恵那での“農泊”ー恵那中野方(1)
Vol 48 日本農家
「農泊」は新しい旅のスタイル。
旅行者は古い農家や伝統的な農家に宿泊し、日本の伝統的な生活様式である農業や漁業を体験し、そこに根付く風景や魅力を発見し、体感します。
私は、3月末に岐阜県恵那市北部にある中野方地区にある農泊「銀もくせい」に行き、その新しい旅のスタイルを体験することにしました。
農泊の「銀もくせい」とそのオーナー夫婦
名古屋から車で1時間ぐらいで銀もくせいにやってきました。玄関を通し居間に腰を下ろし、女将さんが持ってきてくれたお茶とお菓子をいただきながら、客間にあるひな様3段飾りを眺めました。この家はひな祭りを迎えていることがわかります。
この地域の「ひな祭り」は旧暦になっており、日本の公歴のひな祭りより一ヶ月遅く、4月3日になっているそうです。ひな祭りの一か月前に飾り台が作られ、4月3日に片付けられます。翌年になると、同じようなことが行われるというのは毎年の伝統行事です。
伝統的な日本家作りに、客間は、前と奥の2間があります。女将によると、農泊が始まる前の奥の客間にはお布団を置いていなかったそうです。
客は外の客間で食事をします。
オーナーが自分で育てた米と野菜、自分で採った山菜、自分で作った醤油、味噌、漬物、自分で醸造した梅酒......。
都会人が憧れる無添加のグリーンフードです。
農泊「銀もくせい」は2018年に開始し、そのエリアには5つの農泊があり、それぞれが得技を持っています。それは、もてなしの得意料理であったり、手芸品作りや農業体験であったり、郷土料理作りや小さな子供向けの自然遊びがであったりなどなど、様々であります。
5軒の農泊オーナーは仲間同士になり、定期的に連絡を取り合っているので、普通の農家にない農泊に関する情報交換はお互い刺激と励みになっているそうです。
国内外のゲストとの交流によって、オーナー自身の人生経験も豊かになります。どうすれば家庭料理のバリエーションが増えるのか、どんな味付けがゲストに喜ばれるのか、どうすればより良い滞在ができるのかを常に考え、テレビの料理番組を見て料理の研究をすることは日常になるそうです。
日本人は一般的に自宅に客を迎えることに抵抗があり、客を泊めることをあまりしないそうです。田舎はさらに閉鎖的だと思われます。銀もくせいの場合、大家族のため、三度の食事と家事で忙しい奥さんに、農泊で客を世話するだけの余裕があるでしょうか。
女将さんはこう話しました:
農泊をするきっかけを女将に尋ねました。
「2008年に主人が森林保全活動を始めたことにさかのぼります。行政の農泊推進政策も、農泊が続けられた理由のひとつです・・・・・・」。
このストーリは次期に紹介します。
日本政府が農泊を推進
地方が観光客に日本本来の生活様式や地域独自の文化を体験する機会を提供することができることから、日本政府は、外国人観光客が体験を通じて旅の楽しみを見いだせるよう、地方への観光客誘致や資源開発を国策として推進し始めています。
人口減少・地方過疎化が大きな課題となる中、国は民泊新法の制定だけでなく地域活性に大きく影響を与える農泊の推進にさまざまな対策をし予算も投入しています。
日本でも小中高生の修学旅行に農泊が推進されており、日本人観光客の需要も徐々に高まっています。農泊が大きな可能性を秘めていると考えられる理由のひとつは、政府がこのプログラムを推進していることです。
(続き)
作者:欧陽蔚怡
写真の一部引用:NPO恵那坂折棚田保存会
本文の中国語バージョン
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