『深夜急 2 −マレー半島・シンガポール−』②

さて、随分時間が空いてしまいましたが、読んだ本の中で印象的だった美味しそうなもの、ご飯を紹介していきたいと思います。
今回は前回に引き続き、『深夜特急 2 −マレー半島・シンガポール−』です。

P87~P88
「席についたものの、注文の仕方がわからずキョロキョロしていると、それを看て取ったひとりが私に訊ねかけてくれた。
『何が食べたいんだい?』
タイの食堂車にどのようなメニューがあるのか見当もつかなかった。だが、彼らのテーブルの前にのっているタイ風炒飯はいかにもおいしそうだった。横に玉子焼きと生の胡瓜もついている。
『それと同じ物がほしいんですけど』
私が言うと、彼らは少し驚いたようだったが、すぐにうれしそうな顔になり、そうか、これを食べたいのか、それはいい、と口々に言いながら、ウェイターを呼んで注文してくれた。」

P167~P168
「ダンロップ氏が申し訳なさそうに私に言った。ここら辺の食堂では、君の口に合うような料理はないかもしれない、というのだ。
『そんなことありませんよ』
私が言うと、彼は首を振った。
『とにかく辛い。慣れていない人にとっては辛すぎるらしいよ』
『平気ですよ。辛いのは好きな方ですから』
(中略)
しばらくして、でてきたのは、いくつもの小皿に盛られた、鶏肉とエビと魚と野菜とライスだった。そして、米を除くと、そのすべてが実に辛そうなチリ・ソースで煮込まれてあった。
(中略)
ところが、最初はそれほどではないと思っていた辛さが、中盤を過ぎるころから激しく効いてきた。体中から汗が噴き出してくる。食べるスピードが鈍ってきた私を、周りの人たちがまた心配そうに見はじめた。
(中略)
しまいには辛さが頭のテッペンから突き抜けていくようにさえ感じられたが、とにかく最後の一口まで辿りつき、どうにかそれを食べ終ると、周囲の人々から安堵と称賛のないまぜになったような吐息が洩れた。」

P181
「それは粥屋だった。中国人にとって粥は朝食のためのものと思っていたが、とりわけいい匂いに感じられたのは魚の粥だった。種類は分からないが生の魚を何枚かに薄くおろし、その切身を入れ、上から煮えたぎるような熱い湯をかける。それだけのものだが、生きのいい魚と何か月も御無沙汰している私には、たまらなくおいしそうに映った」

ということで、『深夜特急 2 −マレー半島・シンガポール−』の②では3つを紹介しました。
私も頭のテッペンから突き抜けるような辛い食べ物に挑戦してみたい(笑)汗だくになって食べたいわ。代謝が上がりそう!
お粥もいいですね。日本のさっぱりとしたお粥ではなく、こってりした味だと思います。こちらも辛いトッピングをたっぷりかけて食べるような、汗だくになって食べるご飯ですね。

ではでは、次回は『深夜特急 3 −インド・ネパール−』を紹介していきたいと思います。

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