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「とりあえず実家に送っとこ」は自分のためにもやめた方がいい

色んなお宅の片づけをしていて必ずぶち当たるのが「捨てるに捨てられないモノ」という壁。
これがご自身のモノなら、こちらもいろいろ言葉を尽くして手放すきっかけを与えてあげられるのですが、「他人のモノ」だとそうはいきません。
ましてや、最愛の子供が置いていったモノだとしたら?

■お片付け、する人が増えているそうです

コロナ禍のステイホーム期間に、自宅の片づけをする人が増えているそうです。とてもいいことですね。
おかげで不用品を買い取ってくれるリサイクル店などは、連日買取査定待ちで大変なのだとか。人々の家には「十分使えるにもかかわらず放置されていた品」がたくさんあり、これらが生活空間を圧迫していた、ということでしょう。

ところで、一見して「これは売れる!」というものならいいのですが、「売れるかどうか微妙」「でも捨てられない(捨てる方がお金がかかる)」というようなものを、皆さんはどうやって処分していますか?

つい先日(直接の引用は避けますが)このようなツイートと遭遇。

部屋の要らない本をようやくまとめ終わって、部屋がスッキリした!
さて、これを捨てるか売るかなんだけど…捨てるのも売るのも面倒だな、よし、実家に送っちゃおう!

これを読んで膝から崩れ落ちそうになりました。ご実家をゴミ箱かなにかと勘違いなさっているようです。

冒頭で引用させていただいた米田さんのnoteに詳しいデータが記載されていますのでぜひご一読いただきたいのですが、ご高齢の皆さんのお宅(独立した子供をお持ちの世帯)の7割強が、「子供が置きっぱなしにしていったモノがある」とのこと。しかもその量、半数以上が「押し入れひとつ分以上」。
更に、「子供に片づけるよう要請しているけれど片づけてもらえない」という返答が6割強なのだとか。

体感としてはもっと多いような気もしていますが、私がお片付け(生前整理)でお伺いする家のほとんどが、ご自身のモノも相当なものながら、お子さんの置き土産的な荷物で溢れています。

中でも多いと感じるのが、本、本、本!

■実家は「便利な四次元ポケット」ではない

実家は物置にしても文句も言われないしお金もかからない、なんなら土産の一つも入れて送ってやれば親も喜ぶだろう、とみんな嬉々として実家に「不用品」を送りつけてますよね。

しかし、よくお考え下さい。
ご高齢の親の住む家は、当然ながら長年住んでいるので、家の強度的にも少し難があります。親御さんは「もし地震で家が崩れたらどうしよう…」なんて悩みを抱えつつ、二階を占拠している子供の大量の本などに不安を覚える毎日を送っていらっしゃいます。

ですが、子供は遠方に住んでおり、「今度帰った時にでも片づける」と口では言うものの、そもそも帰ってこないし、帰ってきても動こうとはしません。(特に今年はコロナのせいで帰れない人も続出)
最終的にはキレて「俺が許可するまで触るな」とか言い出す人も。

仕方なく親御さんがご自身で作業をしようにも、二階から大量の荷物を持って降りるのはかなり危険を伴います。特に本や書籍は重いもの。持ち運べる量を移動するには回数をこなさないといけないし、どちらにせよ負担は大きいです。

まだお客様が私という業者を雇って片づけをしているお宅は良いのです。
でも、普通に考えれば親の方が先に亡くなる。そうなると、この大量の荷物、ゆくゆくはお子さん自身が片づけることになるっていうこと、ちゃんとお考えでしょうかしら…。

■安易に実家に送り付けるのは考え直そう

いま、ご実家に「とにかく送っちゃえ~」と安易に送り付けている皆様。
その荷物、数十年後に自分で片づけることになるんですからね?
そのころには自分自身も体にもガタが来てて、動かない体に鞭を打って自分で後悔しながら作業するんですよ。「どうしてあの時、捨てる決断をしなかったのか…」って。
ついでに、そのころにはカビ&ホコリまみれになっていて、中の確認をするだけでも呼吸器系をやられます。なんならその空間にいるだけでやられます。
その品物が新しい内なら、売ってわずかでもお金を回収することもできたでしょうに、これではただ捨てるだけ。捨てるにも、持ち運ぶのが嫌になる保存状況だったり。

「捨てる」っていう判断を後回しにすると、結局は自分自身に返ってきます。しかも、数十倍の負担となって

どうぞお覚悟を…。


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