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隠れオタク/隠れ腐女子の「隠し方」

隠れ腐女子界隈でも終活問題が取り沙汰されるようになりました。
早く「脳内に埋め込んだICチップがその人の生体反応を感知して死亡と同時に所有するハードディスクを爆破するシステム」を実装してほしいものです。

オタクを自覚した中学生時代から、この話題はリアルな腐女子仲間の間でもちきりでした。
学校で薄い本の交換をするためにカバンに忍ばせるんですけども、そんな日に所持品検査があったらどうしよう。いやいや、それよりも、登下校中に交通事故に遭ったらどうしよう。最期に残す言葉が
「カバンの……中は……見ない、で……(バタン)」
とか
「積み荷を……積み荷を燃やして……」
になりかねない。

しかし爆破システム実装にはまだ時間がかかりそうなので、自分でなんとか対処しておかねばなりません。
一番良いのは「ご家族に理解を得られる」ということ。
しかし、分かっちゃいるけど、これはかなりハードルが高いように思えます。
しかも、よくよく聞いてみると「理解がある」のではなく「無関心なだけ」だったり、「意図的に無視している」だけだったり。

自分のお宝の価値を客観的に見極め、自分と同じ熱意で愛してくれている家族、というのはなかなかないのではないかと思うわけです。
そもそも家族には言えない、人には絶対知られたくないという「隠れ」の皆様の方が多い……と思うのですが、いかがでしょうか。
(これは世代間格差があろうかと思います。少なくとも私の周りや私の同年代はそう言う人が多いです)

■背筋の凍る実話

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ちなみにこんなところで暴露しますと、
私の実母は重度の歴女で腐女子でした。しかも堂々と公言してたタイプの人です。父の横でも平気でそういう漫画を読んだりしていました。
そんな母、わりと早くに病気で亡くなりました。おそらく本人さえも予期しなかったでしょう。遺品整理どころか、欲望の赴くままに本を買い漁っていた人が、その整理さえせずに亡くなったのです。
葬儀などを終え、幼き日の私は、父と二人で母の遺品整理しました。そのとき、

「おかーさんの漫画はホモばっかり…」

と父がぽつり呟いたのです。これは幼心に忘れられない一言となって今も私の胸に突き刺さっています( ;∀;)
つまり父は、オープン腐女子な母の趣味を知ってはいたけど、「理解がある」のではなく「触れないようにしていただけ」だったのですね。
ちなみにその時に母のお宝本はほぼ全部廃棄されてしまいましたとさ。
母は草葉の陰で泣いていたかもしれませんが、父も私も母の趣味は「理解できなかった」のでね。
※私は同じ腐女子だけど、推しジャンル違いだったのです

そのときの心情をツイートしたものが上記の画像ですが、内容が内容だけにそこそこRTされました。

本当に、いつ死ぬか分からぬのが人間というものです。
なればこそ、薄い本やヤバいブツの取り扱いには万全を期したい。
周囲から理解を得られている人だったとしても、道で倒れて死んだら、見ず知らずの他人に荷物の中身確認されますよ? その時に薄くない薄い本が入ったりしてたら二度死ねますからね?
『神絵師のお宝本』とか偉そうなことを言ったところで傍から見れば中身ただのエロ本ですからね!?

それでなくとも死後の遺品整理は周囲に迷惑をかける行為。
それが「家族の隠し持っていたエロ本の処分」とか、ちょっと正直キッツいものがあります。
この辺には男女差などありません

■隠れ腐女子業界の「隠し方」

では我々「隠れ腐女子業界」でどのような手法を取っているか。
これは先達にご紹介いただいた方法です。100%完璧な方法ではないですが、少なくとも「鍵をかけて押入れの奥に保管する」とか、「隠し部屋を用意する」とかより効率的でよいと思っています。

本当に見られては困る、しかし手元には置いておきたい神聖なるコレクションは、厳選して段ボールひとつくらいにまとめます。
それが難しいと言われるかもしれませんが、この取捨選択こそが自分の『本当の推し』を見極める作業でもあります。
自分の内面に深く深く問いかけてください。
無人島に一つだけ持っていけるものがあるとしたら……
宇宙に一人投げ出されたときに最初に思い浮かぶのは……
そういった神なるコレクションは、自分がもしいなくなったとしても無下にゴミに捨てられたりしたくないものだと思います。

託す相手は、そう、仲良しフォロワさんのみ。
性癖が同じで、本名・住所・年齢・家族構成くらいまで把握している、ごくごく一部の仲良しフォロワーさん。
誰しも1人2人くらいはいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、段ボールの上に、わざとらしくこんな風に書いておいておくのです。

「〇〇さん(フォロワさんのお名前)から借りたもの。要返却」

『要返却』と書いた以上はそれらしく『宅配便の発送票』もつけておくと効果的です。
※もちろんここまで書かれていても開けられるときはあります。その時は潔く諦めましょう

この方法だと、仮に家族がその段ボールを見つけたとしても「あ、それ借り物だから勝手に開けちゃダメだよ!」と、存在をアピールしつつも家族が勝手に開けて中身を見るのを防げる(のだそうです)。

こう書いておくことで、堂々と家族の目のあるところにも置けるようになります。押入れの奥などに押し込むのではないので、自分も手に取りやすく、湿気対策などもしやすい。
日頃は「まだ〇〇さんの家が片付いてないから返送しないでって言われてるの~( *´艸`)」とかなんとかいって誤魔化す!

そしてこれが最重要!
もし自分が急に亡くなったとき、
(1)それを見た家族が「あ、これは●●さんの持ち物なんだな」と思ってくれること(責任逃れができる)
(2)「あいつはこれを返送しようとしていたんだな、早めに手続してやろう」と思ってくれる(…という可能性が高まる、かもしれない)。

確証は持てませんが(さすがに責任は負えません、悪しからず)、少なくとも他の家で実際に遺品整理の仕事をしている私が言うので、「他の方法よりはかなり効果的」だと思います。



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