70年代・80年代は現在ほど中高の運動部が盛んではない
私の中で、昭和時代はスポ根のイメージが強い。その頃は、戦争を経験した人が沢山いたし、スポ根を題材とした漫画やドラマ(巨人の星・スクール☆ウォーズ)も多かったから。
ところが、私が抱いていたイメージを覆す場面に遭遇した。
先週、しゃべくり007というTV番組を見ていたときのこと。
小澤征悦さん(1974年生)がゲストとして出演しており、高校はバスケ部で週5日部活があったと話していた。
すると、くりーむしちゅー上田さん(1970年生)が「部活ハードですね。」とコメントした。
私は、昭和でも平成でも運動部は週6・週7日が当たり前で(私は週6日だった。)、
週5日はハードではないと思っていたので、
上田さんの発言に驚いた。
そこで、昭和の運動部の事情を調べてみた。
前置きが長くなった。
結論として、昭和よりも平成の方が運動部の活動は盛んだったのだ。
中澤篤史さん(スポーツ科学者)が行った調査によると、
運動部の加入率は、中学生については、1960年代中盤から伸びており、96年がピークとなっている。
高校生については、80年代後半から伸びており、01年がピークとなっている。
ここ最近の加入率は、2016年で
中学生男子が75%で、80年代後半と同等。
高校生男子が56%で、90年代中盤と同等である。
データを見るに、昭和よりも平成の方が加入率が高い。(最近は少し減っているが……)
活動日数についても、中澤さんがまとめていた。文章だと分かりづらいので、Excelで整理した。
87年のデータが無いが、活動日数は中学生も高校生も60年代・70年代は週4日・5日程度で、
90年代中盤が盛んで、週6日程度。
最近では、中学校のデータ(2017年)だが、休養日の平均から算出すると、平均週6日の活動日数。
加入率にしろ、活動日数にしろ、運動部は昭和よりも平成の方(特に平成中期)が盛んだった。
この結果は意外すぎて驚いた。
1970年代・80年代は、スポ根の文化が残っていて、ブラック企業ならぬブラック部活動のような状況だったと想像していたが、見事に勘違いしていた。
現在ほど運動部が盛んでない時代を過ごした
50代の人が、週5日の部活はハードという認識を持ってもおかしくない。
何が言いたいかというと、
私も含めて人間は自分の経験則で物事を語りがちで、事実は異なっているケースは多い。
特に過去の出来事になればなるほど。
具体的な証拠である統計データを見て、
事実を把握してから物事を語らねばならないなと痛感した。
イメージだけで、決して思い込みや決めつけを行ってはならない。
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