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【読書記録】辻村深月「傲慢と善良」 

 今回は辻村深月の作品「傲慢と善良」を読みました。しばらく前から話題となっており帯の「人生で一番刺さった小説」という文言には思わず惹かれます。

  私もとうとう我慢できずに購入してあっという間に読んでしまいました。

  この本は 恋愛と婚活 を主題として書かれた本になっています。

  この本は主に二部から構成されており、第一部の視点は架という人物です。彼は婚約していた真実と暮らしていましたが、ある日飲み会の後に家に帰ると真実は姿を消していました。
  以前にストーカーの相談を受けていた架は心配になり彼女の故郷である前橋を中心に真実のことを探します。そのうちに真実の婚活の事実や自分の過去からある事実に気が付いていきます。

  一方第二部では真実の視点から物語が語られます。果たして真実はどこへ行ってしまったのか、そこは自分で是非読んでみて下さい!

  さて、この本ではタイトルからもわかる通り 傲慢 と 善良 というキーワードから婚活を考えさせられます。所々で自分の恋愛に関しても痛いところを突かれるような気がします。

  私も含めて多くの人は人と付き合うときに自分の価値と相手の価値を無意識のうちに比較して、その価値に見合うと判断した人と付き合います。この判断をするときにやはり傲慢さが出てしまうのです。

  このようなこともこんな風に言葉で言われれば、その通りだが、自分はそんなに傲慢な判断はしていないぞと思うはずです。もちろん私もそう思います。ただこれを物語ベースで指摘されるとその言葉の意味が変わってきます。

  私は改めて自分が歩んできた恋愛について考えてしまいました。とにかく刺さるのです。

  そして 善良 についても、もちろん ぐさぐさ刺されます。

  もちろん物語自体も非常に面白いものとなっています。だんだんと謎が解けていく感じもありすっきりとした読了感が残ります。ただ本当に一つ一つの言葉が刺さってくるのでちょっと疲れさえしてくる気がします。

  いずれにせよ現代の恋愛のバックグラウンドで書かれた、ストレートであある意味残酷に現実を切り取った作品となっています。多くの人が人ごとにできない内容です。一度は読むべき名作かもしれないという程のインパクトのある作品でした。

おわりに

  ものすごい作品でした。普段はあまり流行に乗ったりということをしないのですが、あまりにもTwitterで流れてくるので気になって買ってしまいました!  確かに一度は読むべき衝撃作です。まだ手に取っていない方は是非読んでみてください!


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