【ひととき編集部のおすすめ銭湯6選】いいお湯、わいてます!(東京編)
文・ひととき編集部
最盛期の5分の1以下に減ってしまったとはいえ、東京にはまだ500軒弱もの銭湯があって、玉川太福さんと南沢奈央さんが訪れたほかにも毎日通いたくなるようなお風呂屋さんは数知れず。ここではその中から選りに選った6軒をご紹介。それではみなさん、そろってどうぞ、「え、480円でこんなに楽しくっていいの!?」
3兄弟が営むそれぞれの銭湯
祖父・三郎さんの代には9軒の銭湯を経営していたという長沼家。そのうちの3軒を孫の3兄弟、秀三さん、雄三さん、亮三さんが受け継いでいます。薬師湯は東京スカイツリーのお膝元、萩の湯は近くに俳人・正岡子規の旧居・子規庵や、落語家・初代林家三平の記念館・ねぎし三平堂があり(いずれも新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業中 ※2022年1月現在)、寿湯は奈良時代に創建された都内で最も古い「お稲荷様」と伝わる下谷神社のすぐそばという立地。3湯とも営業時間が長いので、どんな旅の行程にも組み込みやすいお風呂屋さんです。
100種の薬湯をくふう
薬師湯
【番台から】
明るく楽しくホッとな銭湯をモットーに、タワー風呂、スパークリングワイン風呂、フルーツポンチ風呂など年間100種以上の日替わり湯を実施しています。浴室漫画「セイント☆セントー」(3兄弟の銭湯のみで読める連載漫画)ほか、湯船につかりながら読める読み物もあります。(長沼秀三さん)
銭湯価格の健康ランド
ひだまりの泉 萩の湯
【番台から】
常々心がけているのは、お客様の立場で考えること。東京都浴場組合加盟の銭湯で最大級の広さというくらい浴場のスペースを確保したのも、週末でも混雑しない状況で入浴してほしかったからです。今年はキャッシュレスの券売機を導入して、さらに利便性を高めたいと考えています。(長沼雄三さん)
都内最大級の露天風呂
寿湯
【番台から】
イベントを随時開催しています。恒例は大量の酒粕を露天風呂に入れる酒粕風呂。酒粕は幼馴染みである埼玉県・神亀〈しんかめ〉酒造の代表から分けてもらっています。香りがよくて肌もプルプルになると、女性を中心に好評です。開催は春、秋、冬(成人の日)の3回。ぜひお試しください。(長沼亮三さん)
西尾久のまちの魅力づくりに貢献
コミュニティ銭湯 梅の湯
気持ちのいい銭湯はどこも同じですが、当湯の清潔感は格別に感じます。風呂上がりには変わり種のご当地サイダーやクラフトビールでリラックスタイムがさらに充実。週末には本格的なマッサージが受けられます。なお、無料のサウナは定員3人まで、譲り合ってご利用ください。少し足を延ばすとあらかわ遊園です(現在休業中、2022年春頃リニューアルオープン予定)。
【番台から】
「梅の湯のお風呂が好きでこの近くに住み始めました」や「近所に梅の湯があってよかった」と言われるような銭湯でありたいと思います。住んでいる人にとって西尾久〈にしおぐ〉という地域が豊かな生活のできる場所になってほしいですし、まだ西尾久を知らない方にとってはこのまちが少しでも魅力的な地域になるよう、ご近所のお店と一緒に一役買いたいです。(栗田尚史さん)
お風呂の種類が多くてお得!
天然温泉 湯どんぶり栄湯
場所は樋口一葉の『たけくらべ』の舞台のすぐ近く。当湯から10分ほど歩けば区立一葉記念館です。2017年にリニューアルオープンし、露天風呂やサウナ(オートロウリュ&オート熱波付き)を新設。2020年には「美泡水風呂」「超高濃度炭酸泉」が登場と、お風呂の種類が男女ともこれでもかというくらいたくさんあるのがうれしい限り。リーズナブルな個室マッサージも!
【番台から】
創業90年ほど、地域のみなさまに愛され、またご新規のお客様にもリピートし続けていただけるように心がけています。お風呂以外には、通常のマッサージ(30分2,300円、60分4,600円)のほか、鍼灸、オイルや足流〈そくりゅう〉マッサージ、ヘッドスパなども曜日ごとに対応しています。予約は1週間前くらいからお電話、または当日の入浴前後に直接どうぞ。(梅田清治郎さん)
“偶然さん”のチェアあります
ゆ家 和ごころ 吉の湯
偶然さんというのは俳優の三宅弘城さんがテレビドラマ「サ道」で演じた人物です。当湯がドラマに登場した際、フィクションと現実が一体化し、吉の湯の広い露天スペースにあるリクライニングチェアは偶然さんが持ち込んだことになっているそう。当湯から20分以上歩きますが、阿佐ヶ谷や永福町の商店街めぐりとセットに、というのもいかがでしょう。
【番台から】
サウナが人気で1時間お待たせすることもあるので、空き状況をホームページからわかるようにしています。露天スペースにある壺湯の温泉は姉妹店の麻布黒美水温泉 竹の湯(港区)のもの。水風呂も外にあるため、水温が上がりがちな夏は自製した氷柱をサービスで入れています。けれども限りがあるので、冷水好きのお客様のためにチラー(冷却水循環装置)を増設したいです。
※休業日は変更になる場合があります。お出かけの際はホームページやお電話でご確認ください
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【特集】湯ったり銭湯、まち歩き〈東京篇〉
旅人=玉川太福、南沢奈央 文=瀬戸内みなみ
暖簾をくぐって下足をしまい、男女別の出入り口の引き戸を開けたら、ちょいと高い位置にある番台へひい、ふう、みい、と湯銭を払う……。そんな、まちの銭湯が、数年前から変わってきているようです。何だかオシャレだったり、サウナに、露天に、炭酸泉と、お風呂の種類も豊富だったり。梅の蕾は膨らみはじめたけれど、まだまだ寒さ厳しいこの季節。広々とした湯船で身も心もあったまろうと銭湯好きの浪曲師・玉川太福さんが、東京の銭湯をめぐります。まずは、演芸をこよなく愛する女優の南沢奈央さんをお誘いして、谷中・日暮里をぶらり、銭湯さんぽ――。
出典:ひととき2022年2月号
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