【最終話2】のさき 花さんバージョン🌟十人十色の文体企画🌟【きいすのブックリスト】
目が覚めれば、白く明るい光の中にいた。
(ここはどこだ?)
眩しすぎるからなのか、それとも、ただただ真っ白な世界なのか。
足元さえも見えないが、温かさに身体が包まれる。
五感を研ぎ澄ますと、微かに懐かしい匂いがする。
なんの匂いだろう。
そうか、これは紙が喜んでいる匂いだ。
本だ。どこかに本があるのだ。
手探りで一歩歩いてみる。
明るさに慣れ始め、目を細めて辺りを見れば、遠くには数えきれないほどの扉が見えた。
「あの扉をご覧なさい」
どこからか、声が聞こえ