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笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

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華道家元・笹岡隆甫氏による連載コラム。花にまつわる絵画や伝統芸能などの文化・歴史的背景を探り、さらなる花の魅力をお伝えします。
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記事一覧

[七夕の起源]星に捧ぐ、五色の糸と梶の葉|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

2013年7月、青山のスパイラルホールで『花方』~第一章「星逢いの宴」が開催された。作家の岩…

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【ジューンブライド】婚礼時に喜ばれるいけばな|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

ジューンブライド。6月は結婚を司る女神Junoが守護する月であり、この月に結婚する花嫁は幸せ…

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【伊勢志摩サミット】いけばなを通して日本の風景を伝える|笹岡隆甫 花の道しるべ fr…

サミット史上初、“会議室”にいけばな2016年5月、G7伊勢志摩サミットの会場装花を担当した。…

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艶やかな春の花と調和する建築空間とは|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

今年も、いけばな展の季節がやってきた。関西では、大丸京都店で「華道京展」(29流派)、大阪…

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華と料理の競演で命の移ろいを表現|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

桜の季節が近づくと、なぜかソワソワする。花も鳥も虫や獣たちも、長い冬を乗り越えて、春の太…

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【壬生寺節分会】山伏衆はなぜ五色の弓矢を射るのか|花の道しるべ from 京都

立春の前日にあたる節分。寺院では「節分会」、神社では「節分祭」が催行される。京都に住んで…

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[初いけ式]主役は雪の重みにしなやかに耐え、まっすぐ伸びる竹|花の道しるべ from 京都

流派の1年は、1月第2日曜日の「初いけ式」から始まる。祖父の時代から京都市内のホテルで開催している。家元による初いけの披露に続き、流派代表者8名が恒例により七五三の若松をいける。初いけ自体は40分ほどで終わり、続いて新年会に移る。 曽祖父の時代には、親しくお付き合いしている皆さまや流派の教授者が、家元に新年のご挨拶にいらしていたと聞く。その後、祖父が、皆さまが集える場を作りたいと、現在の初いけ式の形式をととのえた。多くの皆さまが一堂に会し、共に新年をことほぐことができるのは

モミジがつなぐ、京の料理と文化|花の道しるべ from 京都

昨年12月、京料理のイベントが開催された。「京料理」が国の登録無形文化財に登録されたのを記…

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つるバラに合う、五線譜に散らばる音符のような赤い実|花の道しるべ from 京都

Barry McGee、杉本博司、塩田千春、荒木経惟、井田幸昌…。現代アートの第一線で活躍するアー…

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【京都の節分】柊を飾り、鬼門の寺社でお参り|花の道しるべ from 京都

「福は内、鬼は外」。わが家は一合枡に盛った豆を撒いているが、紙で包んで撒けば、掃除も楽で…

朝ドラ『らんまん』で、華道家にとって印象的だった花|花の道しるべ from 京都

文化庁の京都移転を花で彩るこの秋、文化庁京都移転を記念した事業が、京都府内各地で開催され…

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日本人の心を揺さぶる“朽ちの美”|花の道しるべ from 京都

水落ちして変色した蓮の枯れ葉には、独特の存在感がある。金属製の舟形花器に枯れ葉を立ち上げ…

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白洲正子も愛した“山国の火祭”、左京の松上げ|花の道しるべ from 京都

私の曽祖父にあたる笹岡竹甫は、1919年に京都で創流し、上京区、今出川通智恵光院に家元を構え…

祇園祭ならではの“京のしきたり”|花の道しるべ from 京都

7月の京都は、祇園祭一色となる。八坂神社の祭礼である祇園祭は、7月1日から31日まで一ヶ月間にわたる大きな祭りだ。だからだろうか、祇園祭ならではのしきたりが京都には息づいている。 例えば、食べ物。まず、この季節に欠かせないのが鱧。7月に入ると鱧をいただく機会が格段に増え、祇園祭を「鱧祭り」と呼ぶこともある。骨切りの技を目の前で見る機会も多い。亡くなった祖父は、鱧寿司が好物で、たん熊北店さんに無理を言って、いつも特注で鱧寿司を作っていただいていた。逆にいただく機会が減るのが胡