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奈良が紡いできた物語に触れ、仏教を身近に感じる3冊

古都の情緒あふれる奈良は、日本人はもちろん海外から訪れる人々にも人気の土地。そんな奈良は仏教を育んだ地ともされ、今現在およそ70もの国宝仏を有し日本で一番です。そうした奈良の文化や歴史の魅力を伝える活動を幅広く重なっているのが、奈良国立博物館の名誉館員であり、半蔵門ミュージアム館長でもある西山厚さん。ラジオやテレビ等のメディアにも多く出演し、時にはお笑い芸人と絡んだりも。西山さんの著書は仏教史を交え、篤い専門知識に裏打ちされながらも、わかりやすく優しく、仏教に興味ある無しの枠を超え人々を魅了します。

仏像に会う 53の仏像の写真と物語

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“見る”から“出会う”へ。
仏像から見えてくる歴史と人の心。

仏教史、仏教思想史、仏教美術史の専門家である著者が、これまで出会った膨大な数の仏像の中から特に好きであったり大切に思える、いわゆる推しの仏像を紹介。奈良を中心に、京都や滋賀、福井、福島、岩手の仏像も網羅されています。飛鳥・白鳳時代から鎌倉時代へと、各時代ごとの扉ページを読むだけでも、その時々の仏像の素材、衣、ポーズの特徴等が書かれ、時代背景と密接に結びついていることがわかります。

仏教や仏像に興味がある方はもちろん、歴史や美術愛好家にもおすすめの一冊。Very cute、異国風でなまめかしい、髪の毛が多い!……そんな見出しが躍る仏教本はレアでしょう。学術性にむむと唸り、仏像愛にほっこりする。仏像から広がる心豊かな世界にたゆたうひとときを。

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語りだす奈良 118の物語

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優しいまなざしで語られる
奈良にまつわる物語。

本書は毎日新聞の奈良版での隔週連載をまとめた118篇。著者はスティーブ・ジョブズの、創造とは結びつけることという言葉を受け、関係なさそうな何かと何かをつなぐのが研究スタイルとご自身のSNSで語っていて、そんな著者が繰り出す話題は実に多彩!本書では大仏さまにラブレターという幕開けで始まり、アンパンマン、風の谷のナウシカ、平原綾香さんの歌に言及し……柔軟な語り口で広げられる話題を読み進めるうちに、仏教が身近に感じられてくることでしょう。

著者曰く、元気いっぱい幸せいっぱいな人が仏像を造ったりしないと。そして、いちばん傷ついている人がいちばん優しい、いちばん優しい人がいちばん傷ついている、とも語ります。こうした視点こそが病への恐れや社会的変化にストレスを抱え、殺伐としがちな現代の光となるのではと考えさせられます。

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語りだす奈良 ふたたび

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まだまだ語り尽くせない
あふれる奈良の魅力。

好評を博した第一弾に引き続き、毎日新聞奈良版での連載を書籍化した待望の第二弾!歴史は人が造る、人を動かすのは心、だからその人の心のなかがわからなければ歴史はわからない、そして心のなかは当人でないとわからないとするのではなく、思いを馳せ、近づき、寄り添うことで物語が見えてくる、と著者は語ります。本書では、そうした著者ならではのまなざしが息づく86篇が収められています。地元奈良でも小さな子供たちから高齢の方たちまで、さまざまな人たちに奈良の魅力を伝え続けている著者。その根底にあるのは、歴史は終わってしまったものではない、過ぎ去ってはいない、今につながり、私たちにつながり、明日につながっていくというのだという思いです。

本書はさまざまなお寺や仏事、また2,500年前のお釈迦様が亡くなった日、東日本大震災、そして平成から令和へ…これらへの言葉が温かく綴られています。あなたの胸には何が投げかけられるでしょうか。

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歴史的なことも学術的なことも、退屈知らずで気持ち良く読める、そしていつしか仏教を身近に感じられるようになる、そんな三冊をご紹介しました。胸にホッと灯りがともるような、そんな読後感をお届けできますように!

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