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セルフプロデューシング。

何事に於いても、中途半端は好かれない。

中途半端な髪の長さ、中途半端な甘さ、中途半端な言動。
「やりすぎはよくない」という言葉と矛盾するようであるが、中途半端はもっとよくない。ただし「調度いい」はちょうどいい。

上の奇怪な文からもおわかりいただけるように、これは人生に於いてもかなりの難題である。
"物事は中途半端にせず徹底的に成し遂げて、だがしかしやりすぎることによって調度よさを無くしてはいけない"という矛盾した答えが最も正答であると私は思う。

私はこれまで調度よく頑張ってきた。調度よく仕事をし調度よく息抜きをし、調度よく女と遊び調度よくセックスもした。調度よくゲームもした(調度よく課金もしている)。調度いいマンションに住み調度いいパソコンを買い、調度いい服を着る。

しかしそんな私が何か得られただろうか?

アルバイト先では頼られることもあるが頼られてもわからないこともあり、
シャドウバースではウィッチとドラゴンにそこそこ強かったものの全カード持っているということもなかった。GITADORAではギターもドラムも銀ネームで成長が止まった。普通の服なのでファッションアイコンになることもない。人からは"掴みどころがない"と言われた。

中途半端は何も生まない。
生むとして「全てのことを中途半端にやってます!!」というセルフイメージだけであるが、それは魅力的ではない。なぜならそれは普通の人だから

だから私は、普通ではない人が好きだし、羨ましく思う。
ド派手な服を着ている人、本当に毎日同じものを食べてる人、狂気的に同じゲームしかプレイしてない人、妄信的に仕事をしている人。
前々回の記事で「どんなに良い人間でもきちんと頑張っていれば誰かの物語では悪役になる」という言葉を紹介したが、これに近いものがあるかもしれない。
たとえばネットワークビジネスと呼ばれるビジネスをしている人、これは勧誘された側からしたらはっきり言って嫌なものではあるが、その仕事を疑いもせずに続けることができダウナーさんを増やすことができれば、巨万の富を得ることができる。(ネットワークビジネスに関しては後で詳しく書くかもしれない。)
そういうものだ。

この世はとかく、そういうものだ。

私にはそういうものがない。
もちろん音楽一本でやっていくつもりだが、音楽の中でもどういった音楽を狂信的にやっているのか?どういったことをやり過ぎている人物像なのか?そういったものはあった方が他者からの目や耳に留まりやすい。

たとえばSEAMO、彼は「シーモネーター」という名前で活動していた時期があるし、ライブでのパフォーマンス等も下ネタに特化していたようだ。

次に水曜日のカンパネラ、彼女(ら)は歴史上の怪物の名前を曲にしたり、意味不明なラップやリリックで唯一性を生み、ライブでは鹿を捌いたこともあるとか。

次に童子-T、彼は元々はかなりのヤンキー(ギャング?)のようだが、今では女性シンガーとコラボしラブソングを歌うことが多い。本音で言うならあのフロウとリリックは聴いててキモいが、ラブソング×ラップと言えば童子-Tが浮かぶ人も少なくないだろう。

最後に、私本音アリュウだ。
これは何者だ?何が売りなんだ。オタクか?オタクではない。ヤンキーか?ヤンキーでもない。下ネタもほどほど。鹿は捌かない。では何だ。

―――それは今、私も探しているところである。
『セルフイメージなんて、よほどセルフプロデュースの上手い人でもない限り自分でするものじゃないよ』『後からついてくるものだから』
なるほど、確かにその通りだと思うし、これからセルフイメージなんて出来上がっていくところだろう。
その意見は否定しない。それに、「〇〇△△××です、通称〇△って呼んでね!!」って企業側・公式側がアナウンスしちゃってるのも見てて痛々しいものがある。まぁそれは嫌だ。

でも、でもだ。

私は、見た人がわかりやすいように ついてきてくれやすいようにそうすることは、ひとつの民意の得方であると思う。「俺はこうだから俺についてこい!!」なるほど、それも男らしくてカッコいい。「俺はこうだよ。君もこうかい?」なるほど、これも優しさがあるんじゃないか。どちらも、人の心を掴むには十分である。

ならば私は、私についてきてくれやすいように どうセルフプロデュースをしようか?ここ数ヶ月それについて考えていたが…
いくら背伸びしても、それは見つからなかった。見つからな過ぎて本当にイライラした。ただ、見つからなったから気付けた。

私のいいところは、等身大なところなんじゃないか、と。

ラップがスキルフルなわけでもない。耳をつんざくTrackに乗っているわけでもない。本人の身長だって165cmもない。
ならきっと、この小さめな身体だからこそ生み出せる音楽は、きっと等身大でそのまま聴く人の耳に届くはずだ。変に背伸びもせず。手の届くところにある音楽。

もちろん人間とは移ろいゆくもので、この先私がどうなるかはわからない。
でも、今はそれでいこうと思う。165cm~170cmな音楽を届け続けたいと思う。
それが俺、本音アリュウなのだと、信じて、やりすぎなくらいに、等身大で。

そんなことを思う27歳の夏なのでした。

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