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この地域は広く知られるようになった!ー恵那中野方(5)

Vol  52  日本  山村 住民

地域の活性化活動が長年続いた結果、中野方は全国木の駅サミットの開催地になったり、NHKや地元メディアに棚田やファームステイが紹介されたりしていました。

棚田フォトコンテストとカレンダー

中野方の棚田は日本の原風景の一部であり、農業生産地だけでなく、美しい田園風景を形成することから写真家にとっても絶好の撮影スポットとなっています。 よそから来た観光客や写真家の姿がよく見られています。

中野方では毎年、「中野方の美しい四季・棚田で働く人々」をテーマに、この地域を撮影した写真を公募するフォトコンテストを開催しており、写真愛好家の技術と作品を地域の知名度向上とPRに結びつけています。

写真愛好家が撮影中

この写真コンテストは、写真愛好家の技術や美の追求、表現の場を与えるだけでなく、外部からの視点と表現スタイルを借りて地域の自然や住民の働き方を記録し、同時に中野方の魅力を映像で感じ取り、理解してもらう役割を果たしています。

春、夏、秋、冬の季節の移り変わりには、木々や花の色や形が変わり、棚田の水鏡、緑の苗、金色の稲穂や銀色の衣装に包まれるいろいろな表情を見せてくれます

農泊「銀もくせい」女将さんのカレンダー写真の再利用

特に、地元でさまざまな生産活動が行われる時期には、自然の景色と人間の営みが一体となる景観は、写真家たちに豊富な素材と絶え間ないインスピレーションを与えます。

写真撮影作品選定中

写真の審査は、地元住民の代表と、外から招かれた新聞記者や写真撮影のベテランによって行われます。作品が入賞した作者には、棚田米や地元でしか流通しないモリ券が贈られます。

受賞者にとっては、自分の作品が次年度の棚田カレンダーに選ばれることほど、楽しみで誇らしいことはないでしょう。

中野方棚田のカレンダーは、販売品、または中野方町と交流や取引のある団体や組織への年末の贈呈品になっているそうです。
カレンダーの制作コストは安くないため、このプロジェクトは経済利益を狙っているのではなく、中野方棚田の知名度アップや社会的影響力の拡大を果たしてもらいたいそうです。

自治体からの補助と支援

中野方棚田が農林水産省の「棚田百選」に選定されて以来、岐阜県と恵那市から指導・支援を受けているそうです。

地域の変化と成果について、行政からの財政投入によるものだと思われるかもしれませんが、関係者は「我々が生活本来の内容を体験・体感できる形に開発しただけであり、都市の人々を惹きつけるためにわざわざ建物設備を増やしたり、我々の生活になかったスタイルのものをサービスや商品として提供することなく、観光客に見せたのはこの地の生活と文化のありのままの物です」と話してくれました。

生活の道具を手づくり体験

この点に関しては、行政から地元の住民までこのようなコンセンサスがあります。行政からの助成金は、パンフレットの作成、ウェブ・プラットフォームの構築、地元の主要施設における看板や道路標識の設置などに限られ、具体的なプロジェクトの開発や運営は地元の人々の自発的な行動によるものでした。

紙のパンフレート
紙のパンフレート(英語)

恵那市坂折棚田保存会(NPO法人)のウェブページは、岐阜県から依頼を受け、専門会社が制作したもので、詳細で明確な内容、美しい画像、検索しやすさを備えています。

恵那市坂折棚田保存会HP
恵那市坂折棚田保存会HP

日本では、いかなる社会変革も、政府の指示や政策、補助金によって始まるのではなく、むしろ民間の先駆者の発案と推進によって始まます。 覚醒した住民の一部が自発的に行動し、その必要性や意義がメディアに取り上げられ、国民の声として伝わることで、政府部門の注目や支援につながり、最終的には地域全体や社会全体に利益をもたらす政策や法律が生まれます。

したがって、現実的な問題を解決し、生活の状態を改善するための効果的な手段は、まず自ら行動し、同じ境遇にあり、同じような考えを持つ人々を集め、行動によって現状を変えることです。

ここまでの5回は、農泊「銀もくせい」のオーナーである鈴村さんご夫妻との出会いからお聞きした話でした。 中野方町民の地元づくりへの知恵と勇気、具体的な行動に感心しながら、物語に登場する森や棚田といった資源になる名詞は、どの地域の自然資源にも置き換えられ、地域づくりの参考モデルになるのではないか、と考えました。

農園を後にするとき、オーナーの鈴村今衛さん(地域活性化運動の中心メンバー)に「中国の農村部から視察や交流に来たいと言われたら、受け入れていただけますか?と尋ねると、「もちろん、問題ありません!」と明るく答えてくれた。

農泊「銀もくせい」オーナー鈴村夫妻と筆者(中)

(おわり)

文:欧阳蔚怡
图:引用于NPO法人 恵那市坂折棚田保存会 (sakaori-tanada.com)

本文中国語バージョン


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