんというか、宮中の女房たちのうわさ話をあれこれ耳にしているうちに、「あれ? あの話はどの方のことだったっけ?」となってしまう感じ。
現実でも、学校や職場の人の話をしてるうちに、自分と相手とが思ってる相手が違ってた(え? Aさんのことだったの? Bさんの話かと思ったよ)的なことってありますよね? 私はある。よくある。それで「誰の事?」って聞いちゃって、空気がまずくなる。

なので、この本は初級者でも読めますが、読んで人名が全部整理できなかった方は、もっと奥に踏み込んでいきませんか? と誘われているようでもあります。
今なら『光る君へ』の役者さんで人物を区別される方も多いと思われますが、私は実資=秋山さんが強烈すぎて、強烈すぎて、強烈すぎて、野分。

反面、『光る君へ』で公任がまひろを「つまらない女」って言ってたくせに、「この辺りに若紫さんはお控えかな」とか言って、それが紫式部の名になっていくって、おまえどの口が言う? などと風評被害も甚だしいんですが。わかっちゃいるけど「言ってそう」な感じが、さらにむかつくので。

また、読んでいると、時姫(兼家嫡妻)も道綱母(兼家妾)も高階貴子(道隆嫡妻)も受領の娘だったと知り、ちょっとびっくり。中流の娘=妾ではなかったんだ~。『源氏物語』であんなにけなされてたのに。
どっちにしても女性に自由のない時代ではありましたが、その辺はもっと知りたくなりました。

『源氏物語』や平安朝関連の本って、今は大河もあってたくさん出てますし、そもそも人気コンテンツなので研究者も入門者も多く、今からでも入っていきやすいジャンルです。
ただ、関連本が多い分、どの本から手を出そう……と迷う部分はある。
誰かのおすすめが自分に合うとは限らないから。
(うちの子に入門書として『あさきゆめみし』をすすめたら「みんな同じ顔で難しい」と言われた。え~? 慣れれば見分けつくよ。岬君、三杉君、松山君、反町君より簡単だよ~)

物語って、平安時代ではサブカル扱いだったんですね。衝撃。
ハイカルチャーは漢詩なのか。そうなのか。次点が和歌。そして日記。
紫式部って現代で言うところの宮崎駿監督なのか。
開拓者でもあったんですね。

もっともっと知りたいので、今年は定期的に紫式部あたりを巡回したいと思います。
知りたいことがたくさんあるって、希望でもあるので。
楽しみます。
ありがとうございました。


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