ストア哲学を読んだ

読んだ。

俺はストア哲学の本を読み始めたばかりなので、本書が入門書としてどれだけ適切なのか述べるのは難しい。しかし、これまで他の分野の本を読んできた経験からすると、本書は良い方なのではないかと思う。その理由はストア派以外の視点からも語られているからである。

クソみたいな入門書だと、徹頭徹尾ストア派視点でしか語られないだろう。つまりストア派の教えこそが正しく、ひたすら肯定的に記されるわけだ。読んでいて疑問に思うことがあっても、スルーされるか丸め込まれるかで終わってしまう。

それが本書では、軽くではあるけれども他の学派も紹介される。アリストテレスやエピクロス派など、どれも古代ギリシアではあるけれども、ストア派とは違った主張を持つ。そういった異なる学派を知ることで、よりストア派の教えが際立つわけだ。

また、ストア派に対する他学派による批判も紹介されているのが良い。例えばストア派は運命論を信じている。人の身に起きることは既に定められているのだから、逆らおうとせず進んで受け入れるべきである、と。

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