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笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

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華道家元・笹岡隆甫氏による連載コラム。花にまつわる絵画や伝統芸能などの文化・歴史的背景を探り、さらなる花の魅力をお伝えします。
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#未生流笹岡

仏教と建築、いけばなに通じる“量子的”思考|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

昨年8月、世界遺産・仁和寺に、建築家の山口隆さんが手がけた期間限定の茶室が展示された。細…

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[七夕の起源]星に捧ぐ、五色の糸と梶の葉|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

2013年7月、青山のスパイラルホールで『花方』~第一章「星逢いの宴」が開催された。作家の岩…

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【ジューンブライド】婚礼時に喜ばれるいけばな|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

ジューンブライド。6月は結婚を司る女神Junoが守護する月であり、この月に結婚する花嫁は幸せ…

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華と料理の競演で命の移ろいを表現|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

桜の季節が近づくと、なぜかソワソワする。花も鳥も虫や獣たちも、長い冬を乗り越えて、春の太…

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【壬生寺節分会】山伏衆はなぜ五色の弓矢を射るのか|花の道しるべ from 京都

立春の前日にあたる節分。寺院では「節分会」、神社では「節分祭」が催行される。京都に住んで…

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[初いけ式]主役は雪の重みにしなやかに耐え、まっすぐ伸びる竹|花の道しるべ from …

流派の1年は、1月第2日曜日の「初いけ式」から始まる。祖父の時代から京都市内のホテルで開催…

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モミジがつなぐ、京の料理と文化|花の道しるべ from 京都

昨年12月、京料理のイベントが開催された。「京料理」が国の登録無形文化財に登録されたのを記念して企画された京料理博覧会「京料理フェア」だ。京料理の担い手というと「料理人」のみと考えられがちだが、京料理のもてなしは決して料理人だけで成立するものではない。総合コーディネーターである「主人」、接遇を担当する「女将・仲居」も含めた、三者の連携が欠かせない。今回、登録の対象となったのは、この三者である。 イベントの会場は、三井家ゆかりの地に立つHOTEL THE MITSUI KYO

つるバラに合う、五線譜に散らばる音符のような赤い実|花の道しるべ from 京都

Barry McGee、杉本博司、塩田千春、荒木経惟、井田幸昌…。現代アートの第一線で活躍するアー…

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【京都の節分】柊を飾り、鬼門の寺社でお参り|花の道しるべ from 京都

「福は内、鬼は外」。わが家は一合枡に盛った豆を撒いているが、紙で包んで撒けば、掃除も楽で…

朝ドラ『らんまん』で、華道家にとって印象的だった花|花の道しるべ from 京都

文化庁の京都移転を花で彩るこの秋、文化庁京都移転を記念した事業が、京都府内各地で開催され…

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日本人の心を揺さぶる“朽ちの美”|花の道しるべ from 京都

水落ちして変色した蓮の枯れ葉には、独特の存在感がある。金属製の舟形花器に枯れ葉を立ち上げ…

白洲正子も愛した“山国の火祭”、左京の松上げ|花の道しるべ from 京都

私の曽祖父にあたる笹岡竹甫は、1919年に京都で創流し、上京区、今出川通智恵光院に家元を構え…

祇園祭ならではの“京のしきたり”|花の道しるべ from 京都

7月の京都は、祇園祭一色となる。八坂神社の祭礼である祇園祭は、7月1日から31日まで一ヶ月間…

フィレンツェと京都をつなぐエンジュの木|花の道しるべ from 京都

 家元のすぐ近くに、東西に伸びる御蔭通という道がある。東へ向かうと滋賀県に抜ける山中越え、西には下鴨神社。葵祭にさきがけて5月12日に催行される御蔭祭がその名の由来と言われる。この御蔭通、両側にエンジュの並木があり、緑のトンネルができる。新緑のころは、ひときわ瑞々しく美しい。  エンジュを見ると、フィレンツェでの文化交流を思い出す。2015年6月のことだから、もう8年も前のことだ。京都フィレンツェ姉妹都市提携50周年にあたり、フィレンツェでいけばなを披露した。  海外で花