「買わない」と決めると行動が変わる
小さな気づきなのですが、整理収納アドバイザーとして、私には「絶対に買わない」と決めたものがいくつかあります。
そのうちのひとつが「ゼムクリップ」と呼ばれる、書類を留める小さなクリップです。
おそらく1ケースに100~200個ほどが入っている商品。
ケースで買ったところで100円程度のものです。つまり、単純計算でもクリップ1つあたり1円未満。
この程度のもの、買い直したところでお財布には全く影響ありません。だから、どんなご家庭にもなぜか大量に常駐しています。
けど、いろんな人の家を片付けていて、これほど地味にストレスな文房具もないんですよ。
たとえば、引き出しを開けたとします。
絶対にどんなご家庭でも、引き出しの中からこのゼムクリップが4~5個は出てきます。
しかも、ホコリまみれ、錆びまみれの状態で!
もちろんこういったモノは捨てるしかないわけですが、
中には「もったいないから」と取っておこうとする人もいらっしゃいます。
錆びたクリップで、何を留めるというのでしょう。
取っておいたところで、どうせまたホコリをかぶるだけなのに…。
家で仕事をしてると必要です! とか、
町内会の資料をまとめてます! とか、
そういう方々はともかくとして、
どう考えても、一般家庭に100個もクリップは必要ないんですよ。
けど、「1つや2つはないと困る」(時もある)。
けど企業側も1つや2つ売っても商売にならないから、100個単位で売るしかなくて、いろんな家で溢れ返っているんですよね。
けど、
■小さいけれど金属だから捨てづらく(どうやって捨てるかご存じですか?)
■それでいて指に刺さったりして意外と取り扱いも面倒。
■金属ゆえに錆びも出ます。ホコリも絡まりやすい形状。それでいて拭き取りにくい。
■小さいから目立たず引き出しの中で散らばるのに、引き出しの中にあると結構目立つ。
そんなわけで我が家ではこのクリップは「買わない」と決めました。
そうすると、どうなるか?
子供が学校から貰って来た書類にこのクリップがついていたりすると、すごく貴重なものに見えてきます。
「買わない」からこそ、「ひとつひとつを大事に保管しなきゃ!」と思うんです。
専用の小物入れに入れて、大事に保管してます。
あっ、そうそう、同じく「買わない」と決めたものの一つに「安全ピン」もありましたっけ。
これまた「貰ったものを保管しておくだけで充分な数が見込める」上に、たくさんあると邪魔、でも、なければないで不便、というものです。
こうしておくとですね、
必要な時に必要な分が、スッと取り出せてすごく便利です。
これってね、いまの日本の社会に似てると思うんです。
「人材なんてナンボでもあるから、安い派遣社員を使い捨てにしよう」と正社員より派遣社員を雇うことが増えましたよね。
その結果、日本人は物質的・精神的に随分と貧しくなっていきました。
「人材には限りがある、だから従業員一人ひとりを大事にしよう」と思っている社会だったら。
いまの社会は随分暮らしやすくなってると思うんですよね…
「いくらでも代わりがきく」と思うのではなく
「ひとつひとつには代わりが利かない」と思う社会。
こういう社会こそ、本当の持続可能な社会で、豊かな社会なのではないかと思うのです。
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