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【東天王 岡﨑神社】おみくじも提灯も卯づくし「狛うさぎ」|京都 動物アートをめぐる旅
2023年の干支である卯(兎)をはじめ、さまざまな動物が登場する美術作品を探して、京都を旅します。旅人は、かわいい動物に着目して日本美術ブームを牽引してきた府中市美術館(東京都)の名物学芸員、金子信久さん。琳派の祖、俵屋宗達の白象から、禅寺の竜、さらには昭和のかわいい兎像まで──。動物美術の「名作」を求めて京都の町をてくてく歩きます。(ひととき2023年1月号「京都──動物アートをめぐる旅」より)
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「京都は歴史があるだけでなく、同時に新しいものを受け入れる自由な気風がある。そこがこの街の底力だと思います」
伝統と現代を掛け合わせる竹笹堂*のセンスに心酔した様子の金子さんと訪れたのは、平安神宮近くの岡﨑神社。平安遷都に際して王城鎮護のため、都の東(卯の方位)に建立されたことから東天王とも称されている。また、かつてこの地域一帯にノウサギが多くいたため、兎は氏神の使いと伝えられている。その境内には、昭和時代の提げ灯籠などとともに、平成と令和に建立された狛犬ならぬ「狛うさぎ」が3対あった。
*明治創業の「竹中木版」の刷りの技術を継承して1999年に設立された竹笹堂。伝統に敬意を払いながら、現代人の感性にも響くデザインで木版画を広める。新図案は2023年の干支、卯をモチーフにした『うさぎつなぎ』
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「境内にこうした時代の積み重ねがあるのが、すごくいいなあ」
私たちはとくに歴史ある街を旅すると、つい新しい時代につくられたものを素通りしてしまうことがある。けれどもこの言葉を聞いて、金子さんの企画する展覧会が人気の理由がわかった気がした。古いものも新しいものも、有名なものも無名なものも、良いものは良いと分け隔てなく慈しむフラットな視点、自由な発想ゆえなのだろう。
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旅の最後に金子さんお気に入りの「わしょく宝来」へ。2016年に開店したばかりの新しい店だが、店主の宝来剣太さんが腕をふるうひと皿ひと皿は、すでに京都の食通の間でも噂になっている。
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2023年は、世界中の人々が疫病も厄災もぴょんと飛び越えて、笑って過ごせますように、乾杯!
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旅人=金子信久 文=橋本裕子 写真=中田 昭 企画構成=久保恵子
──ひととき1月号では、禅寺の竜やかわいい版画が楽しめるお店まで、動物アートの名所をめぐり、日本で動物の美術が花開いたその歴史を紐解いていきます。新年の干支、兎をはじめ十二支にちなんだ動物画や彫刻、金碧障壁画などのグラビアもお見逃しなく。愛らしい動物アートが結集する貴重なこの機会、ぜひご一読ください。
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【目次】
●[特別鼎談]動物アートの魅力 @京都国立博物館
●動物を探して 京都、美術散歩[前編]
●コラム 「干支の動物画」の楽しみ
●動物を探して 京都、美術散歩[後編]
出典:ひととき2023年1月号
東天王 岡﨑神社
☎075-771-1963
京都市左京区岡崎東天王町51
[時]9〜17時 [休]無休
わしょく宝来
☎075-561-2834
京都市東山区東大路通新橋上ル林下町438
[時]16時30分〜23時 [休]日曜、不定休
▼好評だった「ひととき」2022年4月号では、京都タイルを特集しています。note上でお読みいただけますので、どうぞご一読ください(定価500円)。
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