ブラジャーとギャンブラー
読んでいる。
まだ途中だが面白い。突き抜けた人の伝記は当たりが多いが、これは特に俺好み。先見の明を持った男が、圧倒的な行動力で突き進んでいく。しかも戦後間もない時代に、男性が女性用下着を商材に選ぶセンスが凄い。
「俺好み」とは書いたが、「真似できるか」「真似したいか」と問われたらNOとなる。俺はこんなバクチのような進み方はできない。塚本は賭け金を吊り上げることのできる男だ。商品を仕入れたいが、元手はわずか。そんな時は少額の手付金を支払い、残りは後で支払うという。自分なら商品を完売し、それで支払いができると信じているからだ。それで実際にやってしまう。
俺が読んだ範囲だとそんなエピソードが多い。チャンスとみたら勝つことを前提とした賭け方をする。それで勝って一気に成長する。そんなことの繰り返しだ。賭けるのは金だけでなく立場もだ。製造業者を他に取られないように合併を持ちかけた時は、自ら合併先に社長の座を譲った。たとえ社長でなくなったとしても、その方が勝ちにつながると信じたからである。しかもその後しばらくして、半ばクーデターのように社長に返り咲くのだから強い。
本書を読んでいると、ナイキ創業者フィル・ナイトの自伝『SHOE DOG』を思い出す。
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