見出し画像

与那国島の人

“名前なんというの?”
“どこからきたの?”

“俺は○○って呼んで!”
“釣り行こうよ!夜ミーバイ釣れるよ”
“海入ろうよ!”
“三線これだけあるんだ。父ちゃんのなんだ。
これは、おじさんが前に三線つくってたから、その三線なんだ。”

息子もすぐに友達になれるタイプだけど、
更に島の子どもたちは人懐っこい、人が好き、
自分の島が好き、みんなと仲良くなる術を持っている彼らはキラキラしていてとても魅力的。

与那国馬に餌をあげる
針に糸をつける。暗くて見えない。

与那覇さんは、クバ民具をつくっていて、
与那国馬の乗馬体験や奥様は琉球舞踊をしていて、旦那さんは三線弾き、与那国島の文化を全国に広めていらっしゃる方。

私もクバ細工と三線で生業をたてよう。と決めたのは、与那覇さんがいたから。私は沖縄の人でもなく、暮らしたこともない。
でも、三線の音色に情緒を感じ、生きる力をもらい、言葉にならない想いを歌に、その想いを形にすることがクバでできると思って、福岡で活動を始めた。どこでどう人生が変わるかわからない。小さなきっかけが、振り返るとその時だと後からわかる。



商店前に仲良し3猫🐈🐈‍⬛🐈‍⬛
島には猫が多い。

与那国島は宿が少ない。ギリギリセーフでとれたゲストハウスもいっぱいで、岡山、神奈川、静岡、東京、全国から来ていて、目的も様々。
ダイビング、観光、Dr.コトーが好きで来た人、ゴミ、漂着物の研究、台湾との関わりや歴史を調べる人、、私のようにクバ細工や三線の方はいなかったけど、共同スペースでは、入れ替わり立ち替わりで人との交流が行われている。
そこで出会う人から情報が得られていく面白さ、その場限りだからこそ、それぞれの人生を語ることができる、これが好きでゲストハウスに泊まる人も多い。私もその1人で、ホテルや旅館にない面白さを感じるけど、これも人それぞれの好みかな。

ジェンガをする人、百人一首をする人、飲む人、
恋話をする人。。

今週は寒い与那国島。20度くらい、曇りと雨続きで、先週の晴れの時は暑いくらいで海にみんな入っていたらしいけど、水着の出番はなさそう。
関係ない子供達は、飛び込んで遊んでいる。
波もあるからサーフィンもできる、サップもできる、石垣島のように珊瑚がどこまでも続いている浅瀬は少ないように感じる。
島によって隆起の仕方が違うから、海の遊び方も表情も全く違うんだと、それは実際に来てみてわかること。

小学5年、家から運んでサップをする
与那国島の立神岩。迫力が伝わらない!
登ると祟りがあると言われている。

今回の目的は、クバ畑をみること。
いつも与那覇さんが送ってくれるクバがどんなところで育って、伐採されて、私の手元までくるのか、みてみたかった。与那国島から福岡に来てくれているクバ、故郷を知りたくて、やっとこれた畑はジェラシックパークのよう。

 

与那覇さんのお爺さんが植えたクバ畑

やっと出会えたクバに挨拶をして入らせてもらう。なんとも言えない空気と空間。
かっこよくて、可愛くて、美しい。
そして、水に強く、柔軟性があって丈夫でしなやか。私もクバのような人間になりたい、と思って、そこに惹かれて生業にするまでになった。
そして、クバのお世話をする与那覇さんの奥様がまたクバのように大きな心を持っている人で、
芯があるかっこいい女性。

なたで間引き、伐採する姿にほれぼれ。
足を切らないようにね!サンダルでクバ畑にはいる。
ときに道に迷うそう。

クバをすることを承知してくれた与那国さん。
技術は渡さない。という職人もいるから、私はクバ細工を生業にすることは、与那覇さんに迷惑になるんじゃないか。と思ったりもして、
福岡でクバをしながら三線を弾いて、想いを伝えていきたい。と話をしたら、

“クバが繋いでくれている縁。あなたがしてくれることで、クバの伝承もできるし、島のPRにもなる、私たちの仕事にも繋がるから、是非してください。”

と言ってくれた。私は私のできる範囲で表現をしていこうと、また気持ちが新たになった与那覇さんの言葉で、嬉しくも身が引き締まる思いになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?