判断を下す前に文脈を理解せよ

読んだ。

2022年下半期に読んで面白かった本の一つである『Anthro Vision』で紹介された、コカコーラが中国でペットボトルのお茶を販売するために協力を依頼したコンサルティング会社、RcDアソシエーツ創業者による本だ。本書における「センスメイキング」とは、文化的探求のことを指す。流行りの定量的な分析ではなく、人文科学の知見を活かした洞察力によって世界と向き合うことを求めていく。

『Anthro Vision』よりもさらに尖った印象を抱き、たまに「本当にそうか?」と言いたくなる部分もあった。とはいえ理系よりの俺としては、普段あまり重視しない要素を見つめ直す機会となり、なかなかの学びとなった。

今回『Anthro Vision』と『センスメイキング』を続けて読んで思ったのは、「文脈」の重要性である。「背景」と言ってもいい。何かを判断する時は、まずその背後にある文脈を理解するところから始めるべきだと理解した。

はてブやTwitterを見ていると、すぐに判断を下してしまう人が多い。その事について今知ったばかりなのに、是非を判断して意見するのだ。もちろん俺もすぐに判断を下してしまうことは少なくない。昨日もうっかりこの記事を読んでやりそうになった。

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