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可愛くて綺麗な冬鳥、ベニヒワ|愛しい北海道ANIMALS

この連載愛しい北海道ANIMALSは、北の大地に暮らす動物たちを24年間にわたり見守り続けてきた結びさんによるフォトエッセイです。そんな結びさんの撮影する動物たちの姿は、おもわず息をのむほど美しかったり、可愛らしかったり、ときに猛々しかったりします。今回は、色に特徴がある冬鳥「ベニヒワ」について。

冬になると色々な生き物がもふもふとして可愛らしく感じます。人気のシマエナガはもちろんのこと、今回は冬に北海道に渡ってくる野鳥、もふもふで綺麗なベニヒワをご紹介します。メスは頭だけ赤く、トップに掲載したオスは頭と胸が赤いのが特徴です。ほっぺも赤くて可愛いですね。

ベニヒワは渡来地が定まっていないのか、毎年出会えるわけではありません。冬に小鳥の群れをみかけるたび、ベニヒワかな?と期待しますが、同じくスズメの仲間のマヒワと間違うこともあります。マヒワは顔や胸が黄色いのが特徴です。群れでの行動も似ているので、逆光だと何色か分かるまで少々期待しながらの撮影になります。この冬、先に会えたのはマヒワでした。

最近は探しに行くよりも、偶然現れたところを撮影することが多く、この時も小鳥の群れがいたのでもしかして……と思ったら赤い部分が目立ちベニヒワだと分かりました。嬉しさのあまり、どの子にピントを合わせようか?とあたふたとした撮影になりました。

記事のトップに掲載されている胸まで赤い子はオスですが、この写真に写っている頭だけ赤い子はメスだと思われます

ベニヒワの群れは何かに驚くたびに飛び立ちますが、その草が美味しかったのか何度も戻ってきます。この時も、雪の上に座り動かず待っていると群れが戻ってきて、下に落ちた餌を食べ始めました。すると監視役なのか、一羽は高めの枝に止まり辺りの様子を窺っているようでした。時々小鳥の群れに会うとき、先に数羽が現れ、その後にたくさん来ることもありますが、野鳥の群れにも役割分担があるのかもしれないですね。

また、撮影中にベニヒワの天敵である猛禽類が突如現れることもあります。この日もハイタカが舞い、その後の撮影は終了。普段はあまり見かけない彼らが小鳥の群れの存在になぜ気付くのか不思議です。

朝日がキラキラと輝く日に出会った子
私にはただの雑草と思える草に群がるベニヒワたち
彼らには御馳走のようです
何度も行ったり来たりを繰り返す群れ

北海道の冬は、流氷、白銀の世界、ダイヤモンドダスト、アイスバブル、ジュエリーアイスなど、素敵な現象や景色を楽しむことができます。また、普段は目にしない動物と出会ったり、いつも見る動物でも、もふもふの可愛い姿で出会えることも楽しみのひとつです。

北海道に春が訪れるのはまだまだ先ですが、寒さが得意ではない私も、この季節ならではの出会いを楽しもうと思います。

北海道の冬の楽しみ、ジュエリーアイス
寒かった日
ついばんでいる草には霜がついています
電線に100 羽ほど止まっていたベニヒワ

文・写真=結び

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全68種のかわいくて素敵な動物が勢ぞろい
北海道の野生動物をとらえた写真集

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愛しい北のANIMALS 優しい時間』結び 著

人気のシマエナガや「エゾのつく」リス、モモンガ、シマリス、ナキウサギ、珍しいオコジョなど、北の大地でしか出会えない野生動物たちに、迫力のシャチ、フクロウの仲間まで多数収録。親子や赤ちゃんの愛らしい様子など、北の大地の素敵な動物たちの小さな物語やびっくりが隠れています。本の中には、白いエゾリスやエゾオコジョも出てきます。
撮影時の動物とのエピソードを描いたイラスト付きで、親子で楽しめる写真集になっています。23年間にわたり北の大地を撮影してきた北海道在住のフォトエッセイストが手掛けた、ほっこりと雄大さを兼ね備えた一冊です。

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