見出し画像

45 見ているドラマ、見るのを諦めたドラマ(18作品)

見続けているテレビドラマ(順不同)

 ちょっとテレビドラマの話をするね。
 いや、実はこれほどテレビドラマを見た記憶がぼくの人生にないものだから、少し自慢げにするね。
 だいたい録画しておいて、2話ぐらいまとめて見るようにしている。予約するのは簡単だけど見るのは大変なので、放送されてからずいぶん経ってから見ているのもあるけどね。
 じゃ、いくね。

 大河ドラマ『どうする家康』。最高だとは思わないけれど、見続けている。こんな終盤までハナコ岡部が生き残ると誰が想像しただろう。

 『いちばんすきな花』。『silent』の生方美久脚本。オリジナルの脚本だ。今季、最高のドラマになるかもしれない。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が4人とも主役として描かれる。4人とも子どもの頃にあまりいい思い出がないまま大人になった。周辺の配役も期待が持てる。常識とか正義は人によって違う。価値観の違いが大人になると明瞭になっていく。上手に二人組が作れない。2人でいることは難しい。2人は1人より残酷。2人でなくなると確実に孤独になる。3人以上は1人の集合体でしかない。そんなバラバラで孤独な4人が偶然に出会う。こぼれ落ちた人たち。余っちゃった1人が4人。エンディングは藤井風の「花」。

 朝ドラ『ブギウギ』。威勢のいい話を期待。思った以上に、従来、朝ドラに抱いていたタイプのドラマである。つまり、本来は見ないはずなのだが、とにかくいまのところはまだ見ている。川の中で大の字になるシーンは素晴らしかった。

 『コタツがない家』は金子茂樹脚本。『俺の話は長い』がとてもよかったので期待した。今回は小池栄子が主演で、小池の舌鋒、そしてキッパリした演技を楽しむドラマ。彼女の家にどんどんダメ男が溜まっていく。ダメ男たちには生活力がほぼゼロなので、言うだけ。ダメな連中を前にすると、輝いてくる主人公(小池栄子)。彼女の身になにか決定的なことが起きるのではないか、と見ている側は勝手に想像しつつ見ている。

 『きのう何食べた?』。前シーズンから好評だったマンガ原作のドラマ。主人公たちは中高年へ向かう。容姿と健康が気になる。幸せのズレみたいなものが浮かび上がる。幸せという言葉でくくったときに、人によってずいぶんと違いがある。若いときは可能なことも中高年になると、そうもいかない。愛情表現をセックスではなく料理と食事で描く。気軽さの中に忍び寄る切なさ。

 『すべて忘れてしまうから』。燃え殻原作、岨手由貴子ほか脚本。阿部寛主演。脇もいい感じ。毎回、エンディング曲が違う。2話目では映画「ドライブマイカー」で鮮烈な印象を残した三浦透子が歌った。もともとはエッセーなのでドラマにするには難しいと感じるのだが、こういう不条理性とそこはかとない世界も楽しい。世の中を見る角度が少し変わる感じ。

 『三体』は、期待していたドラマ。WOWOWで放送中。10月に10話、11月に10話、12月に10話放送する予定。よくわからなくて、しかもちょっと難しい。ゆったりとしている。SFでありながら中国近代史を踏まえたモダンホラーでもある(と、途中まで見た感じ)。
 メインの舞台(ドラマの現代)は北京オリンピック直前。つぎつぎと自殺する物理学者たち。謎の集団・科学境界(科学フロンティア)。そこに潜入するように軍から頼まれる物理学者・汪(ワン・ミャオ)。謎の集団の女性・申玉菲(シェン・ユーフェイ)、名刺に日本のひらがなのルビ「しん・ぎょくひ」。
 歌が特徴的で、回によって冒頭に歌ありなしが変わったりするだけではなく、歌詞も変わっていて、それがあらすじだったりもする。エンディングの歌はもの悲しい。回によってドラマの中でも英語歌詞の歌が流れたりもした。2話のタイトル『射撃手と農場主』はキーになる。史強(シー・チアン、刑事)と汪(ワン・ミャオ)の奇妙な友情。自殺した物理学者の母の謎。VRゲーム「三体」にヒントが隠されているのか。見続けるしかない。

 『ミワさんなりすます』。青木U平原作のマンガをドラマ化。コメディに強い徳尾浩司の脚本もいい。バイトをクビになった映画オタクのアラサー女子が、大好きな俳優の家で家政婦を募集していることを知るが、まったく該当する資格を持っていない。交通事故にあった家政婦と入れ替わって俳優の家へ。WOWOWでやっていた『撮休』もおもしろかったが、そんな気楽な雰囲気がある。朝ドラ『ひよっこ』で知った松本穂香を眺めるドラマ。

 『たそがれ優作』。『孤独のグルメ』は食事中心でしかも松重豊の演技(一種の顔芸)に頼る世界だが、こちらは主人公が50代の役者。それもバイプレーヤー。北村有起哉がとにかく器用にこなす。全般的に演技を楽しめるので、『撮休』とか『ミワさんなりすます』のように、俳優を眺めるのが目的といってもいい。原作は、名作『深夜食堂』でお馴染みの安倍夜郎。脚本は『東京放置食堂』(片桐はいり主演でおもしろかった)の和田清人、アベラヒデノブ。ただし、5話まで見て少し飽きてきた。

 『マイホームヒーロー』。山川直輝、朝基まさし原作。櫻井剛、船橋勧脚本。アニメ版は見続けられなかったのだが、ドラマ版はそれよりも見やすい気がする。佐々木蔵之介は微妙なキャスティング(強そう)、奥さんの木村多江はピッタリ。時代劇っぽい。娘を齋藤飛鳥。殺されたチンピラのイカレた親を吉田栄作が楽しそうに演じている。

 『あたりのキッチン!』。白乃雪原作。橋本夏、ニシオカ・ト・ニール脚本。コミュ症なのか。おどおどした主人公。やはり人間関係が苦手そうな洋菓子屋の息子。バイトをしている定食屋の主人(渡部篤郎)がいいことを言う役。苦しみを抱えて生きている。問題解決のための料理。意外なところで泣けるかもしれないタイプのお話だった。このドラマは「あたり」かも。

 『泥濘の食卓』。伊奈子原作のコミックをドラマ化。倉光泰子、神田優、安里麻里の脚本。女性中心コンテンツ。齊藤京子主演。人の役に立つ人になろうとして生きているのだが、店長と不倫。付き合いをやめようと言われたとたん、店長を助けるためにと周辺を探りはじめる。ストーカーになっていく。筒井真理子の母もどこか怖い。コメディになり得るシチュエーションだがホラーである。おもしろ怖い世界。

 『セクシー田中さん』。芦原妃名子原作。相沢友子脚本。映画「さんかく窓の外側は夜」の脚本もやっていた。マンガ原作はいいときもあれば悪いときもある。これはもっとも実写化が難しいタイプだろう。「セクシー」は二次元と三次元では表現が違うから。ドラマとしては悪くはないけれども。木南晴夏と生見愛瑠を眺める。生見愛瑠は前田敦子か大島優子に演技を教わったのか、と思うほどでそこはちょっと残念。『日曜の夜ぐらいは…』のときはよかったのに。木南晴夏がセクシー田中さんなのだが、そのテレビ的なちょうどよさが不満の種となる。見続けるかどうか……。

見るのをやめたドラマ(順不同)

 日曜劇場『下剋上球児』を諦めた。鈴木亮平はなにをやってもきっと完璧にこなすだろう。黒木華は気になるものの、毎週見るのかーという気持ちが見たい気持ちを上回り、これは見送る。

 『パリピ孔明』は、4話で諦めた。『マイホームヒーロー』同様、アニメは乗れなかったが実写版はとりあえず見ることができて、上白石萌歌と菅原小春は、大河ドラマ『いだてん』を思い出す。森山未來は、『シン・仮面ライダー』でもそうだったが、画面を支配する力がある。4話から長岡亮介(浮雲)登場。しかし、ここまでとしておこう。

 『灰色の乙女』。ストーカー女子が相手が事故で記憶を失ったのに乗じて恋人になりすます。『ミワさんなりすます』もなりすますドラマだが、こっちはホラーなシリアス系。画面からやりたいことができていないもどかしさを感じてしまい、続きは見なかった。

 『ゆりあ先生の赤い糸』。役者が揃っていると期待したが、ドラマのつくりとして、まったく入ってこないのでやめた。私の方の体力がない。つくづく、こうしたコンテンツを見る体力が失われている。我慢が足りないのだ。コメディなのかシリアスなのか知らずに見てしまったこともいけなかった。

 『トクメイ!警視庁特別会計係』。橋本環奈主演なので見る。よくある刑事ものを舞台に、経費削減という角度を加えたコメディ。一番の経費削減は早期解決。自らも捜査に乗り出す。「おカネがないと言い訳をする人は、おカネがあっても結果を出せない人だけです」。2時間ドラマでもよかったのではないかと思う。

見る側の体力

 ふう、こんな感じ。
 ほかにもまだ見ていないドラマがあるけれど、それを見るかどうかは、ぼくの体力次第だろうね。
 それにしても、昨年の今頃はNFLばっかり見ていたし、今季はあっさりそれをやめてしまいドラマばっかり見ているのは不思議なことでしょ。
 たぶん、ぼくの人生でも不思議なんだけどね。こんなにテレビドラマを見るなんて。
 子どもの頃だってそんなにドラマは好きじゃなかったし。トレンディードラマはほとんど見ていない。だって、バブルの頃って、めちゃくちゃ仕事で忙しかったから、テレビを見ている時間がなかったもの。
 そうだね、お笑い番組、バラエティーが好きなんだよね。あとはドキュメンタリーや教養番組っていうやつとか、絵画のやつとか、音楽、スポーツぐらいで、ごっそり欠けていジャンルだね、ドラマは。
 たぶん、最後に夢中になって見ていたドラマは『探偵物語』や『大都会』だったと思うから……。
 そうそう、『東京ラブストーリー』は失業していたときに昼間に再放送していたので、全部、見たけども。あ、あれも再放送で見た。『高校教師』。
 ちゃんと見ようと思ってリアルタイムで全部見たドラマは『あまちゃん』が最初だから。もう10年も前のことだよね。
 大河ドラマも、『新選組!』は全部は見ていないし。『いだてん』と『鎌倉殿の13人』は全部見たけどね。そしてたぶん『どうする家康』も最後まで見ると思う。
 連続ドラマって、その連続のせいで、どこか欠けると、もう見る気力が失せてしまうからね。ま、いまはTVerとかもあるけど。
 テレビドラマって、未知の世界をいきなり見る楽しみを、手軽に得られるから、いいよね。地上波とBSでこれだけたくさんドラマがあるんだから、ひとつぐらいは気に入る作品があっていいはずでしょ。
 そう思って今季は思い切って可能な限り2話までは見るようにしてみたんだ。
 だけど、1話の途中でギブアップしたのもあったし、録画したものの、まだ見ていないドラマもある。それを見るかどうかは、いまはわからない。
 これをざっと眺めた上で、年末にはアマゾンプライム、Netflix、ディズニープラスのドラマも見たいとは思うものの、これまた体力勝負だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?