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「大哺乳類展3」に行ってきました!


こんにちは、編集長です。

開催の発表からずっと心待ちにしていた国立科学博物館の特別展「大哺乳類展3」、3月16日についに開幕しました!

パチパチパチパチ〜

2010年の第1回、2019年の第2回に続く、5年ぶり3回目の開催

大哺乳類展といえばコレですよ、
科博自慢の哺乳類標本群による大行進

「大哺乳類展2」(2019年)

普段はつくばの収蔵庫で待機する彼らの、数年に一度の大舞台。真っ先に見たい!

というわけで、開幕に先立って3月15日に開催された内覧会に行ってまいりました。
(レッツ職権濫用♪)


わけてつなげて大発見


今年の大哺乳類展につけられたサブタイトルは、「わけてつなげて大行進」。
なんのお話かというと、分類系統のことですね。

私たちはなんとなく、これはゾウさんだね、これはキリンさんだね、キリンさんが好きですでもゾウさんの方がもっと好きです、なんて会話をするわけですけども。
そもそも哺乳類が世界に何種いるか(=何種の名前がつけられているか)ご存知ですか?

その数なんと6,500種以上

「大哺乳類展3」の会場に並べられた哺乳類剥製&骨格

先人たちはこれだけの数の私たちの仲間(哺乳類)を見つけ、それぞれに名前をつけ、そしてこの子とこの子は特徴が似てるから親戚関係だといっては系統図を構築していったわけです。

これを、分類学といいます。

で、ちっちゃい昆虫なんかはアマゾンなどに行けばまだまだ新種が見つかるといわれていますが、哺乳類についてはすでに発見し尽くされ、分類もある程度まとまって、この分野は過去の学問とすらいわれていました。

しかし!

人類が新たに手に入れた手法、DNA解析などによって、近年、この分類と系統に大事件が起こったと。

例えば、
海を泳ぐクジラが、草原を走るキリンなどの偶蹄類とまとめられて「鯨偶蹄類」になったとか、

例えば、
モグラと、いかにもモグラの仲間なキンモングラは実は赤の他人で、なんなら彼らをまとめていた「食虫類」(地中で虫を食べる小さい子たちのまとまり)も解体だ!

なんてことになっていたというのだから、これはもう大変です。
(しかもキンモグラはモグラよりゾウやマナティに断然近いそう。…え?)

食虫類の分岐を示す図


奇しくも、今回の特別展を監修されているのはモグラ博士の川田伸一郎先生と、クジラ博士の田島木綿子先生
今このテーマで展示をするなら!の舞台が整っていたのですね。

今回はそんな、似てるけど他人似てないけど親戚、の視点で哺乳類標本を改めて眺める展示。
似てるけど他人、似てないけど親戚、というけれど、よくよく標本を観察するとそれを裏付ける証拠が確かにあって。本当にいろんな発見や驚きがありました。

齧歯類の歯
皮膜をもつ哺乳類

ただですね、私は思うわけです。
こういう展示は、まず、何も考えずに、そこにある標本を見て
勉強はその後!

というわけで、ここからは私が気になった標本をざざざざーっと紹介していきますよっっ


ほぼほぼ科博の標本

今回伺って驚いたのが、この会場に展示されている標本(およそ500点)がほぼほぼ科博の持ち物ということ。
日頃は収蔵庫で大切に保管されている超貴重な標本が、うっかり並んでいたりします。

いつかぶりの再会 カモノハシの液浸標本
カモノハシの骨格
有袋類のフクロネコ(お腹の袋に胎児が見えます)

他にもいろいろ。
知ってはいたけど、科博、侮れません


そして今回の目玉ももちろん、中央で繰り広げられる剥製&骨格群の大行進

圧巻の眺めを堪能するも良しですが、1点1点見てみると、物語のある標本が見つかってちょっと楽しいですよ。いくつか見てみましょう。

食事中1
食事中2
食事中?3
親子1
親子2
仲良し
大きいパンダ、を見る小さいパンダ

剥製って、簡単に言うと動物の皮と詰め物でできているんですけど。考えてみてください、皮と詰め物でこんなに豊かな表情作れるってすごくないです⁈
せっかくこれだけの剥製が並んでいるので、そんな目線で観察してみるのもおすすめです!

あと、博物館のいいところは、剥製がそこに止まってくれていること。
知っているつもりの動物たちも、よく見ると「え?こんな姿だったっけ?」と改めて驚かされるかもしれません。

子ゾウはわりとホワホワしてる
ジュゴンの口元こうなってんの⁈
ツノ外れます

そして、今回お会いできて感動したのがこのお方。

イブニングコウモリ

え、コウモリ?と思いましたね?
このコウモリにはこんなパネルが掲げられています。

展示パネルより

『標本バカ』フリークの方はご存知だと思いますが、このコウモリが!あの!世界一短い学名をもつイブニングコウモリこと「ia io」です!
思っていたより大きかった!
ぜひ会場で対峙してきてください!!

これでも全部があるわけじゃない

第一会場をたっぷり堪能したら、次は第二会場。ここは「先人」たちの業績の展示です。
モグラ博士のもう一つの顔、標本バカな川田先生の丁寧な仕事が光ります。

ゲスナーの『動物誌』
オーウェンの論文が記載された紀要

……すると背後から、
「いま欲しい標本はキンモグラ!」
という川田先生の声が聞こえてきました。
監修者お二人によるインタビュー動画が流れていたのです。

そう、今回、こんなにたくさんの標本が展示されているのに、キンモグラの標本はありませんでした。
欲しいと思ってすぐ手に入るものではない、それが標本です
今回のテーマを語る上で、川田先生がどれほどキンモグラを来館者に見せたかったことか……

標本バカな川田先生の野望は続きます。

***

国立科学博物館の特別展「大哺乳類展3」は本日3月16日〜6月16日まで。
春休みに、ゴールデンウィークに、混雑を避けて普通の日に、ぜひ足を運んでみてください。


▶︎この本も読んでみませんか?


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