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こうやって都会の人々を魅了するー恵那中野方(4)

Vol  51   日本  中山間部の人々

3月末、たまたま選んだ農泊をしたことがきっかけで、農泊のオーナー夫婦の話3回にわたって記事を書きました。実は、中野方町は「木の駅」プロジェクト以前から、厳しい現状を変え、地域の魅力を発信するさまざまな試みをしていました。「 木の駅」や「農泊」は、多くの課題を展開していたプロジェクトの一部です。

中野方町の人々は、自分たちの生活環境やライフスタイルからさまざまな体験的要素を掘り起こし、都会人を惹きつけるプログラムを開発し、地域を活性化させるために外部の人を呼び寄せました。
実施されることで、外から中野方にやってくる人が増えました……。


里山・森林体験

前号で紹介した中野方の涵養林づくりを目指すために結成された「杣組」は、地元の山林主たちの自発団体でしたが、その後、この活動は外部にも開かれた「1コース」「1泊2日コース」「2泊3日コース」へと発展しました。

木の伐倒体験
チェーンソーで丸太切り体験

1日コースは森づくりの意義、安全対策、服装などの基礎学習と作業に欠かせない道具・チェーンソーの構造と整備方法さらに丸太切りを体験できます。
「1泊2日コース」は森林の中で、選木と伐倒、枝払いなどの体験を加えました。
「2泊3日コース」講習は、実際に森林の中での間伐そして搬出までを体験する本格的な講習です。上記の2日間の作業の上、3日目は間伐した木を山から「木の駅ステーション」まで搬出する体験ができ、特典として6,000円分の笠周地域通貨「モリ券」が進呈されます。

棚田オーナー制度

杣組活動の背景において、かつて人々が山で生計を立ていた時代は終ったと紹介しました。過疎化と高齢化の結果、森林が放棄されただけでなく、400年続いた棚田を守る人も減り、地域のあらゆる面で悪循環が始まりました。このような現象は日本の山間部の全体に広がっており、手入れされていない農地は荒れ地と化しています。

暮らしの景観と棚田の活力を維持するため、中野方町は2006年から「棚田オーナー制度」を導入しました。近隣の都市から農業に関心のある人を募って農業に参加してもらい、半分ぐらい放置されていた棚田を復活させる試みでした。

田植えの時期
家族連れの棚田オーナーたち
田植えが終わった棚田

近隣の都市から田植え、草取り、収穫などの農業体験に数ヶ月間参加できる棚田オーナーは、秋の収穫後に20キロの棚田に育った米と季節の農産物が贈られるほか、地元の伝統的なさまざまな行事や交流に参加することができます。

収穫体験
収穫祭 もち投げイベント
棚田オーナーと地元の人々が一緒にもち焼き

年中ほかの農業体験

  • 春はきのこの菌を植える時期に、原木に穴をつくり、菌を植え付け

  • 栗は恵那市の特産物。秋は、熟して木から落ちたばかりの新鮮な栗を拾い

  • 10月中旬から下旬まで、良質の枝豆の収穫体験と試食

原木に菌を植え付け
栗を拾った

棚田保全体験

中野方の棚田は、昔の城を作る技術で石積されました。400年もの間、風雨に浸食されてきたので、痛いんでいる箇所を崩し、新たに積み直しをします。

毎年、地元の人々は都会からの受講者とともに棚田の修復に取り組み、その景観を維持し、地元の石積み名人が指導の下で、昔ながらの技法を伝承します。

痛んだ箇所を崩す
石積作業
修復完了

山村の労働と生活に憧れる都会人

森林の間伐や、農作業、そして棚田の整備など、腰が痛くなったり、汗まみれの肉体労働ですが、これらの作業には熟練した地元の名人の指導が必要なため、活動参加は有料となります。

自然を生活の中に取り入れ、日本の手つかずの風景を体験したいと願う人々は、都会の生活から1日または数日離れ、家族連れでこの地にやってきます。

石で作られた棚田の景観は美しいだけでなく、土砂崩れを防ぎ、川の水源を浄化し、農村の生態系を豊かにします。棚田で働き、人と自然の共存を体験することで、都会に住む人々は心身ともに完全に解放されたリフレッシュ感と、自分の手で棚田に植えた米のおいしさに、多くの人がこの場所を好きになり、様々な体験にはまってしまいます。

山で切った竹を流しそうめんの装置を作る

間伐に参加した人たちや棚田オーナーの多くは、何年も続いてきます。都会から移住し、中野方の住民になっ家族も何組いるそうです。

本文の中国語バージョン

(続き)

文 : 欧阳蔚怡
图:NPO法人 恵那市坂折棚田保存会 (sakaori-tanada.com)




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